俳句鑑賞文(復刻版)    2019 February       0 トップへ   






(2/28)

北窓を開ければそよと花信風   夢見昼顔

下五花信風がいかにも雅です。季語を上手に使われていますね。
岩永静代 北野 和良 さん、嬉しいです??ありがとうございます。
この季語をなんとか生かしてみたいと、挑戦しました。



(並選)


雀の子落ちるが如く初飛行   句林

子雀の初飛行はそんな風に見えるのでしょう。
大林 正 北野 和良 さん ありがとうございます。



撞く鐘の余韻に椿重ね落つ   夢積

余韻に重ね、が素晴らしいです。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



こぼこぼと暗渠流るる春の水  栄太郎

オノマトペが面白く、暗渠も明るくなりそうです。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います?!。
春の田園の小川、溝川の流れの音はとても心地良い音です。
心理学的にもやすらぎの音とされ、睡眠導入音楽には最適だそうです。





(2/27)

菜の花や沖へ沖へと天津風   真波

菜の花の咲く明るい海辺の風景が目に浮かびます。
リズムもよく天津風が効いています。
石井 真奈美 北野さん、特選にお選びいただきありがとうございます。
天津風には春の雰囲気を感じます。



(並選)


どの枝も力溢れて梅の園   夢積

梅園はこれから見頃に。どの蕾も花も力強く、生き生きと。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



梅匂ふ家塾の跡の奥処まで   満徳

著名な家塾跡、梅の香りが奥ゆかしい。
永田 満徳 選んで頂きありがとうございます。
ここは家老職の屋敷跡です。



メーデーや後尾に授乳する女   美音

ベアを大声で叫ぶ先頭、後尾には乳を含ませるお母さん。視点が面白い。

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(2/26)

酒の友初小女子の卵とじ   夢積

淡々とした描写だが、いかにも美味しそうです。海辺の人の特権ですね。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



(並選)


白梅のうなじ朱くに染めしかな   夢見昼顔

白梅のような妙齢の女性、理由はわからないが項まで朱に染めて。
なんとも色っぽい。
岩永静代 北野 和良 さん、ありがとうございます。
こんな女性憧れます(笑)



雛祭り結婚といふ武者修行   千秋

女性にとって結婚は武者修行という発見。
中野千秋 和良さん、ありがとうございます



包丁で言葉も刻む木の芽和   果連

包丁で何の言葉を刻むのだろう。恨みか喜びか悲しみか?
川崎 果連 北野さん、ありがとうございます。^_^ 果連





(2/25)

五十路背に歯を立て睦む春の夜   あきこ

当大学で初めてではないでしょうか。
与謝野晶子ばりの大胆な描写に感服しました。
木代 明子 北野 和良 (Kazuyoshi Kitano)さん、ありがとうございます。
すごい人のお名前と並べていただき恐縮です(^^;;



(並選)


嘘を消す大き嘘あり春灯下   霜魚

嘘を消すために更に大きな嘘を!!
佐藤文彦 北野 和良 様。選んで頂きありがとうこざいます。
でも嘘はいけませんよね、また大きな嘘を作らねばいけなくなります(^∇^)



春ショール取れば黒髮あふれたり  祐

たおやかな女性の姿、いいですね。
牧内 登志雄 美音さん、特選ありがとうございます。嬉しいです。
北野さん、並選ありがとうございます。「たおやか」ありがとうございます。



低くとも支柱立てらる豆の花  栄太郎

豆はこれからどんどん生育するでしょうね。
桑本 栄太郎 北野 和良 さん・・・いつも有難う御座います!!。





(2/24)

地を這うて脱兎のごとく野火走る  征一

野焼きの写生句。中七がお見事です。
今村征一 北野さん大林さん篠木さんご選句有難う御座います。



(並選)

梅が香をまとひてよりの逢瀬かな  千秋

こんな女(ひと)と逢えれば本望です。
中野千秋 和良さん、ありがとうございます。



篝火に白魚跳ねて透き通る   句林

白魚漁の活写、船の上で踊り食いでしょうか。
大林 正 北野 和良 さん ありがとうございます。踊り食いいいですね。



花すみれ本気の恋になる予感   玉有良

期待でわくわくします。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます






(2/23)

竜天に登る光の粒撒いて  沙羅

燦々と降り注ぐ陽の光、龍が光の粒を撒いているという想像が楽しい。
長井美佐子 北野 和良 さま。ありがとうございます! 
この季語を使ってみて、日本語の面白さと美しさを感じました。



(並選)


点滴の音無きリズム春の空   夢積

音なきリズムに実感がこもっています。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



細き枝の搖れて殘りし初音かな  祐

鶯は飛んでいったが、耳の奥には初音が残っている。
牧内 登志雄 北野さん、並選ありがとうございます。
いつもシャッターチャンスを逃しますが、気分はそこそこいい感じです。



落ち椿なほ美しき息づかい  美音

落ちてなほ、が美しく悲しい。
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(2/22)

梅ヶ香やぬしと朝寝がしてみたい   玉有良

(ちょっと都々逸っぽいですが)
リズムが良く、梅の香にはそんな誘いが感じられますね。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます。
今日は高杉晋作しばりの句ばかりです。
下敷きは高杉晋作の都々逸なので、感想は正解ですよ〜



(並選)

美しき肢体持ちたる稽古海女  美音

まだ若く修行を始めたばかりの海女さんでしょうか。

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離農てふ陰を背負いて麦を踏む   寛昭

農家も高齢化の波に襲われていますね。
古閑 寛昭 北野さん、ありがとうございます。



菜の花やわき目も振らず農の人  栄太郎

菜の花に遊ぶのは都会の暇人のみ。
桑本 栄太郎 長井さん、古閑さん、北野さん・・・
大変有難う御座います!!。昨日の散策は暖かくて長閑な田園風景でした。
畑には菜の花が咲き、農家の方は畑仕事に精が出ていました。





(2/21)

乙訓は風吹く丘ぞ犬ふぐり  栄太郎

春の丘に犬ふぐりが咲き始めた。乙訓の地名が効いている。



(並選)

魚河岸の零れ小女子海へ掃く   夢積

下五漁師さんの動作に臨場感がある。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



強東風や選手を襲う白血病   玉有良

水泳選手の病、運命は過酷ですね。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます。
詠み貯めしてて、忘れてました。無事治ってほしいものですね。



待ちわびた日々に沁み入る雨水かな   夢見昼顔

(百千鳥の句も好きですが)こちらを並選に頂きます。
逢瀬を待ちわびる切なさに季語・雨水がよく効いています。
岩永静代 北野 和良 さん、ありがとうございます。
雨水、素敵な季語ですよね





(2/20)

啓蟄を促す様な甘き雨   夢積

一雨ごとに春が来る時期。甘き雨、がとてもいいです。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



(並選)

引かれてた手を引いてゐて梅の花   秋子
祖母の手を引きながら観梅。
子供の頃は自分が手を引いてもらっていたのにと感慨深い。
Akiko Eguchi 和良さん、ありがとうございます。
とても嬉しいです。月日は流れますねー



とおせんぼ踏まねば行けぬ落椿   直美
とおせんぼするように道の真中に落椿。
作者を悩ませてとおせんぼしている本当のものとは?
高井 直美 北野 和良 さん、おはようございます。
ご選句とご選評を頂きありがとうございます。細い住宅街の道いっぱいに
椿が散っていました。どうぞ良い一日を?



春ショールふはりと小町通りかな  征一

いかにも春を感じる句。
今村征一 向瀬さん北野さんご選句有難う御座います。





(2/19)

菠薐草こんな綺麗なくずし文字  沙羅

季語の取り合わせの意外性に一票です。
長井美佐子 北野 和良 さま。ありがとうございます! とても嬉しいです!
ほうれん草の漢字を知らなかったので、本当に驚きました。きれいですね!



(並選)

殿りの遂に飛び立つ鳥曇り  祐

鳥の渡りもいよいよ終盤ですね。
牧内 登志雄 北野さん、並選ありがとうございます。
鴨が発ってしまうと干潟も少し寂しい季節になりますね。



万物の発芽の聞ゆ雨水かな   句林

まさに自然の摂理。
大林 正 北野 和良 さん ありがとうございます。



産土のちからを貰ふ雨水かな   寛昭

雨水が力を与えるのではなく貰うという視点が見事です。
古閑 寛昭 北野さん、ありがとうございます。





(2/18)

語らひて水火解れし雪間草   夢見昼顔

第1印象は読み解くのがとても難しい句だ。
相手に対する冷え切った気持ち、また怒りの感情。
だが語り合ううちにそれも次第に解れていき、
まるで雪間草のように和解の芽が出てきた。
岩永静代 北野 和良 さん、私の思いをそのまま、
鑑賞していただけて、とても嬉しいです!
雪間草という季語を見つけたときに、この想いを詠みたいと思いました。
ありがとうございます。感激です



(並選)


沈丁花耳の後ろの匂ひかな  沙羅

中七がとてもエロチックな感情を引き起こします。
長井美佐子 北野 和良 さま。そ、そうですか?!
ありがとうございます! 嬉しいです!



耐えて耐え雨の重さに梅一輪   夢積

雨に打たれながら可憐に咲き始めた梅一輪。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



雪嶺を四方に従へ善光寺   玉有良
今の季節の善光寺、実景ですね。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます。
この時期の長野に帰省したのは久しぶりなので、
なかなか新鮮な句がたくさん詠めました。
明日は京都に戻るので、また春の歳時記に持ち替えます。





(2/17)

薔薇の芽や棘の先まで朱になりて   夢積

早春の薔薇の芽を見つめた見事な写生句。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



(並選)

草萌えて苔玉にある小宇宙   寛昭

小宇宙が効いている。
古閑 寛昭 北野さん、ありがとうございます。



立春や空の余白に誘はれて   暢

中七が雰囲気を盛り上げている。
中村 暢夫 北野さん、ありがとうございます。うれしいです



外つ人の格子戸路地や春きざす  栄太郎

京都の格子戸路地は外国人観光客にも人気なんですね。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
この寒の戻りの中でも、京都祇園界隈、花見小路界隈は外国人の
観光客が多くあります。インスタグラムへの写真撮影だらけです。





(2/16)

奔放と云ふは斯くなり薮の梅  栄太郎

藪の中の梅がほころび始め春を告げている。上五が意表を突く句だ。
桑本 栄太郎 北野さん、十河さん・・・大変有難う御座います!!。
畑などに植えられている野梅は、整枝などされる事がなく
花が奔放と思える程咲いて居ます。



(並選)

春の泥見知らぬひとに会釈され   夢見昼顔

はて、あの人は誰だっけ・・・
岩永静代 北野さん、ありがとうございます。
話をしても思い出せず、その間必死で思い出そうとしたりしてます(笑)



芽柳や川も静かに動き出し  夢積

芽柳が風に揺れ、小川のせせらぎに春の訪れを感じた今日。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



雛三代旧家に並ぶ息遣ひ   幸

Sachiko Yokoi Hayashi 北野 和良 様。拙い句を……
ありがとうございます





(2/15)

有り余る雪有りまたも雪予報   霜魚

北海道、裏日本豪雪地帯の人々の気持ちが思いやられます。
佐藤文彦 北野 和良 様。 ありがとうございます。
毎朝除雪から始まる日課ももう少しです。



(並選)

淡雪やアイシャドウは桜色   真波

春はまだ浅いが、アイシャドウは桜色にして一足先に春の気分へ。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます?。
今週は寒かったですね、気分だけでも春っぽく。



春淺し攝氏四度の自尊心  祐

なかなか去らぬ寒さ。中七がユニークです。
牧内 登志雄 北野さん、並選ありがとうございます。



涅槃図を前に尿する赤子かな   句林

赤ちゃんの尿なら涅槃図の仏様方もお許しになるでしょう。
大林 正 北野 和良 さん ありがとうございます。





(2/14)

春眠の中にわたしを初期化中   千秋

初期化中が面白い。人生、初期化して再スタート出来たらどんなに良いだろう。
中野千秋 和良さん、ありがとうございます



(並選)

千仞の谷にひっそり雪割草  沙羅

大きな景から可憐な雪割草へズームインする意外性が素晴らしい。
長井美佐子 北野 和良 さまありがとうございます! とても嬉しいです!
なぜか、箱根の山は天下の険? が耳から離れなくて。。



早春や古民家にガレの花活   夢積

ガレの花活のある古民家カフェ、きっと料理も珈琲も美味しいだろう。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



お点前の椀にひとひら梅の花   寛昭

(茶会、お点前には詳しくないのだが)椀に梅の花びらはこころを和ませてくれる。
(ただ、桜なら舞い散った花びらが風で飛んできて椀にというハプニングも想像できるが、
梅だとそうは思えない。人為的に浮かべたとすると技巧が目立つ気もする)
古閑 寛昭 北野さん、ありがとうございます。





(2/13)

引き波を追ふすべもなく桜貝   真波

波に追われて浜辺に打ち上げられた桜貝。
引き波は私を残して去ってしまった。
石井 真奈美 北野さん、特選にお選びいただきありがとうございます。
一度でいいから、生きてる桜貝を見てみたいです。



(並選)

春めきて雲のいざなふ旅心   美音

明るい春の空に浮かぶ雲、たちまち旅心が湧いてくる。
(美音さん、4句は・・・)
向瀬美音 あっ間違えました、ごめんなさい



剪定の音に芽生える生命かな  双葉

音に芽生える生命、が素晴らしい。
新名勝之 ありがとうございます。



猫の恋申し合せて権現裏   草民

恋猫は人が神聖と考える場所など関係なし。
山野辺 茂 北野 和良 さん、ありがとうございます





(2/11)

棟梁の木遣り高々木の芽晴  正則

木の芽時に何の行事だろうか。冷たい空気を破るような
木遣り唄がめでたさを伝えているようだ。
野島 正則 北野さん、特選をいただきありがとうございます。
子供の頃、父が材木店だったので、上棟式にはよくいくことがありました。



(並選)

連れだつて花びらのやう春の雪  栄太郎

春のぼたん雪、花びらのように連れだってが情景を浮き立たせている。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変ありがとうございます!!。
昨日の京都は朝より牡丹雪でした。
大空よりぎつぎに降っては落ちる光景をながめて眺めていました。



閉塞の平成終はる弓始  俊文

自然災害に見舞われ閉塞感に覆われた平成を新しい時代へ導く弓始。
河野 俊文 北野 和良 さん、ありがとうございます。
弓始で新しい時代を切り開いて欲しいものですね。



陽春や厨の貝の声洩らす  夢積

鉢に入れられ砂抜きをしている貝、浅蜊か蛤か。
プツプツと塩を吹く音が可愛い。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。





(2/10)

花時計針の先より寒明ける   夢積

寒が明け春が来る喜びと花時計とが見事に響き合っている。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



(並選)

綿菓子に春の光を絡めとる   千秋

春の光を絡めとる、の措辞が素晴らしいです。
中野千秋 和良さん、ありがとうございます



一瞬に声消え失せる受験場  無智

試験官の合図で一斉に問題に取り組みだした受験生の緊張が伝わりました。
福井 栄一郎 北野 和良 さん、選んでいただき、
合わせて素敵なコメントをいただき、有難うございます。



春ショール心が遠出したがりて  房子

心が遠出したがるという措辞・感覚が素晴らしいです。





(2/09)

ビルの窓掃除してゐるしゃぼん玉  沙羅

シャボン玉が飛んでビルの窓に漂っている。
まるで窓掃除をしているように。楽しい空想だ。
長井美佐子 北野 和良 さまありがとうございます! 
ご鑑賞もありがとうございます!  ピッタリです!



(並選)

雪割草咲かねば人の来ぬ岬  征一

普段は誰も来ない寂しい岬。雪割草の咲く時期だけは花を見ようと人々がやってくる。
今村征一 北野さん美佐子さんご選句有難う御座います。



波の花鳴門に長き防波堤  十河智

鳴門の防波堤に波の花が打ち寄せている。
(以前鳴門に住んでいて防波堤でよく釣りをしたのを懐かしく思い出しました。)
十河 トモ子 北野 和良 さん、ありがとうございます。
私も寮の裏がすぐ防波堤でしたし、今も高速を降りて11号線沿いを
智通って高松へ帰ります。波がいろいろなのがいいのです。



天神の牛の光るや梅二月  栄太郎

並選に頂きます。天神さんには黒い牛がいますね。
桑本 栄太郎 北野さん古閑さん・・・大変有難う御座います!!。
二月の今頃になれば、京都の北に天満宮の梅見となります。
入口に牛の置物があり、触ればご利益があると言うそうで、
黒い牛が触られて光って居ます。





(2/08)

歩む道ふと考える木の芽時   美音

HAIKU編集者としての悩みがにじみ出ていると感じた。
新しい息吹が空ヘ向かって伸びるよう祈ろう。



(並選)

春北斗賢母につけしGPS   夢見昼顔

GPSの解釈が難しい。
徘徊の母にGPSを付けて居場所がすぐに分かるようにしたのだろうか。
以前はあんなに賢い母だったのに、という落差が悲しい。
岩永静代 北野 和良 さん、はい!そんな思いで詠みました。
私の母ではありませんが、身近にたくさんみてきました。
神戸市は条例で、認知の検査を無料にしたり、認知がわかったら、
事故を起こしたときの保証をしたり、GPS の端末を無料にしたりと
いうのをもうけました。だからといって、家族の気持ちを考えると、
悲しいものがあります。それを詠みたく思いました。



鞦韆を漕ぐたびタイムスリップし    草民

ブランコを漕ぐたびに、現在から異界へタイムスリップする、
子どもはそんな感覚で遊んでいるのだろう。
山野辺 茂 北野さん、ありがとうございます。



排他的水域見えず春の凪  栄太郎

穏やかに見える春の海。だが排他的水域を巡って隣国と激しい攻防が潜んでいる。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
春になれば鏡のような凪となる事もある日本海ですが、排他的経済水域など
見えなくとも、世界情勢にとって大荒れなどのですね?





(2/07)

濃淡の香を彷徨ふて梅月夜   秋子

夜暗くても漂ってくる強い香りで梅が咲いているのが分かる。
中七がいい感じです。
Akiko Eguchi 和良さん、ありがとうございます。
とても嬉しいです。梅の香りの存在感には感動します。



(並選)

梅見より先づは合格祈願して  祐

受験生かはたまたその親御さんか。その気持、良く分かります。
牧内 登志雄 北野さん、永田先生、選を頂きありがとうございます。
精進したいと思います。



眉うすき歩はば狭きが春の宵  沙羅

どんな齢なのか、男か女か、春の宵を歩く亡霊か?
長井美佐子 北野 和良 ありがとうございます!
ご鑑賞もありがとうございます。春の精霊?かなと。。



海苔掻や潮のふくらみ尻濡らす  栄太郎

夢中で海苔掻をしていて波に尻を濡らされた。ユーモラスな景ですね。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
早春の2月の今頃の時季になれば、子供の頃近い海に行き
海苔掻きを行った想い出が蘇ります。春の潮は、凪といっても
海面が膨らむようなうねりがあり、屈んでいるお尻が良く濡れました。
岩海苔は、お茶碗一杯程掻き採ることも容易ではありませんが、
磯の香り良くとても美味しいものです。





(2/06)

急須からかそけき春のこぼれ出で  秋波子

急須から湯呑に茶を注ぐ。その色にああ春だなあと感じる。かそけき春に一票。
Yumi Nakahara ありがとうございます



(並選)

雨の音雨の匂ひの餘寒かな  祐

春まだ浅い雨の音と匂い。寒さはいつ終わるのだろうと空を眺める。
牧内 登志雄 北野さん、並選ありがとうございます。
テニスや鳥さんには会いに行けませんが、この雨はしばらく
続いてほしいくらいです。まさに「慈雨」ですね。



丘上の日差し明るく梅香る  栄太郎

思いがけず温かい日差しに梅もほころび匂い始めた。
春の到来を喜ぶ気持ちにあふれている。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
直ぐ近くに丘公園があり、梅林もありますので時々様子を眺めに訪れます。



おたがひの色に染まらず月日貝   真波

ご自分たち夫婦を月日貝になぞらえたと読ませてもらいました。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます?。
月日貝は今まで食べるだけでしたが、俳句の材料にもなりました^ ^
綺麗な貝殻で、よく集めたものです。
夫婦でもカップルでも、それぞれの個を第一にしたい方です^ ^





(2/05)

引っ越しは小さな革命キミの春   果連

女子大に入学し、親元を離れて独り住まいへ引っ越し。
革命の措辞に同感します。
川崎 果連 北野さん、ありがとうございます。光栄です。^_^ 果連



(並選)

初めてのピアスをひとつ春立てり   あきこ

大人への入り口。ピアスを買うのも一つの冒険。
木代 明子 北野 和良 (Kazuyoshi Kitano)さん。ありがとうございます



カリヨンの響き春雲揺らしたる   幸

教会から高らかに響くカリオン。春雲揺らす、が素晴らしい。
Sachiko Yokoi Hayashi 北野 和良 様 ありがとうございます



母と娘のビタミン色の春の服  沙羅

ビタミン色? いずれにしろ親子で春服を新調してウキウキですね。
長井美佐子 北野 和良 さま。ありがとうございます! 
とても嬉しいです! ビタミン色は野菜の感じです(笑)





(2/04)

プリズムの光の彩や春近し  秋波子

プリズムで分光した七色の光、明るい春を感じますね。



(並選)

立春や水子供養の地蔵にも  俊彦

悲しい水子地蔵にも春はやってくる。
鎌田 俊彦 北野 和良さん、有難うございます。



山伏の頭襟(ときん)きらめく追儺かな  栄太郎

山伏の追儺、珍しいですね。



菅公の霊を鎮めて梅白し  直

太宰府の飛梅であろう。世田谷にも分枝した樹がある。





(2/03)

冬三日月護身の小柄欲しき夜を  十河智

冬三日月を眺めていると何故か心細くなり護身の小柄を。
きっと武士の娘さんだろうか。
十河 トモ子 北野 和良 さん、特選、ありがとうございます。嬉しいです。智



(並選)

大根のほろと崩れし甘さかな   夢見昼顔

崩れそうになるまでじっくりと煮たタイコン。おでんの王者。
岩永静代 北野 和良 さん、ありがとうございます。今回はふろふき大根で



イヤホンの音を分け合う春隣   直美

こんな事ができるのは若者の特権。
高井 直美 北野 和良 さん、おはようおはよう。ありがとうございます!
若い子達がスマホでよくしていますね、羨ましい!笑。
どうぞ良い一日をお過ごしください



寒明けの海辺の貝は声洩らす   夢積

どんな声? 悲しみの声だろうか。怒りの声だろうか。





(2/02)

もうすでに生命育む焼野かな   征一

早春には山焼きが行われる。焼野の下には新しい命が芽生え始めている。
今村征一 北野さんご選句と鑑賞有難う御座います。



(並選)

靡かずに群れずに生きて春立ちぬ   真波

自主独立の気概に満ちた句。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます。
若い頃より、モットーにしております。



凍鶴や見てはいけない物を見て  美音

何を見たのかが気にかかる句。
向瀬美音 北野 和良 ありがとうございます!何か想像してください



猫の恋始めはほんの出来心  沙羅

恋の始まりはそんなものかとも思わせる句。不倫の恋はいけません。
長井美佐子 北野 和良 さま。ありがとうございます! 同感です。
でも好きになってしまったら。。。とも思います。





(2/01)

悲しみが立ち上がる時霜柱  沙羅

悲しみが立ち上がる、という措辞に惹かれました。その気持を霜柱に託して。
長井美佐子 北野 和良 さま。ありがとうございます! 
ちょっと感情に流されて俳句としてはどうなのか、わからなかったのですが、
フッと浮かんだものは、大切にしたいと思っています。嬉しいです!



(並選)

友だちはいるのだろうか雪おんな   直美

心配されて雪女も喜んでいるでしょう。
高井 直美 北野 和良 さん、おはようございます。
ありがとうございます!そう言って頂いて嬉しいです!
どうぞ楽しい週末をお過ごしください



野良猫の影ゆっくりと春動く   夢積

二句一章でしょうか。影と春がゆっくりとの措辞で連結されている。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



二ん月の水辺のカフェに再会す   千秋

カフェで再会が新しいストーリーの始まり。
中野千秋 和良さん、ありがとうございます