俳句鑑賞文(復刻版)    2019 April       0 トップへ   






(4/30)


4月尽海の迷路を語る海女   夢積

海女が言うには海の中にも迷路があるという。海藻の林だろうか?
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



(並選)


青時雨磁気が読み取る私生活  沙羅

キャッシュレスが広がり、クレジットカードには
その人の生活パターンが記録されている。
長井美佐子 北野 和良 さま。ありがとうございます! 
とても嬉しいです! 突然気づいて、ちょっと愕然としました。



平成の御代偲びをり菜種梅雨  栄太郎

菜種梅雨を眺めながらしみじみと平成の世を振り返る作者。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
象徴天皇としての心暖かいご業績に敬愛していました小生は、
少し感傷的になりました。



懸り藤ふはりと一句賜ひたる   征一

北野 和良 並選に頂きます。あやかりたいものです。
今村征一 北野さんご選句有難う御座います。





(4/29)


埋められぬ井戸の深さや花の冷  美音

中七の井戸の深さ、が何を暗喩しているのだろう?
 作者の悩みは深いようだ。
向瀬美音 ありがとうございます、「不快」です



(並選)


糸取やモデル事務所のオーディション   果連

モデルを目指す若い男女、逸材を見つけようと真剣な事務所スタッフ。
糸取りの季語の斡旋が絶妙だ。
川崎 果連 北野さん、ありがとうございます。^_^ 果連



平成のミーム令和へ四月果つ  栄太郎

平成の良き文化が令和へと引き継がれるようにと祈る作者。



意味も名も三度代わりし昭和の日   慢鱚

4月29日は、昭和天皇誕生日⇒緑の日⇒昭和の日と三度名前が変わった。
大工原 一彦 北野 和良 さん。選句頂きありがとうございます。
とても嬉しいです





(4/28)


長谷寺の五重塔や山若葉   無智

奈良の長谷寺を詠んだと思われる。今は躑躅が満開、山の若葉もみずみずしい。
福井 栄一郎 北野さん、特選に選んでいただき有難うございます。
とても嬉しいです。昨日訪ねましたが、やはり真言宗豊山派の山寺ですね。
末寺は関東が多いのですが。



(並選)


平成を泳ぎきりしや鯉のぼり  山悠

平成の最後、元気に泳ぐ鯉のぼりに作者自身を重ねているのだろう。
塚本南海雄 北野 和良 さん並選ありがとうございます。
団地の一階上のベランダに四月初めから泳いでいる鯉のぼりがいますが
あと少しで新時代を迎えますので泳ぎきってほしいと思っています。



御開帳秘仏に優し陽の射しぬ   弘幸

いつもは寺の奥深くに秘蔵されている秘仏の御開帳。
日差しも優しく佛を照らす。
津田 弘幸 北野 和良 さま、ありがとうございます。
今日は良いお天気でしたので、こんな句ができました。



花虻と鉢合はせたり棚の下  栄太郎

藤棚の下で花を見上げていると花虻も蜜を求めてやってきた。
さあ、腹いっぱい蜜を吸いたまえ。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
近在にあります藤棚を見学に行きました。棚の下に入った途端、
虻の大きな羽音に出会いたじろきました。





(4/27)


春の海舟を見守る潮佛   夢積

春の伊勢の海辺の潮佛が漁に出る船の無事を見守っている。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



(並選)


なみなみと切子細工に冷し酒  正則

切子細工の猪口には吟醸酒。
野島 正則 北野さん、選をいただきありがとうこざいます。
お酒が一段と美味しくいただけます(^ ^)



一房に続くウェーブ藤の花   夢見昼顔

藤の一房が風に揺れウェーブのように次々と揺れが伝わるのどかな景。
岩永静代 北野 和良 さん、ありがとうございます。
ご近所さんの藤がとても美しく、この時期はいつも、鑑賞させていただいています。



風除けに吾に取りつく蝶の昼  栄太郎

蝶がまとわりつくように舞っている。風よけになってあげようという優しい作者。
桑本 栄太郎 北野さん、川崎さん・・・大変有難う御座います!!。
一昨日の風の強い時間に散策して居ましたら、蝶が小生の前にくっつき離れません。
よく考えて見えれば、後ろからの強い風に、小生を風除けとしていたようです。
初めての経験でした。





(4/26)


しづくさへうす紫や雨の藤  栄太郎

雨に打たれた藤の花から滴り落ちる雫は、藤の花の色をもらったように淡紫だ。
桑本 栄太郎 古閑さん、北野さん、つちたにさん、川崎さん、岩永さん・・・
それぞれの方に選と嬉しいコメントを添えて頂きまして、大変有難う御座います!!。
時折しのつく雨の中を、傘を差して散策に出かけました。近所の公園の藤棚の藤は
明るいうす紫なのですが、雨の滴にとても綺麗で暫く眺めていました。



(並選)


かたくなな心をほどく白木蓮   わえ

白木蓮が花びらを大きく広げている。
あなたも心のわだかまりを捨てて仲直りしましょうよ。
片山和恵 北野さん、ありがとうございます。



春風や啼いて海鳥声みがく   夢積

海鳥がしきりに鳴いている。まるで声を磨いているようだ。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



花に寄る津軽訛りと異国語と   霜魚

弘前城の桜を愛でようと地元の人が集まり、外国人も来ている。
ここも国際的な名所となったのだ。
佐藤文彦 北野 和良さんお選びいただきありがとうございます。
先に進めない程混んでました。弘前も国際都市かと錯覚します。(≧∇≦)





(4/25)


春愁やスマホに残るパリの寺院  美音

不審火で焼け落ちたノートルダム大聖堂。
私のスマホには在りし日の荘厳な建物が残っている。
パリに縁の深い美音さんならではの句。



(並選)


鈍色の空彩りしハナミズキ   幸

初夏の陽気に咲き始めた花水木が空をパッと明るくする。

0

Sachiko Yokoi Hayashi 北野 和良 様
お目を止めて戴きありがとうございます
昔ポトマックに贈った桜の台木が伊丹由来だったとの事で
伊丹の街路樹は花水木です!
可愛らしいハナミズキのお写真をありがとうございました



水門を開ければどつと五月くる   真波

田に水を張り始めた。勢いよく流れ込む水に合わせて
五月がやって来るという措辞が素敵。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます。
たまたま用水路の水門を開け、ダブダブと水が流れ込み、
田んぼにみるみる広がっていくのを見かけました。
とても気持ちいいです。早いところはもう田植えも終わっていますが、
本格的にはこれから、五月ですね!



桜しべ降る襤褸となりぬ午後の雨  栄太郎

北野 和良 (遅くなりましたが)並選に頂きます。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
昨日の散策ウオーキングは時々雨が降る中を傘を差して歩きました。
足もとには桜しべが沢山落ちていました。





(4/24)


山神の怒りに触れて杉花粉   夢積

突然花粉症が発症し、涙を流しながら、
山神の怒りに触れたためかと嘆くユーモア。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



(並選)


手折る手を花びらに添へ虞美人草   真波

虞美人草(ひなげし)を手折る。
可憐な花びらに傷をつけないよう手を添える優しい作者。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます。
薄い和紙のような花びらが、とても繊細で、すぐ落ちてしまいそうです。



畦にても腰の細さよ虞美人草  栄太郎

虞美人草(ひなげし)の茎は細く長い、まさに柳腰か。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
畦に刈り遺された虞美人草(ポピー)です。
花の割に茎が細く、まさに柳腰ですね!!。



眼鏡拭き代はりのアロハシャツの裾  正則

男の習性を見事に捉えている。(そろそろ夏の季語が始まるのですね?)
野島 正則 北野 和良 さん、選をいただき嬉しいです。
初夏の気候のような毎日ですね。少し先取りの季語で(*^_^*)





(4/23)


嘘一つ入れて賽銭春の音   夢積

嘘一つ入れて、が愉快ですね。バチが当たらねば良いのですが・・・・・
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます、
初めて花粉症になりました。



(並選)


坪庭の京の町家や花水木  栄太郎

花水木が咲き始めた京の町家、風情がありますね。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
桜の花が終われば、花水木の出番ですね?
京の町家の小さな庭には意外に合っているようです。
北野 和良 昔、花水木の種を拾って帰り、実生を育てた
ことがあります。白い花でした。紅花は接ぎ木が多いそうです。



ひそと散る余花の吐息は風になり  美遥

中七花の吐息の措辞が素敵です。
そして風になる、結語にポエムを感じます。
Biyou Utashiro 北野 和良 さん、ありがとうございます感謝です



麗かや関東平野水に浮き   美音

水田の水張りが始まりまさに句のような世界が。
水に浮き、が素晴らしい。





(4/22)


松尾より渡御山吹のかをり乗せ   玉有良

桂川を渡御する松尾祭。いままさに山吹の時期、
香りを乗せてが祭の華やかさを伝えている。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます。嬉しいです



(並選)


万華鏡宇宙のなかに菫咲く   夢見昼顔

万華鏡を覗けば、宇宙とそこに咲く菫の花が見えた。夢がありますね。
岩永静代 北野 和良 さん、ありがとうございます。
昨日京都に行って、たまたま見つけた万華鏡ミュージーアムにいきました。
ホントにさまざまな模様が現れて、ひとつに菫の花を見ました。
筒の中の小さな宇宙に、可憐な菫を見て、感激しました。



迷いつつ日本を離れ鳥雲に   夢積

帰る鳥にも迷いがあるのですね。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



寂しさに堪へかね天へ揚雲雀  栄太郎

昨日の句のバリエーション。雲雀は寂しさを隠している。
桑本 栄太郎 高井さん、北野さん、石井さん・・・
連日田園を散策しています。その間中揚ひばりの囀りが聞こえて居ますが、
雲雀は何故こんなに鳴きさけぶのかをずっと考えて居ます。
屹度淋しさを隠す為に天に昇るのだと気づきました。





(4/21)


約す夜の爪に描きし桜花   霜魚

約す、どう読むか。デートかはたまた婚約か。
期待と心を込めてネイルアートを凝らす娘。
佐藤文彦 北野 和良さん、お選びいただきありがとうございます。
夜を約す、か、約す夜か、迷いました。
爪に絵を描く時代が来ると思ったこともありませんでした(^∇^)



(並選)

藤揺れて花魁描く八の文字   夢見昼顔

吉原の花魁道中、一足毎に藤の簪が揺れる。
岩永静代 北野 和良 さん、ありがとうございます。
藤って、なんとなく妖艶なイメージが合いますよね



熨斗付けて別れてあげる八重櫻  祐

上五が面白い。演歌のようで・・・・。
牧内 登志雄 北野さん、並選ありがとうございます。
俳句大学が始まった頃に永田学長から「演歌のような俳句はいかがなものか」
とのご指摘を何回か受けましたが、また懲りずに…



饒舌と云ふは淋しき揚雲雀  栄太郎

揚雲雀の賑やかな鳴き声、真実は淋しいのかも。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
殆どのように毎日田園を散策していて、揚雲雀の声を聞いて居ます。
よく考えてみれば人間でも、淋しい人ほど友達の輪の中ではよくしゃべりますね!!。





(4/20)


鳥避けの和紙ふうわりと露地の枇杷   真波

枇杷の実の鳥よけに和紙の袋を被せる農家の人の優しい心遣い。
石井 真奈美 北野さん、特選にお選びいただきありがとうございます?
うっかりすると、あっという間にやられます^ ^



(並選)


若芝の足裏(あうら)優しく踏みゐたる  栄太郎

若芝を傷つけないようにと優しく踏む。自然を大切にする人ですね。
桑本 栄太郎 北野さん、今村さん・・・大変有難う御座います!!。
公園の若芝が伸び、歩いて見ましたがふかふかの弾力があって驚きました。



野遊やそつちは恋の地雷原   果連

下五にドッキリですが、そんな地雷なら踏んでも本望。
川崎 果連 北野さん、ありがとうございます。私も踏んでみたい(笑)。^_^ 果連



母も子も葉を残さずに桜餅   草民

葉を残す人、食べる人。母娘は似るんですね。
山野辺 茂 北野 和良 さん、ありがとうございます
しっかり塩漬けした葉っぱは一緒に食べると美味しいですね。





(4/19)


安酒に切れ味添へて桜烏賊   俊彦

切れ味の良い包丁で造った桜烏賊そうめん、安酒でも吟醸に思えてくる不思議。
鎌田 俊彦 北野 和良さん、有難うございます。



(並選)


春風の触れてムスカリ神楽鈴  夢見昼顔

ムスカリの花、まるで神楽の鈴が群れているように風に揺れている。
岩永静代 北野 和良 さん、ありがとうございます。
教えていただいて、推敲できてよかったです



桜餅北のさくらはまだ咲かず   公彦

散る桜を眺めながら桜餅を楽しむ、だけれど北国の桜はまだ咲いていないんだなぁ〜
大津留 公彦 北野 和良 さん 選歌ありがとうございます。



病室の窓全開に春告鳥   夢積

ようやく窓を全開できる暖かさとなった。窓の外には春告鳥 が。早く退院したいなあ。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。





(4/18)


色町や木五倍子の花の国訛り   果連

色町やと始まるので京都など芸妓さんのいる場所を想起したが、
中七の五倍子の花が何を暗喩しているのか買得が難しい句だ。
下五国訛りは地方から出てきてまだその場所に馴染めないでいる娘のようだ。
ならば五倍子の花は娘さんの付けた簪の飾りだろうか?
川崎 果連 北野さん、ありがとうございます。光栄です。^_^ 果連



(並選)


池に糸垂れて飯食む花吹雪  無智

魚信がなかなか来ない。花吹雪を楽しみながら昼飯を食い、
気長に待つとするかこれぞ太公望の気分。
福井 栄一郎 北野さん、選んでいただき有難うございます。
同感です。嬉しいです。



蕗味噌をコトコト煮詰め酒二合   霜魚

蕗味噌を自分で作る。旨いったらありゃしない。これで酒二合はいける。
佐藤文彦 北野 和良さん、ありがとうございます。
蕗味噌を作るのに二合、出来上がったら更に二合!



観音に似たる奇岩や薊咲く  直

渓流の奇岩、何かに似ていると名付けするのが好きだが、
この岩は観音さまに見える。薊咲くとの取り合わせが絶妙です。
大津留 直 北野 和良 さん、ありがとうございます。嬉しく存じます。





(4/17)


一番線桜前線通過します  夢酔

こんな駅のアナウンスがあれば愉快です。



(並選)


朝掘りと連呼筍売り尽す   征一

朝掘り〜と聞けばつい買いたくなりますね。
今村征一 野島さん静代さん北野さんご選句有難う御座います。



未練など背負ひ投げして春夕燒  祐

中七に参りました。
牧内 登志雄 北野さん、静代さん、ありがとうございます。
これから「背負い投げ」に磨きをかけますね。



飛花落花祇園白川勇歌碑  栄太郎

全漢字の句、面白いです。
かにかくに 祇園はこひし 寝るときも 枕のしたを 水のながるる
吉井勇
桑本 栄太郎 北野さん、永田先生、今村さん・・・大変有難う御座います!!。
普段あまり訪れない祇園白川に行ってみました。外人観光客が多く、
吉井勇の目立たないほどの歌碑には飛花落花の光景でした。
どのような佇まいでも祇園白川界隈は、情緒があります。





(4/16)


立ち上がるパリの炎や受難節  美音

ノートルダム教会の火事、美音さんにしては珍しい時事句ですね。
向瀬美音 ありがとうございます!



(並選)


白髪を晒す迷ひや花の冷   夢見昼顔

うちの神さんも同じ悩みをかこっています。
岩永静代 北野 和良 さん、ありがとうございます。
テレビでは近藤サトさんが、、、
でもなあ、医院の受付のおばちゃんとしては、悩みますぅ



友だちが出来るよ子馬のアップリケ  沙羅

新学期の子供さんへアップリケですね。
長井美佐子 北野 和良 さま、ありがとうございます! 
お稽古バッグにアップリケして、送り出します(*^^*)



春菊嫌いパクチーは好きと言ふ淑女   霜魚

蓼喰う虫も人それぞれ。
佐藤文彦 北野 和良さん。お選び頂きありがとうございます(*^_^*)
どちらも同じような香草なんですけどね





(4/15)


無言の凝視白魚の逆襲か   霜魚

魚市場の水揚げされたばかりのトロ箱一杯の白魚、無数の目が睨んでいる。
破調の句であるが、迫力がある。
佐藤文彦 北野さん<お選び頂きありがとうございます。
嬉しいです。(*^_^*)



(並選)


雨含み衣重たき八重桜   典子

雨に濡れた八重桜の花びらが衣の措辞で浮かび上がる。
菅 典子 北野 和良 さん。 ご選句ありがとうございます



晩節も迷路にありて春愁す   夢積

晩年期に入ってもまだ迷いが残る、それが人間だ。



流れてもいつしか添ひぬ花筏  栄太郎

花筏に夫婦の人生を重ね詠む作者。
桑本 栄太郎 北野さん、河野さん、山野辺さん・・・
大変有難う御座います!!。花屑の川を流れる花筏は良く見れば、
いつしか知らぬ間に寄り添うように流れて行きます。
夫婦も斯くありたいと願うものです。





(4/14)


同行へ招き給ふや空海忌  直

遍路で云う同行二人とは、弘法大師と二人で歩くという意味。
お大師さまから招かれてとは何たる幸運。
大津留 直 北野 和良 さん、ありがとうございます。
お大師さまに招かれ、北野さんに選ばれ、最高に幸せです。



(並選)


花冷えの続く垣根の緋色かな   夢見昼顔

こんな垣根のことでしょうか?
ベニカナメ、またはレッドロビンというそうです。
岩永静代 北野さん、ありがとうございます。
はい。こんな垣根です

0



山桜独り占めして足湯かな   霜魚

贅沢な、極楽ですね。
佐藤文彦 北野 和良さん選んでいただきありがとうございます。
歳を重ねて、この贅がわかるようになりました(^∇^)



蘂赤き残花となりぬ午後の雨  栄太郎

花びらが散り、あとに残った赤い蕊に焦点を当てお見事です。





(4/13)


石垣に一片春の忘れもの   幸

石垣にポツリと一枚の桜の花びら、春の忘れものが素晴らしい。
Sachiko Yokoi Hayashi 北野 和良 様
特選にお選び下さいましてありがとうございます。
めちゃくちゃ嬉しいです!



(並選)


葱坊主靴下濡らし登校す   夢積

子どもたちは遊びに夢中で靴下が濡れるのも構わない。
いたずらっ子が目に浮かびます。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



異界とも桜かくしの山湯かな  たけし

山の湯になごり雪。まるで異界のよう、ゆっくりと温まろう。
小林 たけし 北野 和良 さん ありがとうございます 
野天風呂で桜と雪、月までのぞめるなんて・・・濁世の景とは思えません(笑)



歩みゆく峰のあはひや花の雲  栄太郎

遠目に見る満開の桜、今年もいよいよ見納めですね。
桑本 栄太郎 今村さん、北野さん・・・大変有難う御座います!!。
京都郊外の洛西の田園を散策すれば、眼の前の京西山が花の雲です。
何とも言えないほどの風情です。





(4/12)


華やげる花壇や春の季語を摘む  美音

下五にノックアウトされました。
向瀬美音 ありがとうございます



(並選)


夜桜やライトアップの石舞台  無智
ライトアップされた石舞台の傍らに夜桜が儚げに咲いている。
奈良ではの景。
福井 栄一郎 北野さん、選んでいただき有難うございます。
奈良もイベントが増えています。



水尾薄き浅蜊船追う小鳥かな   夢積

春の海辺の景。のどかですね。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



咲き満ちて水面に揺らぐ桜かな   征一

桜の花びらも満足して流れていくのでしょう。
今村征一 ご選句有難う御座います。





(4/11)


手のひらに転がすピアス花疲れ  美音

好きな人とお花見に行き、満開の桜を堪能して帰ってきた。
洋服を脱ぎ、ピアスを外し手のひらに転がしながら楽しかったシーンを回想する。
(男ならどんな動作になるのだろう?)
向瀬美音 ありがとうございます!



(並選)


花の雨アールグレイの緩む茶葉   夢見昼顔

紅茶の葉が湯に広がっていく様子をじっと見つめ、そろそろ飲みどきかな?
岩永静代 北野 和良 さん、ありがとうございます。
春の雨の1日も、たまにはいいものですね



昼餉には彦根どんぶり花の宴  栄太郎

彦根城見学の後、レストランで彦根丼の昼餉。
珍しい具材や、素晴らしかった景色の話が盛り上がる。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
現職の頃の同期4人で桜満開の彦根城へ行きました。彦根城の石垣、
堀に映える桜を堪能しました。帰りに、赤こんにゃく入りの
名物彦根どんぶりを食べ、一杯呑みながら話が盛り上がりました。



子等もまた遊び戦士の日永かな   寛昭

中七の遊び戦士が面白いですね。
古閑 寛昭 北野さん、ありがとうございます。





(4/10)


花と生れ花と散りゆく花あはれ  栄太郎

秀吉辞世の句
露と落ち露と消えにし我が身かな 浪速のことは夢のまた夢
を思い出しました。花の命は短くて、哀れです。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
小生だけでなく日本人は本当に桜の花が好きですね?
時ならぬ花冷えに開花が足踏みしたり、寒冷前線の南下で雪に覆われたりと
しながら、毎日ニュースになります。短い花期もその潔さを好みます。
・・・「花満開よくぞ日本に生れけり」の心情です。



(並選)


独活を煮る灰汁など取らぬ漢飯   霜魚

細かいレシピなど無視する男の手料理、豪快さが命です。
佐藤文彦 北野 和良さん。お選びいただきありがとうございます。
いつだって適当な漢料理です。
灰汁を取る前に味噌を入れてしまって出来た句でした。開き直って漢料理だと。



雨降れば紅を濃くして八重櫻  祐

雨にくっきりと映える八重桜。妖艶ですね。
(下五を姥桜とすると川柳に?)
牧内 登志雄 北野さん、並選ありがとうございます。
染井吉野がちって咲き始める八重桜。「妖艶」という色合いがいいですね。
さて、「姥桜」、すでに用意してあるのですが、ちと出しにくくなりました。
北野 和良 そうなんですか? 余計なことを書いて済みません。



涙腺の緩み卒業歌の口パク  正則

感動で声が出ない情景。下五が面白いです。
野島 正則 北野 和良 さん、選、鑑賞ありがとうございます。





(4/09)


母の一指確と握りて入学子   霜魚

一年生の子の手は小さいので、お母さんの手ではなく指をしっかりと握っている。
子供さんの緊張感が伝わってきます。
(上五が字余りですが、「母の指」と定形にしても意味は十分伝わると思いました)
佐藤文彦 北野 和良さんお選びいただきありがとうございます。
上五は悩みましたが寄り近づいて一指としました。
原句は昔の自分を思い出して「羽織裾確と掴んで入学子」だったのですが、
羽織裾が今の時代作り過ぎの様に感じて


(並選)


行き場なき恋の骸や花筏   玉有良

恋の骸という大胆な措辞、お手柄です。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます



花まつり稚児の鼻筋白く描く   寛昭

鼻筋を白く塗った稚児さん、可愛らしいですね。
古閑 寛昭 北野さん、ありがとうございます。



空白を埋めるが如く落花かな   夢積

中七がいいですね。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。





(4/08)


柔肌の鱗のごとく飛花落花  沙羅

柔肌に舞い散った桜の花びらがまるで鱗のように見えた。
大胆で艶のある措辞ですね。
長井美佐子 北野 和良 さま。ありがとうございます!
とても嬉しいです。安珍清姫の例もあると思いますが、
時に鱗は妖艶で美しくて、桜の花びらとイメージが重なりました。



(並選)


丘陵に色の帯なすチューリップ  無智

チューリップの産地の広大な畑の景。色の帯がいいですね。
福井 栄一郎 北野 和良 さん、選んでいただき有難うございます。
嬉しいです。



浜の子の捌き巧みや桜鯛   夢積

浜の子は小さい頃から捌きが上手。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



安曇野やまだ連翹の真ッ盛り   草民

並選に頂きます。北アルプスの麓、安曇野の春は遅いんですね。
山野辺 茂 北野さん、ありがとうございます。山の方は、春浅しでした。





(4/07)


代を掻く農夫の顔となる少年   霜魚

手伝いに狩出されたあどけない少年も、代掻きを始めると真剣に農夫の顔となる。
佐藤文彦 北野 和良さん。お選びいただきありがとうございます。
後継の決意のようなものを感じました。



(並選)


面差しの皆やわらかや花の宴   夢見昼顔

お花見の宴、お酒とご馳走で皆が和やかな顔となる。いい宴ですね。
岩永静代 北野 和良 さん、ありがとうございます。
昼間いったので、家族ずれが多く、皆さんのんびりと、
桜を眺めていました。どの方たちも皆笑顔で。



大橋の遙か鞍馬嶺(くらまね)花曇  栄太郎

大橋に立ち北を眺めると鞍馬嶺は満開の花でけぶって見える。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変りがとうございます!!。
所要で朝京都市内へ出かけましたが物凄い人出です。
四条大橋の上から鞍馬山方面を眺めれば、花曇りでした。



娘と生きて孫娘と生きて春惜しむ   夢積
娘さん、お孫さんと命が継がれていくのは素晴らしいですね。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。





(4/06)


枝々のせりだす水面花の酔   夢見昼顔

千鳥ヶ淵、目黒川など全国にある水辺の桜の名所が目に浮かびました。
岩永静代 北野 和良 さん、ありがとうございます。
先日、夙川にお花見に行きました。川沿いの桜って、枝がせりだしていて、
水面にも映り、素敵ですよね?。東京にいたときには、千鳥ヶ淵、大好きでした。



(並選)


郷倉(ごうそう)のねずみ返しや馬酔木咲く  栄太郎

郷倉から馬酔木の花へと視点が移る、気持ちの良い展開です。
桑本 栄太郎 今村さん、北野さん、岩永さん・・・大変有難う御座います!!。
昨日、阪急駅前にて散髪後、散策を兼ねて京都市景観保全区域旧山陰街道を
徒歩で洛西迄帰りました。途中の樫原には、奈良時代の郷倉が残されていますが、
古い格子戸、犬矢来、白壁焼板の民家、ばったん床几なども見る事が出来て
その鄙びた光景にはとても心が和みます。



川幅に四月を流す千曲川   征一

悠々と流れる千曲川、中七がお見事です。
今村征一 北野さん真奈美さんご選句有難う御座います。



留守番のきちんと出来て入園す   正則

入園する子供さんの成長を見守る確かな目線が捉えられていますね。
野島 正則 北野 和良 さん、選に鑑賞いただき,ありがとうこざいます



ーーーーーーーー

妻もまた余所行きの声入学式   霜魚

付添のお母様に焦点を当てた、余所行きの声がいいですね。





(4/05)


二人には言葉はいらぬ薄氷「うすごおり」  美音

言葉がいらぬ程の信頼の厚い関係なのに、薄氷のような危うい影もある。
この後どんなストーリーが展開するのだろうか。
向瀬美音 びようさん、北野さん、ありがとうございます



(並選)


変身を願ふばかりよ夜の桜  紀宣

夜桜には何故か怪しい雰囲気がありますね。
つちたに jt 純一 北野さん、並選に選んで頂きありがとうございます。
嬉しいです。



鳥帰る寄木細工の箱根山   夢積

箱根山を超えて北へ帰る鳥の群れ。



清明を詠むに心の濁りかな   俊彦

清明を詠いたいのに、心の片隅には濁りがある。悲しい現実。





(4/04)


御衣黄や庭に加へて令和たる   満徳

令和を記念して庭に御衣黄桜を植樹。大事な記念になりますね。
永田 満徳 選んで頂きありがとうございます、
御衣黄という言葉自体がいにしえを感じですね。



(並選)

制服に身体預けて一年生   夢見昼顔

少し大きめの制服を着た一年生、可愛らしいですね。
岩永静代 北野 和良 さん、ありがとうございます。
いまや、公立の学校は私服ですが、私の頃は制服でした(笑)
すぐに合わなくなっちゃうからと、どうしても最初は大きめ(笑)
手先しか見えなかったりして〜



房總の海へ怒濤の菜花畑  祐

海辺に満開の菜の花畑が目に浮かびました。
牧内 登志雄 北野さん、並選ありがとうございます。



つくしんぼ遊びせんとや出でにけり  栄太郎

梁塵秘抄からですが、皆さんと同じく中七に惹かれました。
桑本 栄太郎 大津留さん、岩永さん、牧内さん、北野さん・・・
大変有難う御座います!!。近在には土筆が生えないな?と思って居ましたら、
先日大量に生えている場所がありました。どうやら時季が少し早かったようですが、
その光景を暫く眺めていました。眺めている内その可愛らしい姿に、
平安時代の白拍子が詠い舞いを舞ったという今様が想い出されました。



ーーーーーーーーーー

桜さくらもう一度だけ逢へるなら   千秋

あの人への想いを桜に託して。女性らしい句ですね。



凧の糸手繰れば伝う空の冷え   霜魚

空の冷えが糸を伝わってという措辞が見事です。



三寒四温徐々に慣れゆく新元号   玉有良

三日で慣れますね。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます





(4/03)


ヴィーナスの硬き乳房や風光る   霜魚

十和田湖の乙女の像を思い浮かべました。
佐藤文彦 北野 和良さん。御選句ありがとうございます。
まさにまさにの乙女の像だったのです。
初めは「光太郎の」「乙女の像の」だったのですが、
どうもしっくりせず、近所を徘徊してて見つけたのがビーナスでした。

0



(並選)

そこそこの暮らしができて桜餅   征一

庶民のささやかな幸せですね。
今村征一 北野さん野島さんご選句有難う御座います。



遠目にもうすきみどりや辛夷咲く  栄太郎

辛夷が咲き始め、遠目には緑のベールのように感じる。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
小生も昨日散策にて満開の辛夷を見掛けました。
うっすらとさみどり色でしたが、とても綺麗でした。



悲しみの背筋伸ばして春ショール   直美

悲しみは消えないけれど、せめて背筋を伸ばし
春ショールで元気をつけよう。
高井 直美 北野 和良 さん、おはようございます。
選を頂き、ありがとうございます。嬉しいです。どうぞ良い一日を





(4/02)


霞草引き立て役じゃ終われない   夢見昼顔

昨日はクレソン、今日はかすみ草。名脇役に目が行くのですね。
立役者脇役あればこその春
岩永静代 北野 和良 さん、ありがとうございます。
北野さんのこのお句いただきます〜
本人は自己主張強いはずなんだけど、還暦過ぎてからか、
やはり、周りのかたがいてこそだと、すこーし謙虚に(笑)



(並選)

風光る山の分まで深呼吸  直

爽やかな風に思わず深呼吸、山の分までがいいですね。
大津留 直 北野 和良 さん、ありがとうございます。



「令」の字の訓読みはじめて知る四月   玉有良

あまり馴染みがなく多くの皆さんがそうでしょうね。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます



とろとろと海へ舵とる花筏   真波

花筏が遠くの海へ流れていくという長い時の想像。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます
どれだけ海まで到達することか、、、長い航海です。



菜の花の迷路に笑顔咲きにけり  亜仁子

ひまわり迷路は良くありますが、菜の花にも。楽しいですね。
Aniko Papp ご鑑賞、ありがとうございます。





(4/01)


美しきものに影あり花あはれ  栄太郎

哲学的な考察ですね。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
桜の花でも、人の美人でも美しいものは何処か愁いの影が感じられ、
そこが魅力に一つかと思宇ものです。



(並選)


AIに歌を作らせ月朧   暢

AIが詠んでくれるなら何の苦労もない。
でも、それでは「私」の個性はどうなるのだろうか?
中村 暢夫 北野さん、選をいただき、ありがとうございます。
また、ご鑑賞もうれしいです。なぜ歌うのか、ということですよね^ ^。



薄雲に令和と指で綴りたり   幸

今日に相応しい句で共感しました。
ただ、季語がない?ようなので並選にさせて頂きます。
Sachiko Yokoi Hayashi ご指摘ありがとうございます。
季語、悩みましたが能細胞が枯渇しています



覚え無き督促状や四月馬鹿   寛昭

覚えなきと判断する冷静さがあれば詐欺に引っかかることはないでしょうね。
古閑 寛昭 北野さん、ありがとうございます。



薄紅(うすくれない)人肌恋し桜貝   沙羅

艶のある好きな句です。ただ三段切れっぽいところが推敲の余地ありでしょうか。
長井美佐子 北野 和良 さま。ありがとうございます! 
私も気になっているんですが、どうしたらいいのかなあと(笑)
くれなゐの人肌恋し桜貝
熱っぽく推敲してみました。
北野 和良 愛しい人を想う気持ち、与謝野晶子の
「熱き血潮」のように大胆に誇張していいのでしょうね。
長井美佐子 ありがとうございます。恋の歌は苦手ですが、
川柳に影響されているかもです。(*^^*)