俳句鑑賞文(復刻版)    2018 October       0 トップへ   

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(10/31)

十月桜手折り茶室の灯とし   幸

十月桜は春の桜ほど華やかではないが、可憐な趣がある。
それを茶室に飾り、灯りとしの措辞が素晴らしい。
Sachiko Yokoi Hayashi 北野 和良 様
特選にお選び下さいましてありがとうございます!精進いたします。



(並選)

行く秋や路面に残るけんけんぱ  俊彦

子供が地面に描いたけんけんぱの丸印。子どもたちの笑い声が聞こえます。
鎌田 俊彦 北野 和良 さん、ありがとうございます。



入試さへ男女格差やそぞろ寒   真波

某医科大学の不祥事、許せませんね。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます。
日本はまだまだですね。男女問わず旧い意識が根強いです。
先進国とは言い難い出来事です。



手に胡桃二つ鳴らして行く老女   孝之

二個の胡桃を手で握り、転がして手の運動に。運動機能維持に熱心な老婦人。
原孝之 北野さん、こんばんは。今朝、胡桃を手に二個持ち、
音を鳴らす老女に出会いました。右手に麻痺があるのだろうと思いました。
直ぐそばで見たので、その音が鮮明でした。何事も訓練ですよね!





(10/30)

池の面に秋空ありぬ天龍寺  栄太郎

天龍寺の池の水面に秋空が映えている。紅葉も映り込んでいるだろう。
まるで一幅の画を見るようだ。
桑本 栄太郎 北野さん、永田先生・・・大変有難う御座います!!。
天龍寺の本道の前には大きな池があり、沢山の観光客が坐って池の面を眺めて居ます。
後ろの山並みと青空が映り込み、素晴らしい眺めです。



(並選)

をちこちに進む保護主義そぞろ寒  美音

世界中に危険な雰囲気が漂い始めていますね。
向瀬美音 ありがとうございます!



秋の夜の女の背ナのまろきかな  正則

秋の夜、バーの隣席の女性をそれとなく観察する。
とても好きな雰囲気の句です。



維茂の気色で奥へ紅葉狩   孝之

余五将軍とも呼ばれた平維茂、能の演目『紅葉狩』にもなった
故事を踏まえての句と読ませてもらった。
原孝之 北野さん、こんばんは。ご選句と鑑賞有難うございます。
紅葉狩と云えば能の演目が浮かびます。母に手習いを受けていて、
紅葉狩も少し謡いました。中学生の時でした。
時雨をいそぐ紅葉、時雨をいそぐ紅葉狩、深き山路を訪ねん」で始まります。
北野 和良 原さん、こんばんは。私の母も謡をやっていましたが、
不肖の私は継ぐことが出来ませんでした(涙)
原孝之 北野さん、今からでも遅くありませんよ!
今やられたら、俳句にもたいへんプラスになるかもしれません。
歴史の勉強になるかと思います!





(10/29)

奧多摩を墨繪としたる山の霧  祐

奥多摩の風景が目に浮かびます。
(奥多摩を舞台とした駐在ドラマが始まり楽しんでいます)
牧内 登志雄 北野さん、特選ありがとうございます。
奥多摩にはバイクでずいぶん通いました。先日、友人が奥多摩ツーリングの時に
撮った山間に沈む霧の写真がありました。まさに墨絵のような美しさでした。



(並選)

母の手に揉まれて甘し青蜜柑   真波

蜜柑を一つ手に取り愛しそうに掌で揉んでから頂くと甘くなる?
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます。
真偽は定かではありませんが、酸っぱい蜜柑を揉むと甘くなる、
と、聞き及んでいます。科学的にどうなのでしょうね?



古寺や墓碑に寄りそふ石蕗の花  風香

古寺の墓所に咲き誇る石蕗の花が見えるようです。
Fuuka Nishimura 北野 和良 さま、有難うございます。



煌めきの連鎖反応石蕗の花   孝之

たくさんの石蕗の花が並んで咲いているようす、
連鎖反応の措辞が少し硬いが言い得て妙だ。
原孝之 北野さん、おはようございます。ご選句と鑑賞有難うございます。
仰るように連鎖反応は化学用語でカチカチに硬い言葉ですね!(笑)
他に言い換えできないものか?考えましたが、思いつきませんでした。
グーグル検索で、「連鎖反応」「同義語」と入れて検索してみました。
よい言葉は見つかりませんでした!





(10/28)

嵯峨野路や木洩れ日深き竹の春  栄太郎

嵯峨野路の静かな秋の景色が眼に浮かびました。
桑本 栄太郎 北野さん、川崎さん、並選を頂き対大変有難う御座います!。
森閑としたと竹林深くに注いでいました。



(並選)

冷まじや海石(いくり)呑みこむ波がしら   征一

北陸の日本海の波は厳しい。海石(いくり)という言葉を勉強しました。
今村征一 北野さん御選句と鑑賞有難う御座います。



今に継ぐ弥生の米や豊の秋  無智

全国でブランド米の開発が盛んだが、ルーツを辿ると弥生米に行き着く。
福井 栄一郎 北野 さん、選んでいただき有難うございます。嬉しいです。



黄落や立ち疲れたるマリア像   直美

物寂しい黄落の時期。中七の意外感にドッキリです。
高井 直美 北野さん、おはようございます。
選を頂きありがとうございます。ドッキリして頂いて嬉しいです(^^)!
どうぞ良い一日を。





(10/27)

藤の実の弾け跳び散る明日へと   幸

下五の措辞から飛び散る藤の実にも希望があると気持ちが明るくなる。
Sachiko Yokoi Hayashi 北野 和良 様
特選にお選び下さいましてありがとうございます^._.^
年と共に愛おしく感じる心が増えて参ります。



(並選)

一文字を一行を追ふ夜長かな  祐

何の本だろうか、或いは句集なのか。
牧内 登志雄 北野さん、ありがとうございます。
先日「寺山修司展」に行って、高校時代に読んで感動した戯曲
「血は立ったまま眠っている」を再読しています。



満ちてゐて秋を愁ふといふ不思議  征一

実りの秋というのになぜか寂しさを覚える人の気持ちの複雑さ。
今村征一 北野さん御選句と鑑賞有難う御座いました。



黄落や暫し引力見失う   直美

銀杏の落ち葉が風に舞っている。落ちるかと思えば
舞い上がり、引力が消えたように。
高井 直美 北野さん、選を頂きありがとうございます。
深くお気持ちを寄せて頂いてとても嬉しいです(^^)!
どうぞ良い一日を。





(10/26)

色付かぬ葉のはらはらと秋惜しむ   真波

何の木か知らぬが、紅葉とならず青いまま散っていく、秋の寂しさを感じる景だ。
石井 真奈美 北野さん、特選にお選びいただきありがとうございます。
今年は庭の唐楓が紅葉せずに散る葉もあり、なんか変だなぁと
怪訝な気持ちで眺めています。弱ってしまったかも。



(並選)

櫨の実や赤より黒へ深み行く  直

櫨の実を細かく観察された写生句。下五がいいですね。
大津留 直 北野 和良 さん、ありがとうございます。嬉しく存じます。



相輪の影くっきりと後の月   玉有良

どこのお寺の塔だろうか。明るい月と影との対比が良い。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます。
これは京都東山の八坂の塔です。



蕎麦の実の黒光りして豊の秋   寛昭

今年の蕎麦は豊作のようだ。早く新蕎麦を食べたいものだ。
古閑 寛昭 北野さん、ありがとうございます。





(10/25)

風の色確かに変わり冬近し   夢積

冬の足音が聞こえてきましたね。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます、特選嬉しいです。



(並選)

大楠に陣取る鵙の高音かな   孝之

大楠の大きな景から鵙に焦点が絞られる、見事な描写です。
原孝之 北野さん、おはようございます。ご選句と鑑賞有難うございます。
キャンパスの隣の家にある大楠で鵙が鳴いております。



櫨紅葉ゴッホの色を散らしけり  祐

ゴッホの色という措辞がが素敵です。
牧内 登志雄 北野さん、並選ありがとうございます。



ひよんの笛未知の音色と未知のひと  美音

ヒョンの笛、聴いてみたいです。





(10/24)

熊の架沢へと下るつづら折   草民

珍しい季語を勉強させてもらいました。
熊の架(くまのたな)】:晩秋の生類季語で「熊の栗棚」「栗棚」などとも。
冬眠に備え熊が樹に上って実を食べ、その枝を尻の下に敷いた跡が棚のように
見えるところから出た呼称。単独の「熊」は三冬の季語。
山野辺 茂 北野さん、特選ありがとうございます



(並選)

秋風や糸のきらめく竿の先  栄太郎

秋風に竿先の糸がキラキラと光る。
今日変えてみた餌は良く食ってくれるだろうか。
桑本 栄太郎 美音さん、北野さん・・・大変有難う御座います!?。
桂川の湾処(わんど)の釣り人の光景です。暖かい秋の日射しにのんびりとした
光景でした。釣り糸が秋の日射しに煌いて居ました。



燃え始む陽当たりの良き唐楓   孝之

日当たりがよく昼と夜の気温差が大きい場所の木ほど早く紅葉が始まる。
見事に色づいてきたなぁ。
原孝之 北野さん、こんばんは。ご選句と鑑賞有難うございます。
福岡市城南区の城南学園通りですが、陽当たりの良い唐楓から見事に
紅葉し始めております。唐楓はイロハモミジよりも紅葉が早いようです。



朝霧やいつもの人の靴の音   真波

足音で個人を識別する・・・科捜研の世界ですね。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます。
北野さんもきっと、無意識に聞き分けていると思いますよ^ ^





(10/23)

秋祭り少女の法被眞新し  祐

待ちに待った秋祭、真新しい法被を着て勇んでいる
可愛らしい少女が見えます。
牧内 登志雄 北野さん、特選ありがとうございます。
法被を着てきりりとした姿は頼もしく見えますね。



(並選)

一合をゆるり分け合う後の月   玉有良

一合の酒を分け合いながら、しみじみと語り合う秋の宵。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます



霜降や書きたき読みたきこと多し   公彦

秋の夜長、溜まっていることを片付けなくては・・・


幾たびも読み返す行銀杏散る  美音

HAIKUの編集、ご苦労さまです。
向瀬美音 小林さん、果連さん、北野さん、ありがとうございます!





(10/22)

星月夜ソロキャンパーの熾火はぜ   玉有良

単独行のキャンピング。焚き火に当たりながら空を見上げると満天の星。
早く一緒にテントに泊まる人を見つけたい。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます。
以前テレビでキャンプの特集をしていた時に雛型ができました。
ソロキャンパーにとって、キャンプの魅力とは?全員いわく「焚き火」だそうです。
ワイワイと過ごすのもいいけど、1人ならではの楽しみもあるのですね〜



(並選)

後の月親にそむきし事多し   夢積

思い返せばよく親に反抗していたなあ。


伐採の目印ありて秋惜しむ  栄太郎

森の中かはたまた街路樹だろうか。
整理のために伐採の印がついた。可哀相な気もするが、全体のためだ。
桑本 栄太郎 北野さん、永田先生、石井さん・・・大変有難う御座います!?。
実は小生の住まいの団地の庭木なのです。紅葉が始まっている最中なのですが、
大きくなりすぎて通行の邪魔になるもの、過日の台風で枝が傷ついたものなどに
管理会社の伐採の目印の白いテープが貼られています。
春には若葉の緑、夏には蝉しぐれと親しんだ樹木を想えば、大変寂しく思います。



先棒は白髮五分刈り秋祭  祐

神輿の先棒を担ぐ初老の男。まだまだ元気だと張り切っている。
牧内 登志雄 北野さん、並選ありがとうございます。
先日の寶田恵比壽神社(べったら市)の神輿を見ていたら、
先棒の上に乗って拍子木を一本打ってから練りだすんですね。
こういうやり方があるのを初めて知りました。





(10/21)

串刺しの焼き銀杏と能登の酒   草民

ほろ苦い焼き銀杏を当てに能登の酒!
能登には、 遊穂 、 菊姫、 宗玄 など銘酒が揃っているようだ。
山野辺 茂 北野さん、ありがとうございます。
能登自慢も美味しいですよ。



(並選)

銀杏を避けて跳ねゆく女下駄  祐

銀杏の実を踏むと臭い。踏まないようにと避けて歩く女性。
登志雄 北野さん、ありがとうございます。
女性はみんな足早に通り抜けてゆきますね。



刃紋浮く包丁研ぎし十三夜   正則

刃紋があるとは随分と高級な包丁らしい。切れ味もさぞかし。
野島 正則 北野 和良 さん、ありがとうございます。
はがねの包丁は少なくなりましたね。



散り際をただ見て欲しく秋薔薇   直美

花の色は移りなけりないたずらに・・・せめて見事に散ってみせよう。
高井 直美 北野さん、ご選句頂き、ありがとうございます。
とても嬉しいです(*^^*)どうぞ良い一日を。





(10/20)

味噌甕にたわわの菊や山の宿   寛昭

山の宿に泊まったら玄関におもてなしに味噌甕に活けた菊の花。
嬉しい心遣いに気持ちもほっこりする。
古閑 寛昭 北野さん、特選に選んで頂きありがとうございます。



(並選)

宮跡のイベントあまた山装ふ  無智

宮跡のイベント、どんな宮跡なのか、どんなイベントかと想像が膨らむ。
当地にも平沢官衙(カンガ)遺跡がありコンサートを聴きに行ったことがあります。
福井 栄一郎 北野さん、選んでいただき有難うございます。嬉しいです。



色鬼や青を探して末枯野   真波

色鬼とは鬼ごっこの一種らしい。子どもたちの走り回る声が聞こえてくるようです。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます。
鬼の言った色を見つけられないと大変です^ ^



秋晴れ間満艦飾のバルコニー   幸

主婦にとって晴れ間は大事。今日は洗濯日和、さあ張り切って竿いっぱいに。
Sachiko Yokoi Hayashi 北野 和良 様 バルコニーはえらいことになりました。





(10/19)

耶馬渓や真つ逆さまに落つ紅葉   孝之

耶馬渓は行ったことがないが、深い渓谷と山壁を彩る紅葉の景が
目に浮かびました。
原孝之 北野さん、こんばんは。ご選句と鑑賞有難うございます。
私も一度しか行ったことありません。しかも、駆け足での耶馬渓でした。
紅葉シーズンはたいへんな渋滞になります。
同僚が朝一で行くと混まないとのことでした。



(並選)


忽然と湧くジェラシーや赤蜻蛉   夢積

自由気ままに飛ぶ赤とんぼ、地上の柵に縛られた我が身と比べ
ついついジェラシーが湧く。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



沈みゆく秋日もろごと地網引く  征一

夕刻の地引き網漁。秋日もろごとの措辞がお見事です。
今村征一 北野さん永田さん真奈美さん御選句有難う御座います。



陸橋の手の届くかに銀杏の実  栄太郎

陸橋から下を見下ろし手を伸ばせば手に取れるような色づいた銀杏の実が。
桑本 栄太郎 北野さん、原さん・・・大変有難う御座います!!。
阪急京都線の桂駅の西口にはバスターミナルがあり陸橋を渡って
バス乗り場に行きます。陸橋の手すりのすれすれに銀杏の木があり、
手をの伸ばせば銀杏が採れる程の近さです。





(10/18)

箸を止め秋の神戸の夜景かな  風香

食事会でホテルのレストランの窓から百万ドルの夜景に見入る。
あまりの豪華さに思わず箸も止まる・・・・・
Fuuka Nishimura 北野 和良 さま。わーぁァ 嬉しいです 
特選にお選び頂き有り難うございます(*^^*)独りで幹事で…。
俳句は諦めてました。



(並選)


秋の声蓑虫庵の縁に座す   夢積

芭蕉翁も使っていて保存されている蓑虫庵。
秋風に吹かれながらはるかな芭蕉翁に思いを辿る。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



櫨染の祖母の帯締十三夜   秋子

お祖母さまの形見の櫨染の帯締。十三夜がよく合っています。
Akiko Eguchi 和良さん、ありがとうございます
祖母の持ち物は今の時代には無いようなこっくりとした色あいの
ものがあります。祖母の生きた時代におもいを馳せております



椎の実の帽子被って澄まし顔   幸

椎の実の帽子、確かにあすまし顔に見えますね。
Sachiko Yokoi Hayashi 北野 和良 様わぁ!ありがとうございます^._.^
煽てに乗りやすいタイプ!褒められると伸びるタイプ!頑張ります





(10/17)

燈臺も一網打盡鰯引く  祐

秋の浜の豪快な地引き網漁だろう。燈台もが愉快。
牧内 登志雄 北野さん、特選ありがとうございます。とても励みになります。



(並選)

誤作動の火災報知器そぞろ寒   孝之

ご動作されたら大混乱。
原孝之 北野さん、こんにちは。ご選句と鑑賞有難うございます。
大きな声で火事です!とアナウンスするようになっています。



来し方の記憶をたどる暮秋かな   征一

秋のしみじみとした心境。
今村征一 北野さん御選句有難う御座います。



秋深しインパチェンスの赤深し   真波

真っ赤に紅葉したインパチェンス。深しのリフレインが効いている。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます。
そろそろインパチェンスも終わりです^ ^





(10/16)

濃淡の稜線重ね秋の阿蘇  美音

阿蘇山塊の大きな景。濃淡の稜線が効いていますね。
向瀬美音 ありがとうございます北野さん!!始まりは二人の旅路肥後の秋



(並選)

原宿にクレープ片手小鳥来る   寛昭

原宿は若者の街。クレープ片手に実感がこもっています。
古閑 寛昭 北野さん、ありがとうございます。



鳥越ゆる初冠雪をかるがると   真波

富士山の初冠雪のニュース。渡り鳥は名残を惜しんでいるのでしょう。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます



ゆく雲の影走りをり刈田晴れ  栄太郎

苅田に流れる雲の影が。よく晴れた日の薄い雲でしょうか。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います?
よく晴れていても、空にぽっかり浮かぶ雲の影が走っています。
そのたびに刈田の風情が変っています。





(10/15)

太刀魚の月の海切る刃かな   真波

月光に照らされた海面を太刀魚が跳ねる。中七がとても良い。
石井 真奈美 北野さん、特選にお選びいただきありがとうございます?。
目当ては違ったのですが、夜釣りで長く光るのがビヨヨンとすごい勢いで
跳ねたのを見ました。感動的でした。ボラよりずっと力強く跳ねていました。
釣りをする人達は、剣の舞、というらしいです。



(並選)

木犀の匂ふ筑紫の官家跡   孝之

官家跡は古代遺跡のことだろう。在りし日の営みが偲ばれる。
原孝之 北野さん、こんばんは。ご選句と鑑賞有難うございます。
本日、福岡市南区三宅を通りながら、金木犀の多いことに気づきました。
この土地の大地主一家の邸宅が建ち並んでいます。
三宅の語源から古代へタイムスリップしてみました。
原孝之 北野さん、仰る通り、官家跡の遺跡がなくては
いけないようですね。まだ、発見されていないようです。



口笛に応ふ口笛小鳥くる  征一

子どもたちが上手に口笛を吹きあっている。
今村征一 永田さん北野さん野島さん篠木さん御選句有難う御座います。



来ぬ人を待ちて装ふ藤袴   幸

悲恋の匂いがします。
Sachiko Yokoi Hayashi 北野 和良 様
へたっぴな句をお選び下さいましてありがとうございます





(10/14)

我儘を尽くした果ての割れ柘榴   蝦蟇6

割れ柘榴 、確かにやぶれかぶれのように見えます。
広川 雅人 あれあれ、北野さんから特選とは! たまにしか投句しない
不真面目投句者なのに、とても嬉しいです。ありがとうございます。



(並選)

先頭の初心者マーク天高し   わえ

のろのろの渋滞、先頭には初心者マークの慎重な車が。
片山和恵 北野 和良 さん あったり〜♪
くみ取っていただきありがとうございます。
ついイライラしますが、ふと空を見上げると晴天の秋晴れ。
まぁー人生そんなに急いで何処へ行く。一日は長い。
自然は大きい。焦らずのんびりと行きましょう!
そんな心境です。



暁闇にたしかな吐息濃竜胆  たけし

濃竜胆が怪しくも艶な雰囲気を演出していますね。
小林 たけし 北野 和良 さん ありがとうございます。朝まだきの
露をふくんだ濃竜胆はなんとも艶やかで、小さな息づかいを感じました



行く川の流れの音や暮の秋 亜仁子

忠臣蔵大高源吾と室井其角の
年の瀬や川の流れと人の身は あした待たるるその宝船
川の流れには寂しさも在り、希望も見えますね。
Aniko Papp 皆さん、特選に選んでいただき、
素晴らしいご鑑賞、ありがとうございます。とても嬉しいですね。





(10/13

松虫や庭の手入れをしばしやめ   正則

仕事熱心な庭師も松虫の音にふと手を止めて聞き惚れる。秋の風情ですね。
野島 正則 北野 和良 さん、特選いただきありがとうございます。



(並選)

初霜と神住む阿蘇よりの報せ   寛昭

阿蘇の初霜、この間の暑さがまるで嘘のよう。
古閑 寛昭 北野さん、ありがとうございます。



栗御飯婆ちゃん任せの塩加減  紀宣

婆ちゃん任せが面白いですね。そろそろコツを伝授してもらわねば。
つちたに jt 純一 北野さん、並選に選んで頂きありがとうございます。
また素晴らしい感想ありがとうございます。嬉しいです。



木犀の香に目を細む地蔵さま   孝之

木犀の香りと地蔵様の取り合わせが素晴らしい。
原孝之 北野さん、こんばんは。ご選句と鑑賞有難うございます。
最初は狛犬にしていましたが、お地蔵さまの目を細めている方が合うかな?
と思いました。





(10/12)

おばちゃんの止まぬ饒舌柘榴の実  俊彦

今日は柘榴の実の句が数句あったが、鎌田さんのこの句を頂いた。
大口を開いておしゃべりのおばさんのユーモア感。
鎌田 俊彦 北野 和良さん、特選いただきありがとうございます。
大阪のおばちゃんと弾けた柘榴の実が重なりまして。



(並選)

藤袴着て舞ひ始む白拍子  孝之

咲き誇る藤袴の向こうに白拍子の舞を見たという幻想。
原孝之 北野さん、おはようございます。ご選句と鑑賞有難うございます。
やっと白拍子が舞い始めました。藤袴は晩秋の花でしょうか?



隈どりに仕上げの一朱菊人形  たけし

菊人形師の技の冴え。
小林 たけし 北野 和良 さん ありがとうございます
 石川五右衛門でした(笑)  真っ白な顔に朱色の隈どり、香る菊の香、
日本はなんといっても平和なうちにあるようです



風の手に撒かれたやうに稲雀   千秋

稲雀が飛び交う様。風の手に撒かれた、の措辞が面白い。
中野千秋 和良さん、ありがとうございます





(10/11)

里人の想ひは知らず山装ふ   果連

里人の想ひ、にいろいろと想像が浮かぶ。
過疎の悩みか、或いは風水害による収穫減なのか。
それでも山はいつものように秋の装いを見せている。
川崎 果連 北野 さん、ありがとうございます。励みになります。^_^ 果連



(並選)

あらばしり小鹿田焼の飛び鉋   公彦

飛び鉋とは大分県日田市に伝わる伝統の技のようだ。
銘品で飲む新酒は格別の味だろう。



くろがねの葡萄の光り蛇笏の忌  美音

上五のくろがねは巨峰のことだろう。山梨県人蛇骨を思い出す。





(10/10)

二番穂はおらがものだと稲雀   真波

稲刈りの終わった田の二番穂。おらがものとの措辞に可笑しみがある。
石井 真奈美 北野さん、特選にお選びいただきありがとうございます。
二番目なら雀も追われることなく自由にしてられて、嬉しそうです^ ^



(並選)

黄金の左を遺し秋北斗  双葉

輪島関への追悼句。
新名勝之 ありがとうございます。
追悼句なので対象者を明確化することは意識しましたが、
季語を何にするかを一番悩みました。故人は派手なイメージがあったので、
星の中でも一番目立つ「秋北斗」を起用しました。



ハロウィンの句会に魔女が二、三人   千秋

先日の句会でも魔女? が数人おられました。
中野千秋 北野 和良 さん
俳人のなかには結構魔女がいるかもです。



端正な気に 溢れるや白の萩   典子

清楚な白萩が思い浮かびます。
菅 典子 北野和良さん ご選句ありがとうございます。うれしいです。





(10/09)

夜の寺灯の明々と紅葉狩   風香

近頃は庭園も寺院もライトアップが大流行。
夜の紅葉も風情がありますね。
Fuuka Nishimura 北野 和良 さま。特選に…。
有り難うございます(*^^*)励みに致します。m(__)m



(並選)

はらからの土産は唐津秋の草   真波

土産にもらった唐津焼。秋草の絵付けが美しい。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます。
素敵な湯のみをいただきました^_^



遊歩道妖しく匂ふ金木犀   夢積

金木犀は遠くから匂い怪しく誘いかけるようだ。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



秋祭仕舞ひて酒の沁みわたり  祐

秋祭が終わり、打ち上げの酒に酔いしれると疲れも吹っ飛ぶようだ。
牧内 登志雄 北野さん、並選ありがとうございます。
心地よい疲れを酒が労ってくれますね。そろそろ若い人たち
(といっても50、60代)に代わってもらわないと…。





(10/08)

理由無き反抗の子や七竈   真波

昔「理由なき反抗」という青春映画があった。
ジェームス・ディーンとナタリー・ウッド。
世俗にまみれた大人に反抗する若者。
自分もその年代で胸を熱くして見たものでした。
石井 真奈美北野さん、特選にお選びいただきありがとうございます。
ジェームズ・ディーンの代表作ですね、衝撃的でした。
我が家の娘も、いま真っ盛りです。



(並選)

あかべこの首振るごとに律の風  浩正

あかべこの人形が風につられて首を振る。のどかな懐かしい景です。
藤倉浩正 北野 和良 さん。ありがとうございます。嬉しいです。



里山に探す花材や秋半ば  千秋

野の花を活けようと里山に探しに出る。素敵な趣味をお持ちですね。
中野千秋 北野 和良 さん、ありがとうございます。



花札も恋も不器用秋簾  美遥

賭け事も女も苦手。でも酒を呑むなら負けないぞ。
Biyou Utashiro 北野 和良 さん、ありがとうございます
気合い入れないとね〜〜(*⌒▽⌒*)呑めないから、騒ぐだけ(笑)(笑)





(10/07)

影もまた秋を彩るものとして   征一

秋を彩る主役は紅葉や木の実、だが主役を引き立たせるのは影だという深い洞察。
今村征一 北野さん永田さん御選句並びに鑑賞有難う御座います。



(並選)

秋高し根岸の里の狭庭にも   公彦

根岸の里は俳人の心の故里。



蔦漆 紅葉の帶を延ばしをり   風香

中七に惹かれました。ただ、蔦(漆)も秋の季語だとの解釈もあり得るし、
蔦紅葉という傍題もあるので
蔦紅葉錦の帯を延ばしをり〉の方がすっきりすると思いました。
Fuuka Nishimura 北野 和良 さま、並選にお選び頂き有り難うございます。
蔦漆の件、蔦紅葉、とも考えましたが朱の色を言いたかったので…。推敲してみます。



穴あきの彩の五色や柿紅葉  栄太郎

虫食いの柿紅葉の葉っぱにも風情がある。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
美しい柿紅葉が至る所で見かけられるようになりました。よく見れば、
赤橙黄緑青などの色もあって、その上虫食いの穴まであります。
自然界の織り成す芸術にはお手上げとも思えます。





(10/06)

頤を秋天に刺し缶コーヒー  玉有良

中七の措辞の意外性に一票。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます



(並選)

台風裡金属音のをちこちに   孝之
看板が風に飛ばされたのでしょうか。
原孝之 北野さん、おはようございます。ご選句有難うございます。
台風25号の福岡市での瞬間最大風速は30メートルを超えました。
寝ていると、近所のいろんな金属音が聞こえてきました。
自転車の倒れる音?空き缶の音?久しぶりの大風でした。



不器用に牝鹿求めて声哀し  夢積

鹿も恋の季節。



音信の途絶えし友や秋夕焼  果連

旧友の音信が途絶える、淋しい秋です。
川崎 果連 北野さん、ありがとうございます。うれしいです。^_^ 果連





(10/05)

鶏頭を活けて定まる真中かな   直美

生花の中央にどっしりと鶏頭花を置き形が定まる姿が目に見えるようです。
高井 直美 北野さん、特選を頂きありがとうございます。
素敵なご選評、とても嬉しいです??どうぞ良い一日を!



(並選)

旅の宿火のちょろちょろと朴葉味噌   風香

美味しそうな朴葉焼きの匂いが漂ってきました。
Fuuka Nishimura 北野 和良 さま。有り難うございます(*^^*)



ぐづぐづの始まりし山寺の柿  美遥

山寺の完熟の柿。早く食べないと烏が・・・・



鬼やんま現場百度の刑事かな   果連

現場百ぺんは刑事ドラマの常套句ですが、その心意気が鬼ヤンマとぴったりです。
川崎 果連 北野 さん、ありがとうございます。光栄です。^_^ 果連





(10/04)

鯖雲の空の飛石渡るべし   句林

鯖雲を飛び石に見立てて渡ってみたいという壮大な空想。
大林 正 北野 和良 さま ありがとうございます。



(並選)

少年の空っぽの魚籠鯊日和   夢積

今日はあいにく釣果なし。すごすごと帰る少年。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



里山の湧水の音山葡萄   真波

静かな里山にチロチロと湧水の音。見上げると山葡萄が・・・
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます。身近な場所に、
はっきり見た事ないのですが、小さな滝になっているとのことです。



女湯の窓に白萩乱れたる   風香

作者は女湯の中から窓の外の白萩を眺めている。
白萩に憑依して覗いてみたいものだ(笑)
Fuuka Nishimura 北野 和良 さま
並選にお選び頂きありがとうございます(*^^*)
まぁ??ご冗談を(⌒‐⌒)まるで雪景色のようでした。\(^-^)/





(10/03)

木犀や去年のこの日の香に出会ふ    満徳

年年歳歳花相似たりですね。しかしこの香りを共に楽しんだ人はもう居ない。
永田 満徳 選んで頂きありがとうございます。
しかも、作者の句意を的確に汲み取って頂きました。今後とも精進します。



(並選)

十三夜お国訛りの叱り声  美音

お国訛りで決まり。
向瀬美音 さて、何が起こったのでしょう??



後朝の路地ゆく朝や草の露  栄太郎

ムードいっぱいですね。
桑本 栄太郎 SachikoYokoiHayashiさん、北野さん、原さん・・・
お選び頂き、大変有難う御座います!!。後朝の朝を迎える事は、
男性であれば適わぬながらも誰でも願う事ですね!!。
朝露がきらめく光景が心地良いだろな?と思います。



紫をひとつ落として新豆腐   祐

こだわりのお豆腐屋さんで買った逸品。
牧内 登志雄 北野さん、原さん、野島さん、選をいただきありがとうございます。
励みになります。若い頃に「初めの一口はそのまま食べて」と言われたことがあります。
大豆の匂いが新鮮ですね。





(10/02)

豊の秋地蔵の頭巾新まる  たけし

稲刈りを終え今年の豊作を野地蔵に感謝し、新しい頭巾を奉る。
大切にしたい田園風景ですね。
小林 たけし 北野 和良 さん ありがとうございます。 朝歩で発見の実景です



(並選)

鈴虫や祖母の茶箱に春画あり   秋子

昔は嫁入り道具の一つに春画を潜ませたそうですね。
Akiko Eguchi 和良さん、ありがとうございます。
祖母の着物の整理をしてましたら、ひらりと出てきました。
明治の頃のものと思われます。絵の殿方が学帽を被っているのがあり‥
やはり明治の祖母のお嫁入り道具だったのだな。と



逢ひ得たる会ひたき人に百舌鳥来鳴く  征一

会いたい人に会えた喜び。季語が効いています。
今村征一 北野さん御選句と鑑賞有難う御座います。



途切れなく手を振る尾花ハイウェイ   孝之
尾花の擬人化、手を振るが面白い。
原孝之 北野さん、こんばんは。ご選句と鑑賞有難うございます。
本日、飯塚市まで学生の保健所実習の挨拶に出かけました。高速道路の脇に
芒が手を振って安全運転をと励ましてくれておりました。





(10/01)

梨を剥く梨を柿だといふ人に   真波

とても悲しさを感じる句です。
石井 真奈美 北野さん、特選にお選びいただきありがとうございます。
これから別の症状が出てくるでしょうが、鬼婆のようになり誰構わず暴力を
振るった頃に比べたら、今は穏やかでありがたいです。
ケアマネさん筆頭に皆さんのお力添えで何とかここまでこぎつけました。



(並選)

朽ち舟の残れる浜や海猫帰る  俊彦

傷ついた海猫は朽ち舟と一緒に浜に残る・・・
鎌田 俊彦 北野 和良 さん、ありがとうございます。



紫蘇の実をしごく指先香で染まり  典子

下五がとてもいいです。
菅 典子 北野 和良 さん。ありがとうございます。



会ふ度に綺麗になる娘衣被   直美

二十歳前後の娘さんは全くその通り。季語の斡旋が素晴らしい。
高井 直美 北野さん、ありがとうございます












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