俳句鑑賞文(復刻版)    2019 January       0 トップへ   






(1/31)

旅籠屋の枕屏風に多佳子の句  祐

橋本多佳子のこの句が好きです。
雪はげし抱かれて息のつまりしこと
夫つま恋へば吾に死ねよと青葉木菟
こんな風情のある旅籠屋に泊まってみたいものです。
牧内 登志雄 北野さん、古閑さん、特選ありがとうございます。
また、素敵な鑑賞もいただき嬉しいです。
多佳子の句では北野さんの二句に加えて、
月光にいのち死にゆくひとと寝る
硯洗ふ墨あをあをと流れけり
などが好きです。



(並選)

春待や五欲ある身のいとおしく    夢積

中七五欲ある身と正直な告白がお見事です。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます



日脚伸ぶうすら笑ひの埴輪像  紀宣

埴輪像のうすら笑ひとの観察が素晴らしい。
つちたに jt 純一 北野さん、並選に選んで頂きありがとうございます。
嬉しいです。



うつすらと京の町家の雪化粧  栄太郎

綺麗な景色です。舞妓さんが雪を避け歩く姿が見えるようです。
桑本 栄太郎 北野さん、古閑さん、つちたにさん、Mutumiさん・・・
大変有難う御座います!!。家並みの低い京町家の雪化粧は、
得も言われぬ風情があります。盆地の地形より夏は暑く、
冬は寒くても好きな町です。





(1/30)

探梅や蕾固きと知りながら   真波

蕾はまだ固いと聞いたが、ひょっとしたらと期待を込めて探梅に。
この気持、よーく分かります。
石井 真奈美 北野さん、特選にお選びいただきありがとうございます?。
せっかちというか、気になって、ついつい



(並選)

鴨泳ぐ己を美味と知らぬまま  沙羅

鴨は食物連鎖なんて知りませんよね。視点がユニーク。
長井美佐子  北野 和良 さま。ありがとうございます! 
泳いでいる鴨を見て詠んだ、非情な俳句です。



園児らの冬の一日やわらべ歌  栄太郎

園児らの楽しく歌っている様子が目に浮かびます。
桑本 栄太郎 北野さん、野島さん・・・大変有難う御座います!!。
山口にいます孫は年長となり今年は卒園です。わらべ歌コンサートがあり
見学に行って来ました。地元の染めものの着物姿に帯を締めてうたったり、
色々な演技もあって大活躍でした。



雪踏や鍵をかけたる日記帳   夢見昼顔

鍵付きの日記帳、聞いた覚えがあります。人には見られたくない乙女心。
岩永静代 北野 和良 さん、ありがとうございます。嬉しいです。
雪を踏み固めるように、固めてしまいたいことも…
鍵は開けることがないかな





(1/29)

手術痕隠すおしゃれな冬帽子  紀宣

手術痕を隠したいのはきっと女性だろう。
冬帽子で隠そうとする心根がいじらしい。
つちたに jt 純一 北野さん、特選に選んで頂きありがとうございます。
とても嬉しいです。また素晴らしい鑑賞ありがとうございます。



(並選)

寒卵メレンゲ立てど義は立たず  沙羅

メレンゲと義の取り合わせの意外性。
長井美佐子 北野 和良 さま。ありがとうございます! 
とても嬉しいです! 状況を説明したい誘惑に駆られますが、
このまま読んでくださいませ。



月光の研ぎ澄ましたる氷柱かな  祐

月光が氷柱を研ぎ澄ますという発想が新鮮だ。(月光=秋には目をつぶろう)
牧内 登志雄 北野さん、並選ありがとうございます。
「月光」は迷いましたが、主題の氷柱を生かすために外せない
「光」ということで上五に措きました。



大漁に競う船足初漁船   夢積

大漁で帰港を急ぐ漁船の群れ、めでたいめでたい。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。





(1/28)

ぐい呑は手捻り織部牡丹鍋   真波

手捻り織部のぐい呑でちびちびやりながら牡丹鍋を突く。至福の一時ですね。
石井 真奈美 北野さん、特選にお選びいただきありがとうございます。
味わいのあるぐい呑と野趣ある牡丹鍋で、お酒がすすみます^ ^



(並選)

風花や恋の便りを携へむ   夢見昼顔

そんな風花なら大歓迎。
岩永静代 北野 和良 さん、ありがとうございます。私も大歓迎(笑)



あかときや殘る寒月高々と  祐

明け方、寒月だけが空を占める静寂の大きな景ですね。
牧内 登志雄 北野さん、ありがとうございます。
明け方の東京湾の上に残る冬の月でした。



冬落暉大河を流れゆくやうに   暢

ゆうゆうと沈む夕日。中七が素晴らしい比喩です。
中村 暢夫 北野さん、選をいただき、ありがとうございます!励みにします!





(1/27)

全豪にナオミコールや冬うらら   玉有良

全豪オープンテニスで優勝した大坂なおみ。実に感動的な勝利でした。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます



(並選)

初雪に古式泳法競いをり   夢積

初雪の降る中での古式泳法の寒稽古。緊張が伝わります。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



灰色の雲の垂れ込め雪催  亜仁子

灰色の雲の垂れ込め深い雪が予想される。
Aniko Papp 選んでいただき、ご鑑賞、ありがとうございます。嬉しいですね。



水鳥の水面群舞や淀川に  栄太郎

並選に頂きます。淀川の景色、懐かしいです。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
新幹線車窓からですので、一瞬に水面近くに見える光景でした。





(1/26)

背を流し「母さんあのね」雪うさぎ   夢見昼顔

お風呂に入り子どもが母の背を流しながら「母さんあのね」と話しかける仲睦まじい景色。
岩永静代 北野 和良 さん、とても良い嬉しいです。
雪うさぎの赤い目に、子供が訴えていることを託しました



(並選)

ゆきかへる波の間に間に鴨の尻  祐

鴨の尻にズームアップする描写が面白い。
牧内 登志雄 北野さん、並選ありがとうございます。
鴨の尻はいろいろで可愛いですね。



山霧のごとく粉雪谷渡る   草民

冬の渓谷、まるで墨絵の世界だ。
山野辺 茂 北野さん、古閑さん、ありがとうございます



フルートの音の透明や冬の月  夢積

フルートと冬の月の取り合わせ、景色の透明感が素敵です。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとう。





(1/25)

寒紅を濃くして魔力温存す   千秋

魔力を秘めた女性、作者の分身だろうか。魔力にドッキリ。
中野千秋 和良さん、ありがとうございます



(並選)

雪下ろしたちまち子らの滑り台  玉有良

雪下ろしをした雪の山で子どもたちは滑り台にして遊ぶ。
キャッキャッと騒ぐ子供の声が聞こえてきた。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます。
幼少期は豪雪の上越にいたので実体験です。



八十路にも泣き笑いあり睦月かな   夢積

人生八十にして尚喜怒哀楽あり。羨ましい限りだ。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



寒風や頼朝桜の便りきく   真波

頼朝桜、聞き慣れないと思ったら、
鋸南町では、源頼朝が石橋山の戦に敗れ小舟で安房の国竜島
(現在の鋸南町)へ逃れ、再起を図ったという史実にちなみ、
河津桜を「頼朝桜」と名付け、日本一の桜の里を目指し植栽に取り組んでいます。』
来月半ばには約14,000本が咲き始めるようだ。伊豆の本家に並ぶ見事さだろう。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます。
はやくも開花したそうです。町興しですね。桜は成長が早いので10年も経てば
それなりに楽しめます。保田川から佐久間ダムまで、意外に素晴らしいです^ ^





(1/24)

冬枯れの空を旅せむ観覧車   夢見昼顔

中七から下五への展開・落ちが見事です。
岩永静代 北野 和良 さん、とても嬉しいです。ありがとうございます。
冬の遊園地でデートした、若き日・・・・



(並選)

寒紅をきりり外八文字かな   玉有良

花魁道中の見事な写生句。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます



波連れて光をつれて浮寝鳥  美遥

上五中七のリズムも良いリフレインが効いている。
Biyou Utashiro 北野 和良 さん。ありがとうございます



おでん酒異口同音の雁もどき   草民

知らぬ同士が肩を並べておでん酒。知らぬ間に話も弾む。
山野辺 茂 北野さん、ありがとうございます





(1/23)

編み棒のじやれあふてをり日向ぼこ   寛昭

日向ぼこをしながら編み物を。じゃれあふて、が面白い。
古閑 寛昭 北野さん、ありがとうございます。



(並選)

枝えだは空を突き刺す枯木かな  無智

中七空を突き刺すが秀逸。
福井 栄一郎 北野 和良 さん、選んでいただき有難うございます。
嬉しいです。



庭隅の土かきわけて蕗の薹   暢

土を破って出てくる蕗の薹なのか、作者が蕗の薹を探しているのか、
そこがはっきりしない。かきわけて、の措辞にもう一工夫欲しいところだ。
中村 暢夫 北野さん、選んでいただきありがとうございます。
また、ご指摘をありがとうございます。
後者の探したほうの景だったのですが、推敲は宿題にしますね。



海鳴りを薮に聞きつつ笹子鳴く  栄太郎

北野 和良 教えて下さい、季語は何ですか?
桑本 栄太郎 北野さん・・・「笹鉄砲」を冬の季語と勘違いです!!。
篠竹で作る子供遊び道具です。季語を替えます。
北野 和良 桑本さん、改めて並選に頂きます。
海鳴りに呼応するように鶯が笹鳴きを繰り返している長閑な景色ですね。
ポンッと鳴る笹鉄砲も思い浮かびますね。





(1/22)

流感を召されたまふか赤い月   真波

赤い月(フルムーン)を流感に冒され熱を帯びたと見たところがとてもユニークです。
石井 真奈美 北野さん、特選にお選びいただき嬉しいです。
東の空に昇った頃が一番赤いような気がします。



(並選)

しんしんと冷気漲り樹氷生る   沙羅

樹氷林の寒々とした景色が見えます。
長井美佐子 北野 和良 さま。ありがとうございます。毎日寒いです



葉牡丹や同心円の小宇宙   夢見昼顔

下五小宇宙が効いています。
岩永静代 北野 和良 さん、ウォーキングで見つけた葉牡丹、
繁々と見たら、いろんな発見が



海鳴りの遠く聞こえり冬の夜  栄太郎

冬の海の寒々とした風景が手に取るように見えます。
桑本 栄太郎 野島さん、北野さん、今村さん、又Aniko Pappさん・・・
大変有難う御座います!!。スプリクトエラーの為御礼が遅くなり失礼しました。
鳥取の田舎に実家では、今の時季は日本海が大荒れとなり、
寝ていても一夜中恐ろしい海鳴りが聞こえてました。





(1/21)

初場所や貴賓席へと背筋のばす  双葉

1/20今上天皇の最後の天覧試合となり、力士、観客は皆両陛下に敬意を表した。
新名勝之 ありがとうございます。
天皇陛下をお迎えした緊張感をただただ忠実に描写した一句です。



(並選)

寒靄を供に夜明けの露天風呂   玉有良

霞の流れる夜明けの露天風呂。共に、を二人と読むと甘い情景となる。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます



寒いねと言へば縮まる距離がある   千秋

縮まる距離は、身体的にも心情的にも解釈できそうだ。
中野千秋 皆様、ありがとうございます



ジレンマに泣く夜のありぬ久女の忌   夢見昼顔

久女と言えば《花衣ぬぐやまつはる紐いろいろ》を思い出す。
1936年帝国風景院賞を受賞した
谺(こだま)して山ほととぎすほしいまゝ》も見事な句。
同年、ホトトギス同人を除名された後の句は《蝶追うて春山深く迷ひけり》。
久女はその後もホトトギスに投句を続けた。
久女の心情を思い測り、自らを重ね合わせる作者が思われる。
岩永静代 北野 和良 さん、ありがとうございます。
また、素晴らしい鑑賞を頂いて、本当に嬉しい限りです。
ジレンマはある意味、生きていたら避けられないもの。
今は、焦らず泣きながらでも、向き合っていきます。
久女のいう紐も、自分を縛るいろいろな要素、それに対する欺瞞、
板挟み、きっとそういったものだと思い、詠みました。





(1/20)

凍て土ややがては解けむ蟠り    夢見昼顔

心の蟠りが早く溶けて欲しいという願い、季語の斡旋が素晴らしい。
岩永静代 北野 和良 さん、ありがとうございます。
ご自身の体験もいろいろお聞かせいただいて、本当に気持ちが楽になりました。
すぐ答えを出そうとしてしまう自分の悪い癖を見直す、
アドバイスをいただけて、嬉しかったです。本当にありがとうございます。



(並選)

小さくも凜と咲きたる寒櫻  祐

寒桜の姿が見事に捉えられている。
牧内 登志雄 北野さん、並選ありがとうございます。
先週にいった上野の桜、いつもの寒桜が高いところで咲いていました。
何故か人の目を避けるような高さに、と。



独り酌む骨正月の我家かな   夢積

骨正月(1/20)に静かに家で独酌する作者。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



雪吊りのあるべきようは加賀の空   浩正

兼六園の雪吊りが彷彿と浮かぶ。
藤倉浩正 北野 和良 さん ありがとうございます。嬉しいです。





(1/19)

目秤で旬のはたはた売り尽す   征一

はたはたは秋田県の県魚。港の側の朝市で熟練の店主が
取り立てのはたはたを勢いよく売りさばく。
上五目秤が臨場感に溢れている。
今村征一 北野さん御選句と鑑賞有難う御座います。



(並選)

山眠る未知の古墳を隠しつつ   貴之助

まだ未発見の古墳、確かにありそうですね。



綿虫の風に託せし旅の果て   夢積

綿虫が命の最後を風に託している。綿虫と作者の心境が重なって見える。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



雪女一度は着たしセーラ服  美音

雪女と言えば妖艶な熟女を思いがちだが、
セーラー服を望む少女というイメージに仰天した。
向瀬美音 北野 和良 ありがとうございます!
ふたばと東洋英和と女子学院のセーラー服を着たいのです。





(1/17)

御会始なゐに寄り添う四半世紀   玉有良

歌会始で天皇陛下の詠まれた歌を下敷きにした句。
陛下への尊敬の気持ちが溢れている。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます



(並選)

鎮魂のラッパ響けり阪神忌  栄太郎

どの行事かは知らないが、ラッパに焦点を絞ったのが素晴らしい。
桑本 栄太郎 北野さん、山野辺さん・・・大変有難う御座います!!。
京都在住ですので、現場にたったわけではありませんが、
神戸の震災追悼行事では、毎年竹筒の灯かりに祈る場所にて、
トランペット1本で追悼曲を奏でる人が居りテレビニュースでも
取り上げられています。ラッパ1本の曲は切々と鳴り響き、
哀しみを新たにしていました。



子でありて妹であり阪神忌   孝之

原さんの自解を読んで意味がはっきりと分かった。
その方の気持ちに寄り添いたい。
原孝之 北野さん、ご選句と鑑賞有難うございます。
自解しないと分かりづらいですよね?
24年の歳月はワンジェネレーションということですね。



雪女トリプルルッツでお出ましに   草民

雪女の句はたくさん出てきたが、トリプルルッツとの取り合わせが新鮮だ。
山野辺 茂 北野 和良 北野さん、ありがとうございます





(1/16)

悔いの無き相撲人生藪入す   正則

稀勢の里引退のニュースに茨城県民は皆悲しんでいます。
年寄「荒磯」として後進の指導に力を発揮しますように。
野島 正則 北野さん、特選をいただきありがとうございます。
日本人横綱、残念なことです。



なによりも散歩が薬日脚伸ぶ   征一

歩くことが健康維持の基本ですね。
今村征一 北野さん御選句有難う御座います。



短冊より春着の色を初句会  美音

詠んだ句よりも春着の色が気になる、女心でしょうか?
向瀬美音 ありがとうございます!



世の中やドミノ倒しのやうに風邪   千秋

一点からあっという間に広がる風邪、インフルエンザ。
ドミノ倒しがお手柄です。
中野千秋 和良さん、ありがとうございます。





(1/15)

風やみて雪の静寂の更に聴く  美遥

しんしんと降る雪の音なき音を聴く。俳句ならではの表現ですね。
Biyou Utashiro 北野 和良 さん。ありがとうございます
とても深く鑑賞していただき、感謝です



(並選)

臍の緒のケースを撫でる成人の日   貴之助

あなたが生まれた時のへその緒よ、と母から渡される。
立派な大人になりなさいと母の励ましの言葉。



水仙や家族賑はふ夕餉時   孝之

一株にたくさんの花をつける水仙花。まるで家族のようだ。
原孝之 北野さん、こんばんは。ご選句と鑑賞有難うございます。
北野さんのご推察の通りです。
水仙の一株にたくさんの花を付けた状態になってきましたね。



埋み火の崩るる音や床柱   真波

火鉢で燃えた炭が崩れる音が聞こえた。懐かしい昭和の風景だ。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます。
祖母が火鉢をよく使っておりました。私もいたずらしたりして^ ^





(1/14)

大人へと梅のほころぶこの佳き日   玉有良

新成人を寿ぐ気持ちが溢れる句ですね。
リズムもよく、梅=春には目をつむります。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます。
●大人へと寒梅ほころぶこの佳き日
●大人へと寒梅ほころぶ佳き日かな
●寒梅のほころぶ佳き日大人へと
のほうが良いですかね?
北野 和良 大人へと寒梅ほころぶこの佳き日,が好きです。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます。推敲しておきます。
北野 和良 中八が気になるなら、寒梅香るなどもありますね。
小出有紀 違う句になりそうなので、これはこのままで。
寒梅香で推敲できたら、別の句として投稿したいと思います。



(並選)

着膨れて古地図でまわる古都の道  沙羅

古地図と古都が響き合う気持ちの良い句ですね。
長井美佐子 北野 和良 さま。ありがとうございます。
古書店で古い地図を買った時の句です



冬の海水平線の緊張感   果連

緊張感にドッキリしました。果連ワールド全開ですね。
川崎 果連 北野さん、ありがとうございます。光栄です。^_^ 果連



ワンピースバイトで買ひし成人祭   夢見昼顔
親がかりの贅沢な晴れ着ではなく、
バイトを重ねて買うワンピーズ。ほろりとしました。
岩永静代 北野 和良 さん、ありがとうございます。
私の家はそんなに裕福じゃなかったし、
東京に出してもらうだけでも大変でした。(笑)





(1/13)

冬菫まだあどけなき少女棋士  俊彦

10歳でプロ棋士(囲碁)になる少女。季語・冬菫とマッチしている。
鎌田 俊彦 北野 和良さん、ありがとうございます。
我々も菫ちゃんに励まされますね。



(並選)

沖よりの朝日を浴びて寒稽古   満徳

海岸の砂浜での寒稽古のようだ。何のスポーツだろうか?
永田 満徳 選んで頂きありがとうございます。
剣道の寒中稽古を詠んでみました。



行き先はフリー切符や女正月  房子

女正月を利用しての旅。一人かお友達と一緒にか。
フリー切符だから気ままに好きな所まで。



冬耕の白き田面や稲の株  栄太郎

寒々とした冬空の下に広がる田んぼ。当地もまさにそんな風景です。
筑波山が遠望できます。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
昨日、関西はとても天候が良く暖かくて穏やかな寒晴れでした。
電車より見る田圃は稲株の白いまま鋤き込まれ、穏やかな田園風景でした。





(1/12)

凍て風や世界二つに裁ちばさみ  沙羅

米中貿易戦争、英国のEU離脱など世界情勢は冷え冷えとしている。
作者のお仕事にちなむ下五が秀逸だ。
長井美佐子 北野 和良 さま。ありがとうございます! 
また素晴らしいご鑑賞も恐縮です。本当に嬉しいです!



(並選)

平成を制する明治ラガーマン   孝之

平成最後のラグビーの全国大学選手権は明治大学の勝利となった。
関係者一同にとって感慨深い勝利だろう。
原孝之 北野さん、こんばんは。ご選句と鑑賞有難うございます。
明治大学は22年ぶりの優勝となりましたね。今年も帝京かと思っていましたが、
混戦でしたね。大正大学、昭和大学ともにラグビーには無縁ですので、
これで良かったです!慶応という可能性もありましたね!
しかし、明治維新に戻る感じで良い優勝でしたね。



初雪や砂金採るごと句を追うて  美音

上手く砂金が見つかりますように。
向瀬美音 北野さん、ありがとうございます!





(1/11)

海鳴りに光散らして水仙花   真波

海鳴りの聞こえる海岸近くに群生する水仙花。
中七の措辞が明るい風景を彷彿とさせている。
石井 真奈美 北野さん、特選にお選びいただきありがとうございます。
水仙の花でまばゆいばかりです^ ^



(並選)

太陽にハグされてをり日向ぼこ   寛昭

イソップ童話、北風と太陽を思い出す。ハグという言葉もポピュラーになった。
古閑 寛昭 北野さん、ありがとうございます。



野水仙潮騒纏ひ眠りつく  夢見昼顔

海辺に群生する野水仙。中七と眠りつくの着眼点が素敵だ。
岩永静代 北野 和良 さん、ありがとうございます。
淡路の灘黒岩水仙郷は、日本の水仙の三大群生地のひとつだそうです。
瀬戸内の波は穏やかで、毎日その潮騒を聞いて眠るんだなと、
自分が水仙になったような気分でした



寒禽の枝より枝へ声しきり  栄太郎

寒い中にも元気に飛び回っている。何の鳥だろうか。
桑本 栄太郎 北野さん、野島さん、河野さん・・・大変有難う御座います!!。
この外気の寒さの中、四十雀でしょうか?つぴつぴと囀りながら
山茶花の枝を頻りに枝を伝っています。姿は見えませんが、楽しそうです。





(1/10)

未練なぞひうと追ひ越す北の風  祐

未練心を抱えた作者を北風が追い抜いていく。
ちっぽけな悩みはさっさと捨てて、
未来へ向かって俺と一緒に飛んでいこうぜ。
牧内 登志雄 北野さん、特選ありがとうございます。
ちっぽけな未練や悩みばかり、少しずつ断捨離です。



(並選)

ストーブにラップを踊る薬缶かな  俊彦

ストーブに置いた薬缶がカタカタとなっている、
まるでラップを踊っているように。
鎌田 俊彦 北野 和良さん、ありがとうございます。



ミルクティーまだ帰らない風邪の神   千秋

私に居座っている風の神さま。ミルクティーでも進ぜましょう。
飲み終わったら早く出ていって。
中野千秋 昼顔さん、和良さん、生姜湯で試してみます^_^



風通し良きとも言へて隙間風  十河智

どこからともなく隙間風が。風通しが良いからとでも思いましょうか。
十河 トモ子 北野 和良 さん、ありがとうございます。智





(1/09)

寒紅を見せられぬまま最終便   夢見昼顔

あの人はとうとう来なかった。心残りだけれど最終便で帰ろう。
いろいろとドラマが想像できます。
岩永静代 北野 和良 さま、ありがとうございます。
見せたかった思い出があります…



(並選)

奉納の木遣り響きて梯子乗  正則

出初式の梯子乗り、木遣り唄も聞こえてきて。
野島 正則 北野さん、選をいただきありがとうございます。
大人になってからは、今回生で梯子乗を初めて見ました。
みていてどきどきさせますね。



世界へと誘ひし人の冬に逝き   幸

兼高かおるさんへの追悼句。
Sachiko Yokoi Hayashi 北野 和良 様
並選にお選び下さいましてありがとうございます●┓
あんなに美しい日本語を話す方はもういらっしゃらなくなりました。



雄叫びの真夜の唸りや虎落笛  栄太郎

夢の中で自分が雄叫びを上げその声で飛び起きたのか、
或いは強い北風に鳴る電線の音なのか。
ちょっと解りにくい句だが、切々と訴えてくる響きがある。
遅くなりましたが、並選に頂きます。
桑本 栄太郎 一昨日の真夜中に、大きな虎落笛の音に目覚めました。
案の定翌日の朝は雪模様で、近くの嶺が真っ白となって居ました。・・・
俳句の場合、上五〜下五の措辞によって意味が通りますね?





(1/08)

水仙花拗ねて甘えてみるつもり   孝之

水洗花を擬人化した句で、コケティッシュな娘さんの姿が浮かび上がる。
(原さんには珍しい詠みぶりだ)
原孝之 北野さん、こんばんは。特選と鑑賞有難うございます。
本日、私有地の枯野の塀際に水仙が咲いていました。
写真を撮ろうにもみんなそっぽを向いていて、
拗ねて甘えているように思い句にしました!


(並選)

音といふ音を呑み込み雪積もる   千秋

音を呑み込むの措辞でしんしんと降り積もる雪景色が思い浮かぶ。



憚りて絵馬にも書けぬあの想ひ  美音
絵馬は誰に読まれるか分からないので書くのが憚られる。
どんな想いなのだろう。
向瀬美音 北野さん、ありがとうございます!!kuku



肥後独楽の紐を離れて回りけり   寛昭

肥後独楽は別名ちょんかけ独楽のこと。紐を強く引いて独楽を空中に放り投げるようにして遊ぶ。
私も教えてもらいずいぶんと練習をしたが、未だに初心者レベルを抜け出せないでいる。
古閑 寛昭 北野さん、観賞頂いてありがとうございます。





(1/07)

小寒やこぶしの効いた灯油売り  真波

灯油タンクを載せた小型車がテープの売り声を流しながらやって来た。
聞き慣れた音楽ではなくて、小節の効いた肉声だ。いい声だなぁ。
石井 真奈美 北野さん、素敵な鑑賞ありがとうございます。
多分、ご自分で録音したのではないかと^ ^



(並選)

日替りに七種粥の定食屋   寛昭

定食屋も七草の今日の日替わりは七草粥。気の利いたサービスだなあ。
古閑 寛昭 北野さん、ありがとうございます。



蝋梅の透けて香りぬ教会へ  栄太郎

ロウバイが咲き始めた。教会の庭にも香りが漂っている。春も近いか・・・
桑本 栄太郎 北野さん、古閑さん・・・大変有難う御座います!!。
昨日の教会への道すがら、教会近くのお宅の庭の蝋梅が
透けるように綻び初めて居ました。



星降るやワイン温めし寒の入り  祐

北海道で大きな雪のかまくらのような部屋で
温めたワインを飲んだことを思い出しました。





(1/06)

パンドラに持たせてみたい破魔矢かな  俊文

ギリシャ神話の逸話に破魔矢の取り合わせ、お見事です。
河野 俊文 北野 和良 さん、特選ありがとうございます。
近年の災い多い世界で市井の人々が平和に暮らせますように、
との思いでこの句を作りました。励みになります。



(並選)

静寂をやぶる鈴の音初神楽   玉有良

厳かで神々しい初神楽、涼やかな鈴の音が聞こえました。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます



ジャンケンで孫と分け合う福袋   幸

ジャンケンで、和やかなご家族ですね。
Sachiko Yokoi Hayashi 北野 和良 様、ありがとうございます!
孫娘とディズニーの福袋の争奪戦! 譲って貰う年になりました



真白から始める一歩冬木立  虹色 夢

新年の決意。季語の斡旋が素晴らしいです。
虹色 夢 北野さん、ありがとうございます!
本当に久し振りにふっと浮かんだ句、皆様の目にも止まらないと
思っていたので、ビックリです。嬉しいです、ありがとうございます!!!





(1/05)

辻立ちは平成生まれ五日かな   孝之

正月明けの街角に立つ平成生まれの若者。
どういう人物か、ひょっとしたら修行僧なのだろうかと想像が膨らむ一句。
原孝之 北野さん、こんにちは。特選と鑑賞有難うごさいます!
4月に市会議員選挙があるようです。昨晩、平成元年生まれを連呼する
候補者が辻立ちしてました!29才と叫んでましたから、
もうすぐ誕生日なのでしょう!時代の移り変わりを感じました。



(並選)

繪馬の誤字脱字に笑ふ初參り  祐

吊り下げられた絵馬には書いた人のプライバシーが垣間見える。
悪いかと思いながら覗き見すると誤字脱字発見!
 おいおい、こんなことでは願いは叶わぬぞ。
牧内 登志雄 原さん、北野さん、小林さん、ありがとうございます。
なかにはこんな受験生も。「××大学合格目先します!」の結末が案じられます。



大黒天より始めたる福詣   正則

私も七福神詣は大好きでたくさん巡りましたので共感の一句。
これは何処の七福神ですか?
野島 正則 北野 和良 さん、選をいただきありがとうございます。
写真は、上野の弁天池の大黒天です。



羊日や太極拳の顔なじみ  たけし

私も太極拳を習っているので共感の一句。あれは奥が深いです。
小林 たけし 北野 和良 さん ありがとうございます
 顔なじみがみな出てきていての安寧に安堵しました





(1/04)

しつけ糸シュッと引き抜く春着かな  沙羅

春着を縫い上げしつけ糸をシュッと引き抜く。
臨場感と仕上げたという充実感。
長井美佐子 北野 和良 さま。ありがとうございます! 
とても嬉しいです。どんな方が着てくださるか、想像しながら、
今年もたくさんお洋服を縫いたいと思います



(並選)

平成の御代を惜しめり参賀人  栄太郎

今年の一般参賀十五万人。皆さん陛下への感謝でいっぱいだったのでしょう。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
今上天皇は先の昭和天皇に引き継ぎ先の大戦の犠牲者を弔われており、
その後も自然災害の犠牲者、被災者も何度も視まわられ
いつも国民に寄り添って来られました。そのように象徴天皇としての
役割を自ら研鑽されて来ました。そのお優しい敬愛する天皇の
今年が最後の一般参賀でした。近くに居れば出掛け陛下への感謝を述べたいものでした。



餅間やカレーのクミン香り立ち  美音

お節料理にも飽きて、カレーが食べたくなった。クミンの香りがいいですね。



羊日や仕舞ふ有田の色絵皿   孝之

三が日も終わり大切な有田の皿を仕舞い込む。家宝でしょうか。
原孝之 北野さん、おはようございます。ご選句と鑑賞有難うごさいます!
一年に一回しか出てきません。母が有田の陶器市で買ったものがほとんどです。





(1/03)

千切れむと正月の凧うなるうなる   真波

風にひゅうひゅうと鳴るタコ糸。下が6音ですが
うなるのリフレインでリズムがいいですね。



(並選)

二日はや戀しくなりし茶漬かな  祐

贅沢なお節料理も二日にははや飽きて茶漬けが欲しくなる。良くわかります。
牧内 登志雄 北野さん、ありがとうございます。
餅にも飽きましたが、酒には飽きません。困ったものです。



掛け声のぶつかるラガー赤と黒   孝之

正月のテレビ中継。ユニフォームの色鮮やかに、激しい掛け声も聞こえました。
原孝之 北野さん、こんばんは。ご選句と鑑賞有難うございます。
天理大学は戦前の予想を覆して頑張りましたね!
関西の優勝は同志社大学にあるだけですね!天理大学は準優勝がありますね!
ラグビーは東高西低ですね。赤と黒から闘牛場のような雰囲気の試合でした!



初読みや鷹羽狩行の百句よむ  房子

句集の初読み。勉強熱心ですね。
熊谷房子 北野 和良 さんありがとうございます。
はい締め切りまでには投句したいと思います。
何時もお気遣いありがとうございます。今年も宜しくお願い致します。





(1/02)

獅子頭取れば金髪留学生  紀宣

外国人留学生が日本の文化に憧れて自ら体験する。
太鼓演奏、茶の湯などもそうですね。
つちたに jt 純一 北野さん、特選に選んで頂きありがとう御座います。
とても嬉しいです。また北野さんのおっしゃる通り、
留学生の日本文化を体験することが多くなっています。



(並選)

友に似た幼の笑ふ年賀状   夢見昼顔

親と子は似る、を証明していますね。
岩永静代 北野 和良 さま、ありがとうございます。孫になりますけど



自我芽生え嬰の初泣初笑   征一

幼子の笑顔、泣き顔、なんでも愛しいですね。
今村征一 北野さん御選句有難う御座います。



一列に坐して待つ子らお年玉   玉有良

行儀よく並んで自分の番を待つ子どもたちの姿が目に浮かびます。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます





(1/01)

去年今年繋ぐ言葉はただ感謝   満徳

新しい年を迎えて平安に生かされていることを天地万物に感謝する。
そんな気持ちを失った人が多すぎます。
永田 満徳 選んで頂きありがとうございます。
人との繋がりは全く助けて頂いていることへの感謝のみですね。



(並選)

万象の中の私も初日浴ぶ  美音

初日を浴び、自分も万物の中の一つだということを改めて自覚する。



無垢に生(あ)れ煩悩に死す去年今年  栄太郎

人の一生を季語に託した時間軸の大きな句。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
人は所詮純粋のままでは生きられず、煩悩多きまま死ぬようです。
それが人というものと達観すれば、ひとの事を怒りもせず自身も気が楽になります。



生あらばこその老いらく初雀  たけし

老いを感じる歳になってもまだ好奇心に満ちている。まるで小雀のように。
小林 たけし 北野 和良 さん ありがとうございます
 今年もよろしくお願いいたします