俳句鑑賞文(復刻版)    2019 September       0 トップへ   






(9/30)


スクラムの鼓動伝はる秋の芝   慢鱚

ラグビーのスクラムを酌む選手の鼓動がグランドの芝に伝わる。
芝に焦点を当てたところが素晴らしい。
大工原 一彦 北野 和良 さん。特選にお取り下さりありがとうございます。
映像から日本の競技場の芝が素晴らしく綺麗に見えましたので詠みたくなりました。



(並選)


夕闇の虚々実々の秋の声   夢積

秋の夕闇はいろいろな思いを去来させる。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



曼珠沙華無心に回るバレリーナ   寛昭

バレーのプリマドンナに見立てたところが新鮮。
古閑 寛昭 北野さん、ありがとうございます。



君おもふ愛の噴きをり彼岸花  栄太郎

曼珠沙華の花に愛の情熱を重ね見る作者。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
大地より真紅の花が噴き出すように咲く彼岸花は、
愛する思いの丈が噴き出したように思います。





(9/29)


俺流の鯊の天婦羅オンザロック   夢積

釣ってきた鯊を天ぷらにし、オンザロックで味わう秋の味覚。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます嬉しいです。



(並選)


手を広げ恫喝したる案山子かな   満徳

恫喝する案山子の措辞が面白い。
永田 満徳 選んで頂きありがとうございます。
昔ながらの素朴な案山子もいいですが、現代の案山子は趣向が凝っています。



見下ろせば秋のたわわや五大堂  祐

松島の秋景色。広々とした景を引き締める五大堂。
牧内 登志雄 北野さん、並選ありがとうございます。励みになります。



秋気澄む壁打ちテニスの音高し  栄太郎

スポーツの秋、壁打ちテニスで汗を流そう。
桑本 栄太郎 北野 和良 様・・・・大変有難う御座います!!。
それでなくても弾む音が、空気が澄んで居れば余計に弾むように聞こえて来ます。





(9/28)


ひつそりとガラシヤの里の桔梗かな   寛昭

戦国の世にあって、愛と信仰に殉じた細川ガラシャ夫人。
古閑 寛昭 北野さん、特選に選んで頂きありがとうございます。



(並選)


一湾の古き漁港や秋の虹   夢積

虹の立つ古い港、この趣が大好きだ。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



秋蝶や破れた羽のままに飛ぶ  千秋

破れた羽で必死に飛ぶ秋蝶が哀れを誘う。
中野千秋 和良さん、ありがとうございます、



暮れなずむ家路となりぬ金木犀  栄太郎

夕暮れの家路に金木犀が香っている。さあ急いで帰ろう。
桑本 栄太郎 北野さん、藤倉さん、小口さん・・・大変有難う御座います!!。
夕暮れ時の家路にどこからか、金木犀の香りが漂って来ました。
金木犀の花と見定めてからではなく、漂い来る金木犀の香りこそ秋を実感します。





(9/27)


秋扇恩師を偲ぶ筆の跡   夢積

恩師に頂いた扇は筆跡に師を偲ぶ大切な形見だ。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます、
最初に俳句を教えてくださいました先生です。



(並選)


城跡に鬨の声かな虫時雨  俊彦

城跡の虫時雨、まるで往時の戦の鬨の声のようだ。



縄電車オンデマンドの花野行  たけし

花野を行く縄電車は、どこにでも止まります〜
小林 たけし 北野 和良 さん ありがとうございます。
この縄電車は彼岸と此岸のシャトルかも(笑)



太鼓鳴りピストルが鳴り体育祭  栄太郎

太鼓やピストルの号砲が聞こえ盛大な体育祭だ。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
近在に小学校と中学校が併設されていて、昨日は中学校の体育祭が
本番のようでした。ブラスバンドも有名な学校であり、
鳴り物の賑やかなこと!!。





(9/26)


まあ綺麗などと云はれて毒茸   寛昭

鮮やかな色彩の毒キノコをクローズアップ。
古閑 寛昭 北野さん、特選に選んで頂きありがとうございます。



(並選)


台風過暦に潜む息遣い   夢積

昔から言われている二百十日、二百二十日は現代にの生きている。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



芒の穂日に三便の滑走路   慢鱚

一日三便しか発着のない地方空港、芒が元気に靡いている。
大工原 一彦 北野 和良 さん。ありがとうございます。
松本空港に日に3本の1本をよく見に行きました。



朝寒むみ夢に震える目覚めかな  栄太郎

夜明け前、急に冷えてきて目が覚めた。何か夢を見ていたがはて思い出せない。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
朝方は冷え込みようになりましたね?
寒い時に見る夢は、哀しい内容が多いい様です。





(9/25)


湖風に光零して秋桜  泰與

具体的な場所は特定できない、湖と光とコスモスの明るい景色が目に浮かぶ。
小口 泰與 北野 和良様 特選にお選び頂き有難う御座います。
大変嬉しいです。



(並選)


久しからず秋刀魚の匂ふ浦の路地   夢積

不漁とは言われるが浦の路地にはサンマを焼く匂いに満ちている。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



鯊釣るや団塊の背の並ぶ岸  俊彦

岸壁の釣り、中七がユーモラスだ。
鎌田 俊彦 北野 和良さん、お読み取り有り難うございます。



まだ青き姿態躍りぬ体育祭  栄太郎

小学生の体育祭だろう。
子どもたちのピチピチと跳ね回る姿は希望に溢れている。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
住まいの直ぐ近くに、小学校、中学校が併設されています。
この句の場合は中学校ですが、グランドより毎日体育祭の練習の声が
聞こえています。中学校ですので、体育祭としました。
まだ青い姿態ながら元気一杯です。





(9/24)


満月や李白想いてひとり酒  眠兎

満月を眺め古の李白を想い独り盃を干す。そんな夜もいいですね。
河辺 伸一 こんばんは。 ありがとうございます。
はい。李白の漢詩って月と酒が良く出てきますので、
今でも月とお酒って良い取り合わせだと思います、



(並選)


鰯雲もう使われぬ登り窯   玉有良

使われなくなった登り窯。哀愁を感じます。
小出有紀 北野さん、野島さん、ありがとうございます。
登り窯カフェなるものがあるそうです。



秋水の雲映しつつ光りけり  栄太郎

小川の流れが雲を映し光っている。秋らしい清々しい景色。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
散策の途中の川の水面です。爽やかな気候となりましたね?



病名のその先問わず糸瓜かな   夢積

季語から晩年病床に苦しんだ子規が思い浮かぶ。深刻な病なのだろうか?
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます、
重い病気ではなくて色々あり糸瓜の様に中身カスカスです。





(9/23)


土地柄をまづ鳩に聞く渡り鳥   慢鱚

北からやってきた渡り鳥がこの地を候補に選び土地柄を地元の鳩に尋ねる。
人が住処を変える時もそんな調査をするが、鳥もという想像が楽しい。
大工原 一彦 北野 和良 さん。ありがとうございます。
特選にお取り下さりとても嬉しいです。
渡り鳥の住み良い基準も調査してるはずですよね。



(並選)


精霊の宿りし社や彼岸花   夢積

精霊と彼岸花の取り合わせがユニークだ。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



後の月盃を重ぬる黙二人    静代

月を眺めながら杯を交わす二人。言葉はなくとも心が通っている。
岩永静代 和さん、ありがとうございます。
言葉は要らないときありますね、、、



鬼の子の寝返りしたる蓑の中  栄太郎

鬼の子の寝返りという想像が楽しい。
桑本 栄太郎 つちたにさん、北野さん、岩永さん、野島さん、小口さん・・
・大変有難う御座います!!。鬼の子、鬼の捨て子とも言われる蓑虫です。
時には寂しく、時には眠れない事もあったりで寝返りしているのでは?
と想って居ります。





(9/22)


水底の水の煌めき石たたき   正則

水辺でセキレイが尾を振りながら水を飲んでいる。水底には陽の光が反射し煌めいている。
程よい季語の距離感が気持ち良い。
野島 正則 北野 和良 さん、特選、鑑賞ありがとうございます。励みになります。



(並選)


今年米五臓六腑を徘徊す   夢積

待ちかねた新米のご飯を食べる喜び。ちょっと大げさな措辞が面白い。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



坂道の染めて垂れをりこぼれ萩  栄太郎

満開の萩からはや花びらが溢れ道を染めている。
桑本 栄太郎 北野さん、小口さん、河野さん・・・大変有難う御座います!!。
陸橋を渡ってバス停への坂道は今宮城野萩が盛りです。
花びらもこぼれとても良い風情です。



ノーサイド笑顔肩組むラガーマン  眠兎

激しく闘った後、試合が終われば肩を組み合い健闘を称え合う。
河辺 伸一 こんばんは。ありがとうございます。
ラグビーの試合を観てノーサイドの笛がなって、笑顔で肩を組みしている姿を
見て爽やかな気持ちになり感動おぼえました。





(9/21)


雨あがり葉裏に紅の水木の実  栄太郎

水木の実が色づき始めた。小鳥たちも待ちかねているだろう。
桑本 栄太郎 北野さん・・・特選にお選び頂き、嬉しいコメントも
頂戴しまして大変有難う御座います!!。水木の葉は紅葉も早く、
実は既に真っ赤に色づいて居ます。一番乗りですね!!。



(並選)


丹精の黄菊白菊真つ盛り  直

菊花展が始まった。丹精込めて育てられた黄菊白菊の見事なこと。
大津留 直 北野 和良 さん、ありがとうございます。嬉しく存じます。



SP盤又流行りだし秋麗   夢積

SP盤のリバイバル。ドラマなどにもよく登場する。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



爽籟や窓といふ窓開け放つ   真波

爽やかな風、思わず家中の窓を開け風を味わう。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます。





(9/20)


手のからむピアノ連弾秋うらら  無智

なにの曲だろう、連弾をする二人の娘、曲が進むにつれて
手が絡みクライマックスへ。季語がよく効いている。
福井 栄一郎 北野さん、特選に選んでいただき有難うございます。
とても嬉しいです。先日発表会で、孫も入って小6の仲良し三人の連弾で
「運命」を演奏しました。



(並選)


秋の七草手前で降りる山の駅   夢積

一駅前で降りて歩きながら秋の七草を愛でよう。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



秋海棠の私語のはじまる夕間暮   千秋

日が陰り始めると待っていたかのように秋海棠ののおしゃべりが始まる。
中野千秋 和良さん、ありがとうございます



世を照らす光なれかしいなつるび  栄太郎

雷雲が来て激しい稲光が。不条理な世を照らす光であって欲しいものだ。
桑本 栄太郎 北野さん、岩永さん・・・大変有難う御座います!!。
一瞬昼なお明るくなる稲光を先日はずっと眺めていました。世の中の悪を
すべて明るみに出しきって、リセットして欲しいものと稲光に願うばかりです。





(9/19)


ワンカップ鞄に潜め秋彼岸   夢積

秋彼岸の墓参りにワンカップをお供えに。
Mutumi Shinogi 北野さん特選ありがとうございます、
酒飲みの兄の墓参りです。



(並選)


鰯雲海に返して大漁船   霜魚

いわし雲が海に飛びこんだように鰯の大漁。あぁめでたいな。
佐藤文彦 北野 和良さん< お選びいただきありがとうございます(^∇^)
今年は水温の関係か秋刀魚が不漁で。そのかわりイワシが沸いてます。(^∇^)



蓑虫のバンジージャンプ遠筑波  たけし

茨城の竜神峡大橋にはバンジージャンプを楽しめる設備があるのを思い出した。
小林 たけし 北野 和良 さん ありがとうございます。
蓑虫の背景にくっきりと筑波さんが秋晴れに映えていました



クレーンの青空にあり天高し  栄太郎

並選に頂きます。建設用の巨大クレーン、力強さが伝わります。





(9/18)


灯台にもやい結びの鰯雲   夢積

灯台の背景いっぱいにいわし雲。中七もやい結びが利いている。
Mutumi Shinogi 北野さん特選ありがとうございます嬉しいです。



(並選)


「踊りませふ」吾を誘ふや秋茜  静代

赤トンボが Shall we dance 。夢がありますね。
岩永静代 和さん、ありがとうございます。
そうそう、Shall we dance



月渡る近江の湖のまつたひら  無智

鏡のように冴え渡る琵琶湖の水面に映る名月。実に大きな景だ。
福井 栄一郎 北野さん、並選に選んでいただき有難うございます。
嬉しいです。



鬼の子のすすり泣きをり真夜の闇  栄太郎

真夜中に聴く鬼の子のすすり泣き、秋の哀れそのものだ。
桑本 栄太郎 古閑さん、つちたにさん、北野さん、岩永さん、
MutumiShinogiさん、小口さん・・・大変有難う御座います!!。
蓑虫は鬼の子とも、鬼の捨て子とも色々な名前で呼ばれ「チチヨ、チチヨ」と
鳴くとも言われています。そこから高浜虚子の名句「蓑虫の父よと鳴きて母もなし」
と言うものがあります。世の中には、いたずらっ子、憎まれっ子と言われる子
(大人?)も沢山居ますが、日毎に寒くなり真っ暗な秋の夜の闇の中では、
孤独に堪えかね「すすり泣いているのだろうな」と思って居ます。





(9/17)


音たてて一人頷く走り蕎麦   たけし

走り蕎麦を音を立ててすする。美味しさが伝わります。
小林 たけし 北野 和良 さん ありがとうございます。
過分な鑑賞のお言葉、光栄です



(並選)


道端に腰置き耳を虫に貸す   霜魚

すだく虫の音に思わず足を止め聞き惚れる。
佐藤文彦 北野 和良さん、お選びいただきありがとうございます(^∇^)
つい聴き惚れました。



一羽翔びつられ皆飛ぶ稲すずめ  栄太郎

リーダーが飛ぶと皆が一斉にそれに従う稲雀。
桑本 栄太郎 大工原さん、北野さん、岩永さん・・・大変有難う御座います!!。
秋の深まりと共に群雀の光景を良く見掛けるようになりました。
すずめのリーダーなど、どうやって決めるのでしょうね?



湾岸の不発弾処理老人の日   夢積

終戦から70年、いまだに不発弾が見つかることがある。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます、私の町にも花火の如く。





(9/16)


ゑのころや嘗て知人の家の跡  栄太郎

知人の家の跡のゑのころ草に有為無常を感じる作者。
桑本 栄太郎 牧内さん、北野さん・・・特選にお選び頂きまして
大変有難う御座います!!。又鎌田さん並選にお選び頂き、大変有難う御座います。
良く訪れる教会の近くに嘗て教会員であった方の家の跡があります。
今は売地看板が立っていて、ゑの頃草が秋風に寂しく揺れるばかりです。
訪れる度にその家の前を通りますが、とても侘しさが募ります。



(並選)


天高し絶叫高し遊園地   慢鱚

遊園地の絶叫マシンに響く声。
大工原 一彦 北野 和良 さん。ありがとうございます。とても嬉しいです。



秋雨のブルーシートの里くるむ   真波

風害で飛ばされた屋根のブルーシートに追い打ちをかけるような秋雨、
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます。容赦ない雨です。



宵闇や我に深々と闇のあり  夢積

宵闇をじっと眺めそこに自分の心を投影する作者。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。





(9/15)


詩仙堂秋数えるか鹿威し  浩正

京都の詩仙堂、カーンカーンとなる鹿威しが秋を数えているという想像が楽しい。
藤倉浩正 北野 和良 さん 特選光栄です。励みになります。



(並選)


宵闇に物の怪の動き始めて   夢積

破調の句であるが、宵闇にはいろいろと想像させる力がある。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



道長に宿る慢心望の月   玉有良

この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば
(藤原道長)を下敷きにした句。
道長は飽食のため糖尿病だったのではないかという俗説もある。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます
素晴らしい満月に吸い込まれました。
自分でさえ一瞬勘違いしそうになるんですから、権力を持った道長なら尚更ですね。



格子戸の桟に影ある良夜かな  栄太郎

明るい月光が格子戸の桟に影を作る細部に着目した写生句。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
当地京都にあります格子戸は良いものですね?
昼間でも夜の月光のときでもとても風情を出して呉れます。





(9/14)


満月や星たちを消し増す孤独   慢鱚

満月は輝きを増すに従い周囲の星は光を失い、月は孤独となる運命だ。
大工原 一彦 北野 和良 さん。ありがとうございます。
特選にお取り下さりとても嬉しいです。
満月の輝度で月だけは引き立ちますが星たちは姿を消してしまいます。



(並選)


山間に幾多の月や千枚田   夢積

千枚田の一つ一つに輝く月が映っている。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



仲秋や香港でデモ収まらず  俊文

自由を求める香港の市民デモは収まる気配もない。
河野 俊文 北野 和良 さん、ありがとうございます。
香港は、一昨年、10日ほど滞在しましたが、独特の文化がある素敵な街ですね。
香港市民の複雑な想いを感じます。



名月の雲を掻き分け中天に  栄太郎

名月が雲をかき分けぐんぐんと昇っていく。今宵中秋だ。
桑本 栄太郎 北野 和良 さん・・・大変有難う御座います!!。
やはり名月は雲があってこそですね?雲の間を駆け抜けるような美しさでした。





(9/13)


月光を乗せて貴船の静寂かな   玉有良

夜の貴船の風景、月光を乗せての措辞が素晴らしい。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます



(並選)


せめぎ合う雲色々の無月かな   夢積

待ち望んだ中秋の名月も無慈悲な雲に隠されて。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



粗衣粗食夜気欲しいまま今日の月  たけし

貧しく粗衣粗食ではあるが、静かな夜気と名月だけは欲しいままだ。

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小林 たけし 北野 和良 さん ありがとうございます。
鑑賞に加えてのカットのピレゼント頂きます。
粗衣粗食は貧しいというより清貧を気取ったつもりです(笑)
  自解はいけませんね(笑)



我が髭の斯くも伸びたる乃木忌かな  栄太郎

9月13日、今日だけは髭を伸ばして乃木大将を偲ぼう。
桑本 栄太郎 つちたにさん、北野さん、河野さん、MutumiShinogiさん
・・・大変有難う御座います!!。昨日9月13日は折しも乃木大将の忌日でしたね?
小生も髭を伸ばしていまして、時々「乃木大将みたい」と言われる事が有ります。
昨日鏡を見て、伸びて来たなあ〜!と思いました。





(9/12)


けぶり立つ峰のあはひや秋気澄む  栄太郎

墨絵のような大きな景が目に浮かぶ。
桑本 栄太郎 北野さん、川崎さん・・・大変有難う御座います!!。
近在の山並みの谷がくっきり見えて、煙が立っていました。
秋気が澄む景色はこの事だなと改めて思いました。



(並選)


月光のくまなく照らす棚田かな  無智

月光に煌々と照らし出された棚田の景色。
福井 栄一郎 北野さん、並選に選んでいただき有難うございます。
嬉しいです。



ラジオより流れる音や秋つづる   夢積

ラジオのアナウンサーが秋の景色の素晴らしさを喋っている。ああ、秋だなあ。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



朝霧や淡海にかかる長き橋  美音

大和絵を見るような大きな景。
向瀬美音 ありがとうございます!





(9/11)


台風や号で呼ばれし極悪人   慢鱚

刑務所などでは個人名ではなく番号で呼ばれるらしい。
日本での台風は極悪人 のように番号で識別される。
大工原 一彦 北野 和良 さん。特選にお取り下さりありがとうございます。
アメリカでは女性の名前がついてるそうですが
日本では極悪人のような呼び方ですよね。



(並選)


出港の汽笛一つも秋うらら   夢積

出港の船の汽笛にも秋がかんじられるようになった。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



小のよく大を投げけり九月場所  俊彦

小兵力士の活躍が目を引く九月場所。
鎌田 俊彦 北野 和良さん、有難うございます。



背伸びして海を見てゐる曼珠沙華  祐

上五の措辞が意表をついて面白い。
牧内 登志雄 北野さん、並選ありがとうございます。
励みになります。





(9/10)


峠茶屋伊勢型紙の秋を彫る   夢積

古来伊勢の地に伝わる伊勢型紙はその技法が人間国宝として大切にされている。
秋を彫るの措辞でどんな模様なのかと興味がつのる。
Mutumi Shinogi 北野さん特選ありがとうございます嬉しいです。



(並選)


舳先からとんぼが先に海へ出る  果連

港を出ていく船の躍動感が伝わってくる。
川崎 果連 北野さん、ありがとうございます。^_^ 果連



自衛隊のテントの風呂や秋出水   寛昭

台風で停電、水道の停止。被災の人に嬉しい風呂のサービス。
古閑 寛昭 北野さん、ありがとうございます。



腹掛けの金太郎なり泣きすまふ  栄太郎

9月の京都では、松尾大社、上賀茂神社、大原野神社の
泣き相撲神事が有名で観光客にも人気がある。
作者は大原野神社の泣き相撲神事を句に詠んだ。





(9/09)


眉月や女王卑弥呼の目鼻立   直

三日月を見て女王卑弥呼もこのような眉だったろうかと想像する作者。
ロマンがありますね。
大津留 直 北野 和良 さん、ありがとうございます。
大変嬉しく存じます。卑弥呼、どんな人だったのか、
想像するだけでぞくぞくしますね。



(並選)


家路まで終止符の無き虫時雨   眠兎

駅を出て自宅に着くまでの草むらはずっと虫時雨。
河辺 伸一 こんばんは。ありがとうございます。
虫の声が秋の声なんでしょうね。



新涼や猫が朝刊待っていて   夢積

朝刊の配達を待つ猫・・・面白い。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



せせらぎの鴉水浴ぶ秋暑かな  栄太郎

9月に入っても残暑厳しく、カラスは川で水浴びを。
桑本 栄太郎 北野さん、小口さん・・・大変有難う御座います!!。
一昨日所要にて京都市内に出掛け、高瀬川の浅いせせらぎで
水浴び中の鴉に出会いました。京都は残暑が厳しく36℃まで上がっていました。





(9/08)


新涼やくだものみんな良く笑ふ   寛昭

秋の果物がつぎつぎと登場し始めた。
美味しさを良く笑ふと詠んだところが素晴らしい。
古閑 寛昭 北野さん、特選に選んで頂きありがとうございます。



(並選)


案山子かと思へば農夫田の中に  栄太郎

案山子かと思ってみたら本物の農夫さんだった。逆転の笑い。
桑本 栄太郎 古閑さん、北野さん、中野さん、小口さん・・・
大変有難う御座います!!。電車の車窓より田んぼに案山子を
よく見掛けるようになりました。最近の案山子は田圃のオブジェとして
飾られる事が多いい様です。先日は又ここにも案山子か?
と思って見て居ましたら、人間の農夫さんで驚きました。



マネキンのはや脱がされる秋の服   霜魚

秋が始まったばかりというのにファッション界はすでに次へ向かっている。
佐藤文彦 北野 和良さんお選びいただきありがとうございます(^∇^)
まだこんなに暑いのに先取りし過ぎの感もありますが(≧∇≦)



猫の背に寂しさ陰り流れ星  夢積

猫の背に自分を重ねて嘆く作者。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。





(9/07)


ガムランに踊子の目の良く動き   浩正

インドネシアの民族楽器ガムランに合わせて踊る踊り子の
よく動く目に焦点を当てた旅の句。
藤倉浩正 北野 和良 さん 特選光栄です。励みになります。



(並選)


不器用に老いし生きざますがれ虫   夢積

盛りを過ぎても鳴く虫に己を重ねる作者。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



旅はつる宿の湯浴みや酔芙蓉  無智

旅の宿の露天湯で見た酔芙蓉、実に風情がある。
福井 栄一郎 北野さん、並選に選んでいただき有難うございます。嬉しいです。



柿の実のぬつと日差しに秋きざす  栄太郎

柿の実が色づき始め秋を実感する作者。中七が良い。
桑本 栄太郎 北野さん、藤倉さん・・・大変有難う御座います!!。
葉蔭に隠れていた柿の実もぐいと顔を日ざしに向けています。
いよいよ秋も深まりそうですね!!。





(9/06)


新涼や庭より響く花鋏   夢積

庭の秋草を切る花鋏の音、さあ秋を部屋にも飾ろうか。
Mutumi Shinogi 北野さん特選ありがとうございます嬉しいです。



(並選)


小さき棘刺さりしままの秋思かな   静代

三句とも好きですが、この句が如何にも秋思に相応しい。
岩永静代 和さん、ありがとうございます。
三句とも好きだと言っていただけて、こんなに嬉しいことはありません。



月山を仰ぎつ酌むや新走  祐

新走、如何にも美味しそうですね。
牧内 登志雄 鎌田さん、北野さん、並選ありがとうございます。



ふるさとの大字小字蝗飛ぶ  栄太郎

田舎にはいまでも地名に大字小字が残っている。
桑本 栄太郎 鎌田さん、大工原さん、北野さん、牧内さん、
岩永さん、川崎さん・・・大変有難う御座います!!。
今では町村合併により変わりましたが、小生の田舎の子供の頃は、
鳥取県西伯郡大字庄内村字富長でした。田んぼ道を歩けば
蝗が一杯飛んでいました。懐かしい故郷の秋を想い作句しました。





(9/05)


浜言葉里言葉聞く敬老会   夢積

浜言葉里言葉に地域の雰囲気がよく現れている。
Mutumi Shinogi 北野さん特選ありがとうございます、嬉しいです。



(並選)


谷間(たにあい)の里の目覚めり威し銃  栄太郎

静かな農村の実りの秋。
桑本 栄太郎 鎌田さん、北野さん、野島さん・・・大変有難う御座います!!。
当地洛西は観光柿園が多く、猪、猿が出没する為威し銃が朝早くから鳴って居ます。
最近は時間が来れば自動的に大きな音が出る、威し銃です。
朝5時半ごろより鳴り響き、近所の人は迷惑だろうな?といつも思って居ます。



天高く神木すっくと伸びにけり  玉有良

天まで届くような神木、畏敬を持って見上げる作者。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます



残業を手伝ひに来た赤蜻蛉   慢鱚

ふーっと近寄ってきた赤トンボに親しみを覚える作者。
大工原 一彦 北野 和良 さん。ありがとうございます。とても嬉しいです。





(9/04)


秋めくや風のそよぎと鳥語にも   俊彦

風のそよぎと鳥語に秋を感じる風雅な作者。
鎌田 俊彦 北野 和良さん、ありがとうございます。特選、とても光栄です。



(並選)


鳥威し惚けているかに恍けいて   夢積

恍けて周囲の人をからかう老いの達人。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます、いろいろ五月蝿くて。



きぬかつぎ今夜の酒宴の真ん中に   公彦

きぬかつぎの煮物を卓の真ん中にでんと置き、乾杯!
大津留 公彦 北野 和良 さん 乾杯!!



水澄むやひっつめ髪の女子の列  栄太郎

いよいよ水澄む季節の到来。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
電車の中より、ひっつめ髪の少女の一団が降りて行きました。
皆大きなビニールかばんを肩に下げ、近くにプールがあるため
シンクロナイズドスイミングの一段だ!と直ぐ分かりました。





(9/03)


古伊万里の小鉢ころんと衣被   秋子

衣被の煮物、とても美味しそうです。
Akiko Eguchi 和良さん、ありがとうございます。
とっても嬉しいです。素朴だからこその味わいがありますね。



(並選)


鮎のガリ漁等間隔に太公望   夢積

鮎のガリ漁を勉強しました。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



赤蜻蛉尻で水温確かめて   慢鱚

赤蜻蛉はどうして水面を尻で叩くのか、その謎が解けた。
大工原 一彦 北野 和良 さん。ありがとうございます。
冷たいのが嫌いらしくチェックしてるようですよ。



朝がほの萎み色濃き夕べかな  栄太郎

夕方には萎れる朝顔、細やかな観察の句。
桑本 栄太郎 岩永さん、北野さん・・・大変有難う御座います!!。
朝顔の花も夕方見れば花びらが萎んで色濃くなって居ます。
時の移ろいの早さを覚えるひと時ですね!!。





(9/02)


新涼やジーンズレディー闊歩する   夢積

颯爽と通勤するオフィスレディ、応援したいです。
Mutumi Shinogi 北野さん特選ありがとうございます嬉しいです。



(並選)


木槿咲くしべの芯まで白きかな  栄太郎

木槿の花の細やかな観察。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
先日、外出先の生垣に真っ白な木槿の花を見つけ、思わず覗き込んでしまいました。
花びらだけでではなく、しべの芯まで真っ白でした。



惑星が転がつてゐる衣被   果連

衣被から惑星への飛躍が秀逸。
川崎 果連 北野さん、ありがとうございます。^_^ 果連



バラードの流るる車虫すだく  真波

車内に流れるバラードに共演する如き虫の声。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます。





(9/01)


触れたきをまなざしに留め水蜜桃  靜代

美味しそうに熟れた水蜜桃、つい触れたくなるのをじっと我慢して。
岩永静代 和さん、特選をありがとうございます。
いい匂いがするし、ついつい触ってみたくなるんですよね? 我慢我慢!!(笑)



(並選)


想い出も捨てると決めて蚊帳三張   夢積

思い出も断捨離すると決めて。季語との距離が微妙。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



夢二忌や名前を入れて柘植の櫛   千秋

名前を入れて大切にしてきた柘植の櫛
中野千秋 北野 和良 さん、ありがとうございます



秋の声聞き分けてゐる湯浴みかな  美音

並選に頂きます。風情がありますね。
向瀬美音 ありがとうございます!