俳句鑑賞文(復刻版)    2018 May        トップへ   




(5/31)

葉桜を落とす鴉の八つ当たり   孝之

鴉が八つ当たりをしているという見立てが面白い。
原孝之 北野さん、こんばんは。特選とご鑑賞有難うございます。
昨日、キャンパスの葉桜が枝ごとたくさん落ちていました。
鳥が桜の実を食べに来て落としたのだろうと思っていました。
本日、掃除する皆さんに尋ねると昨日、鴉がたくさん桜の実を食べに
来ていたようです。昨日は、鴉がけたたましく鳴いていました。
それを八つ当たりにしてみました。



(並選)

紫陽花の色を数へて回り道   典子

紫陽花は色形がたくさんあって見飽きませんね。
菅 典子 北野 和良 さん、ありがとうございます。
この梅雨の時期、歩いていても、また、車中からも楽しませてくれる花ですね。



ドゥカティの攻める峠や夏の雲   真波

ドゥカティはイタリアのオートバイのことと知った。
高原を走ると楽しいでしょうね。
石井 真奈美 北野さん、ありがとうございます。
オンでもオフでも、山道は楽しいです^ ^
バイクと言えば、アメリカのハーレー、トライアンフ、ドイツのBMW。
日本では、このクラスならKawasaki、SUZUKI、でしょうか。



名を問へば正にその名よ美女柳   林子

まさにその通り。
鈴木 玉恵 北野 和良 さん、ありがとうごさいます。
名前を知った時の感動を思い出して詠みました。





(5/30)

列島が笠を被りて迎へ梅雨   林子

列島が笠、宇宙的な大きさに脱帽です。
鈴木 玉恵 北野 和良 さん。久しぶりの「特選」ありがとうございます。
5月は苦戦しました(>人<;)



(並選)

薫風や門出に鳴らす火打石   玉有良

時代劇では岡っ引きの親分が家を出るときに、
おかみさんが切り火をするのが定番ですが、
今でも舞妓さんの周辺には風習が残っているのでしょうか?
小出有紀 千秋さん、Shinogiさん、北野さん、野島さん、ありがとうございます。
襟替えは何度か見たことありますが、火打石を聞いたのは初めてな気がします。
二時間前から屋形の正面を陣取った甲斐があります



雨粒に小首傾げし額紫陽花   幸

小首を傾げ、が可愛らしいですね。
Sachiko Yokoi Hayashi 北野 和良 様、額紫陽花の控えめさが好きです。
お目に止めて戴きありがとうございます●┓



白牡丹闇を余白とつかい切る  たけし

闇に輝くような白牡丹、下五が新鮮です。
小林 たけし 北野 和良 さん ご選句ありがとうございます
 いつも勉強になります これからもよろしくお願いいたします





(5/29)

晶子忌や柔肌熱くほてりをり  栄太郎

与謝野晶子さんの《柔肌の熱き血潮に触れもみで・・》が下敷きですね。
明治時代にあの歌を詠んだ晶子の先進性に驚かざるを得ません。
桑本 栄太郎 北野 和良 さん・・・特選にお選び頂き、
嬉しいコメントも頂戴しまして大変有難う御座います。
明治の熱血女性歌人与謝野晶子の作品は皆好みです。
この「乱れ髪」所収の歌、そして「ああ君死にたまふことなかれ
などは特別好きです。文学作品によって当時でも難しい
「反戦」を詠うとは、現代女性で倣って欲しいものですね!!。



(並選)

初茄子の漬けて艶よき朝餉かな  夢積

茄子の糠漬け、食欲が進みます。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございました。



竹婦人乳のあたりの温しまま  祐

深読みするといろいろと妄想が湧いてきて止まりません。
牧内 登志雄 北野さん、並選ありがとうございます。妄想、いいですね。



復興は牛歩の如くさくらんぼ   真波

さくらんぼの季語の斡旋が新鮮です。
石井 真奈美 お選びくださいました皆様、ありがとうございます。
さくらんぼと言えば山形ですが、福島はフルーツの県、桃だけではなく、
さくらんぼも沢山栽培しております。
未だ風評被害に悩まされている農作物の象徴としての季語です。
少しでも前進しますように。





(5/28)

トトトトと雫梅雨入りのプレリュード   秋子

雨音は梅雨の前奏曲。とてもリズムの良い句だ。
昔流行った雨音はショパンの調べの曲を思い出す。
Akiko Eguchi 和良さん、ありがとうございます。とても嬉しいです。
雨樋に雨のしずくが落ちた時、前奏だな。と思いました。
雨音はショパンの調べ‥好きでした。懐かしいですね



(並選)

渋滞をせせら笑ふかなめくじり  紀宣

2020年東京五輪の渋滞が今から心配です。
つちたに jt 純一 北野さん、並選に選んで頂きありがとう御座います。
嬉しいです。まさしく北野さんのおっしゃる通り今から
東京オリンピックがいろいろ心配です。



風鈴の舌に技あり風の色  たけし

風鈴の舌に焦点を当ててお見事。
小林 たけし 北野 和良 さん 恐れ入ります 和さんの目に止とは 
光栄です励みになります ありがとうございます



枕絵や互いの汗を絡ませて   玉有良

読み方にもよるがとにかく艶なる句。大好きです。
小出有紀 大津留さん、北野さん、ありがとうございます





(5/27)

麦秋や火色うかがう登窯  無智

登窯の焼物は火の温度管理が命。
それを火色うかがうと措辞したところが素晴らしい。
福井 栄一郎 北野 和良 さん、特選に選んでいただき有難うございます。
嬉しいです。寝ずの番をするようですね。



(並選)

涼しさはきみがうなじを撫でる指   ゆ

何とも言えぬ艶っぽい句。大好きです。
田中悠貴 北野さん、石井さん、Kazunoriさん、
有難うございます\( ?o? )/♪



いなづまや比叡より暗雲の京  十河智

比叡山に黒い雲がかかり雷、稲妻が。大きな景ですね。
十河 トモ子 ありがとうございます。智



尖りたる冷酒に合はす香の物   正則

辛口の酒を尖りたると措辞したのが成功していますね。
野島 正則 北野 和良 さん、選、鑑賞、励みになります。
ありがとうございます。





(5/26)

尾を切って異界へ逃る石竜子(とかげ)かな   浩正

蜥蜴が尾を切って異界へ逃れるという空想が楽しい。
藤倉浩正 北野 和良 さん 特選なんて光栄です。
石竜子を見ているとあの色や艶はこの世のものではなく見えてきました。



(並選)

二升瓶果実を浮かべ走り梅雨  寛昭

そろそろ梅酒? 語順を替えて
走り梅雨果実の浮かぶ二升瓶〉もありかなと思いました。
古閑 寛昭 北野さん、ありがとうございます。
今日家内が梅酒を仕込みました



鈴蘭や風に応えるハーモニー   林子

鈴蘭の花が楽しそうに風に揺れ、其の音も聞こえてくるようです。
鈴木 玉恵 北野 和良 さん、ありがとうごさいます。
あの鈴の形が大好きです



青鷺の孤高貫く姿勢かな   玉有良

一羽だけのアオサギ、孤高の姿勢にも見えますね。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます。
群れている鷺、見て見たいですが





(5/25)

末っ子は金魚係りへ立候補  夢酔

小学生の子どもさんがクラスの金魚係へ立候補。素晴らしい。
室木 助樹 ありがとうございます。



(並選)

花氷そろそろ溶けてしまおうか  美音

下五には自分の意志が感じられますが、その時の状況から
意志とは無関係に身体が反応してしまうという表現の方が好きです。
桃熟れてもうすぐ叫ぶ叫んでしまう》(鎌倉佐弓)
向瀬美音 そうでありたいのですが、実は全く違って
そういう時間もないからもう溶けちゃおうかなーって思ったのです。



たつこ像碧きに抱かれ夏の湖   林子

たつこ像は田沢湖畔に立つ像のようだ。碧きの措辞から
湖は推定出来るので、下五にもう一工夫欲しいと思いました。
鈴木 玉恵 和良さん、選句とアドバイスをありがとうございます(^^)



まどろみを叩く谺や時鳥   ひろし

季語・ホトトギスの斡旋がいいです。
長谷川 博 北野さん、ありがとうございます。
ホトトギスが目覚まし?の代わりをしてくれました。





(5/24)

若葉山空の青さを深呼吸   孝之

空の青さを深呼吸という措辞が山の大きさを感じさせる。
原孝之 北野さん、こんばんは。特選とご鑑賞有難うございます。
本日の福岡市の油山、青空の青が山肌に浸みていました。
そのままでは、つまらないので深呼吸にしてみました。



(並選)

花あやめ逢ふときは雨今日も雨   千秋

あの人は雨男だとは知っていたが、今日は嬉しい雨!
中野千秋 和良さん。ありがとうございます



紫陽花の毬に宿りし昼の闇   直美

華やかな紫陽花に闇を見る感性に一票です。
高井 直美 北野さん、おはようございます。
ご選句とご選評をありがとうございます。共感して頂いて嬉しいです。
どうぞ良い一日を



太陽よ元始の子らよ燕の子  祐

「青鞜」創刊の辞に『元始、女性は太陽であった』と書いた平塚らいてう。
鳴神や、仁王の臍の紙礫
牧内 登志雄 北野さん、句意をお汲み取りいただきありがとうございます。
「鳴神や、仁王の臍の紙礫」。このらいてうの
句、読点がある句というのもめずらしいですよね。





(5/23)

走り茶の伊万里の茶碗淡く染め   幸

伊万里の茶碗に注がれた緑の新茶。芳しい香りが漂ってくる。
Sachiko Yokoi Hayashi 北野様 特選にお選び戴き光栄です。
励みになります



(並選)

蝸牛ひとつの重み葉が沈む  十河智

蝸牛の重みで葉が傾ぐ。見事な写生句。
十河 トモ子 ありがとうございます。智



山すその甍きらめき風薫る  栄太郎

京都の郊外だろうか。のどかな風景が目に浮かぶ。風も爽やかだ。
桑本 栄太郎 北野さん、原さん・・・御礼が遅くなり、
申し訳ありません。大変有難う御座います。
当地の住まいは京都の郊外であり、嵐山につづく、
京西山の嶺が続いて居ます。山すそには竹林も広がり、
集落の甍が煌いています。



小満や五十半ばが足るを知る   林子

五十半ばにして老子の教えを悟る充実の人生。羨ましい限り。
鈴木 玉恵 北野 和良 さんありがとうごさいます。
本当に知ったかどうかはわかりませんが…





(5/22)

写実画に眼凝らすや薄暑光   真波

公開された天皇皇后両陛下の肖像画を思いました。



石井 真奈美 北野さん、ありがとうございます。
素晴らしい、絵とは思えない陛下の肖像画ですね!
日本に一つの写実絵画専門の美術館が我が家の近くにありまして、
フレンチレストランとカフェもあり、良く行きます。
天皇陛下の肖像画を描いたような巨匠から、
若手の芸術家まで、素晴らしいです。
北野 和良 ホキ美術館ですか? 森本草介のヌードで有名で
一度行きたいと思っています。生島浩もいいですね。
石井 真奈美 はい^ ^森本宗介の作品が多数収蔵されてます。
何度みてもとても美しいです。
ここは照明も、建築作品としての美術館も素晴らしいです^ ^

     



(並選)

若楓浮かぶ手水や茶席入り  ひろし

手水に浮かぶ一枚の若楓を見て心を引き締める茶人。
長谷川 博 北野さん 並選と丁寧なご鑑賞ありがとうございます。
茶室に入る前の緊張感をご理解いただきありがとうございます。



夏空や織り成す雲の絹と綿   孝之

下五の措辞が素晴らしい。
原孝之 北野さん、おはようございます。
ご選句と鑑賞有難うございます。嬉しいお言葉です。



かき氷どうにも邪魔な二枚舌  たけし

二枚舌の人が本当に居るんだと笑ってしまった。
小林 たけし 北野 和良 さん ご選句ありがとうございます それは私です





(5/21)

闇に浮く泰山木の花の白   征一

暗闇に浮くように白く大きな泰山木の花。神秘的な景ですね。
今村 征一 原さん北野さん大津留さん御選句と鑑賞有難う御座います。



(並選)

風の名をひとつ拾ひし夕端居  たけし

風の名という措辞に惹かれました。
小林 たけし 北野 和良 さん ご選句恐れ入ります
 「風の名」お気にとめて頂き嬉しいです



箱眼鏡覗けば素数ばかりなり  紀宣

空想の覗き眼鏡。論理を超越していて面白い。
つちたに jt 純一 北野さん、並選に選んで頂きありがとう御座います。
また素晴らしい感想ありがとう御座います。嬉しいです。



ギター彈く胡坐の向かう初蚊遣  祐

ストリートミュージシャンも蚊には勝てない?
牧内 登志雄 北野さん、並選ありがとうございます。
なるほど、ストリートミュージシャンという設定も面白いですね。





(5/20)

翡翠の彩を深めて急下降   夢積

餌を狙って水面へ急降下する翡翠の躍動感。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます、中七に、、、



(並選)

絡みあう閨の二人や蛸の足   玉有良

枕絵を描く絵師の目線。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます



伽羅蕗や母の秘伝といふレシピ   ちはる

さぞかし美味しい伽羅蕗でしょうね。
Chiharu Nishijima 北野さん、ご選、ありがとうございます。
とても美味しいですよ



薔薇の香や刺あることを忘れさす   典子

香りにつられて鼻を近づけ、頬にチクリと。
菅 典子 北野 和良 さん、ありがとうございます。
昨日、出先で丁度バラまつりが開催されており、駅前も賑わっていました。
沢山の人が薔薇の姿、香りを楽しんでいましたが、
なかには刺に驚かされた人もいたかも…





(5/19)

晩年に残し置く恋初浴衣  美音

恋は灰になるまで・・・・
向瀬美音 北野さん、ありがとうございます!



(並選)

黄泉の國透けて見えさう花氷  紀宣

黄泉の國と花氷、意外な取り合わせ。
つちたに jt 純一 北野さん、並選に選んで頂きありがとう御座います。
また素晴らしい鑑賞ありがとう御座います



木下闇京の魔界の地を巡る  玉有良

京の魔界、都市伝説か?
小出有紀 北野さん、ありがとうございます



珈琲とジャズと私五月闇   秋子

とてもリズムの佳い句。もう少し明るい気分の季語が良かったとも。
Akiko Eguchi 和良さん、ありがとうございます。
少しアンニュイな午後でした。





(5/18)

香水の繭に抱かれただふたり   幸

ロマンチックな句。上五が良い。
Sachiko Yokoi Hayashi 北野様、尊敬する北野様の特選!
ありがとうございます●┓精進致します!



(並選)

麦秋や地産地消のレストラン  寛昭

きっと新鮮な野菜が食べられそう。
古閑 寛昭 北野さん、ありがとうございます。



グリークの曲に五月の風を聴く  直

グリークのピアノ協奏曲、大好きです。
大津留 直 北野 和良 さん、ありがとうございます。



刺青の三社祭の背中かな   果連

刺青をした男衆の鯔背な姿。
Kazunori Kawasaki 北野 和良 様、ありがとうございます。
光栄です。^_^ 果連





(5/17)

過疎の地の清水変はらず滔々と  玉有良

滔々と流れる清水が過疎地の悲哀を際立たせている。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます



(並選)

木久扇のネタが滑つて心太   林子

笑点の木久扇師匠、バカぶりも芸能の内。
鈴木 玉恵 和良さん、ありがとうごさいます。
あまりテレビを見ないけど、録画して見てるいくつかの番組の1つ
「笑点」癒されます(^^)



限界集落茄子ばかりの太くなり  たけし

全国に限界集落が増えている。そこも地植えの茄子だけは元気。
小林 たけし 北野 和良 さん  太くなり過ぎてなんにもならない茄子
 長命ばかりの限界集落 太くなるのは長生きの災い



うやむやの方がいいものありて初夏   千秋

何でも白黒をつけるばかりが能じゃない。
中野千秋 北野 和良 さん。選&共感、ありがとうございます





(5/16)

放蕩の果てや家なきなめくぢら  栄太郎

なめくじが這っているのを見つけ、放蕩の果に家を出て彷徨っている
との奇想天外の想像が面白い。まさか作者の願望ではないと思うが・・・
桑本 栄太郎 北野さん、つちたにさん・・・お早うございます!!。
大変有難う御座います。小生の住まいは自宅ではなく、公団の賃貸住宅で
あります。家の無い自分を「蛞蝓」になぞらえて作句しました。
確かに!なめくじのように蝸牛と違って家がないのは、
「放蕩の果て」かも知れません。



(並選)

もう少し気儘に生きん行々子   征一

世間に何の気兼ねもなく気儘に生きようと悟りの作者。
今村 征一 北野さん御選句有難う御座います。



万緑を突つ切つてゆくケーブルカー  ちはる

ケーブルカーの窓から見る新緑が眩しく輝いている。
中七が新鮮。
Chiharu Nishijima 北野 和良さん、ご選、また嬉しい選評をありがとうございます



木瓜の実の葉陰に赤き陽を灯す  夢積

木瓜の実を赤き陽と措辞したところがユニークだ。
Mutumi Shinogi北野さんありがとうございます、
スマホの機種変更で遅れてしまいました。





(5/15)

薔薇園やゼウスは金の雨となり   直美

ギリシャ神話、アルゴス王の娘ダナエの逸話を思い出しました。



高井 直美 北野 和良 さん、特選とご選評をありがとうございます。
私もダナエの話が大好きです。沢山の画家が絵のモチーフにしていますよね(*^^*)。
添付して頂いた写真の絵は初めて見ました!美しい絵をありがとうございます



(並選)

ところてん詰めて座りし茶屋の椅子   幸子

友だちと大勢で、席を詰めあって心太。話も弾みますね。
丸山幸子 北野さん、お選びくださいまして有難うございます。
茶屋で、ああだ、こうだとお喋りしながら食べる心太の美味しいこと。
格別でした。



原色を呑み込み光る若葉かな   孝之

原色を呑み込みの措辞が素晴らしい。
原孝之 北野さん、こんばんは。ご選句と鑑賞有難うございます。
若葉は赤と青の光を吸収して、補色で緑となるのでしょうが、
少し誇張とフェイクも入れてみました。若葉が白く光るのが何故なのか
知りたいのですが、その科学的根拠は分かりません!



軽鴨の子に皇居マラソン渋滞す   正則

毎年話題になる皇居の軽鴨のお引越し。マラソンの止めていたとは!
野島 正則 北野さん、選をいただきありがとうございます
励みになります。





(5/14)

どくだみや蝋燭並べ小人の宴   素子

どくだみの白い花を見て、蝋燭を並べて小人が宴をしていると
想像したところがユニークだ。百物語でもやっているのだろうか。
久留 素子 北野 和良 さま。わー、ありがとうございます!



(並選)

青嵐身の中にある不発弾   千秋

不発弾は誰の心の中にもあるのかも知れないと反省させられる。
中野千秋 和良 さんありがとうございます



青葉潮彼方見据ゑて龍馬像  俊彦

お遍路で見た桂浜の龍馬の像を思い出す。



葛切りの喉つるりんと滑りをり   幸

葛切りがとても美味しそう。





(5/13)

手の甲の笑窪をさなの茶摘みかな  寛昭

手の甲に笑窪のできるほど小さな子どもさんの茶摘み。可愛らしい句です。
古閑 寛昭 北野さん、特選ありがとうございます。
少しぽっちゃりのお嬢さんも笑窪ありますよ



(並選)

万緑をトロッコ列車走り抜け   林子

黒部峡谷のトロッコ列車を思い浮かべました。
鈴木 玉恵 和良さん。ありがとうございます



観鳥台三脚林立愛鳥日  祐

愛鳥マニアの写真撮影。全部漢字の技巧な句。
牧内 登志雄 北野さん、ありがとうございます。
いつもの干潟が昨日今日とけっこうな人出。私のアルミ三脚、
そろそろカーボンの軽量にしなくちゃ老体にはキツクなりました。



田鏡を見入るる鷺やそこかしこ   真波

鷺が餌をついばんでいる。
水鏡に姿に写すのは女性らしい作者の願望だろう。
石井 真奈美 北野さん、ありがとうございます。
鷺って、ナルシストっぽいなと、綺麗な田んぼを見て思いました^ ^





(5/12)

紺碧の空と潮風海女の夏  夢積

潮風と海女という措辞から英虞湾の風景を思い浮かべた。
Mutumi Shinogi 北野さん有り難うございます、嬉しいです。



(並選)

漏れてくるショパンの調べ薔薇の花   孝之

散歩をしていたら、とある家からショパンの調べが聞こてきて、
窓の外には薔薇が咲き誇っていた。ピアノを弾いている人は
きっとこの薔薇のように可愛い人だろう・・・
原孝之 北野さん、こんばんは。ご選句と素晴らしい鑑賞有難うございます。
実は、ピアノ教室をされている先生のお宅です。
ピアノ教室の玄関には綺麗な薔薇がたくさん咲いております。



蛇衣を脱いでニーチェの散歩道   果連

京都の哲学の道は周知だが、ニーチェの道とは?
思索にふける作者は、蛇の衣に心を乱されたのか?
Kazunori Kawasaki 北野 和良 様、ありがとうございます。
この季語を見ていてニーチェの「脱皮できない蛇は死ぬ」を思い出しました。
ニーチェはあまり好きではありませんが、
この言葉には深い何かを感じます。^_^ 果連



竹皮を脱ぐや若気の過去を捨て  栄太郎

過去の過ちを切り捨て前へ進もうという作者の気概が読み取れる。
(竹皮を脱ぐ、という季語を確認出来なかった)
桑本 栄太郎 北野さん、小林さん・・・大変有難う御座います!!。
竹の子も下部に皮を巻き付けたまま、青い節となり天まで届きました。
もうここまで来れば、若気の至りの過ちは起こさないでしょう?



(準)
花がさの雨の田植えに肌寒さ  俊克

早乙女も今は機械に代わってしまい、神社などの神事にのみ残っている。
天候不順で今日は寒い雨の中での田植えとなってしまった。
大久保 俊克 北野 和良 さん、ありがとうございます。
笠間の神事でした。雨が降っていました。
北野 和良 あのニュースは私も見ました!





(5/11)

口笛で話す民族愛鳥日   林子

大陸の山岳の民族は口笛のような歌声で求愛すると聞いたことがある。
鈴木 玉恵 和良さん特選をありがとうございます。
私も以前テレビで見ました。その時は季語が上手くなかったようです。
今回、「愛鳥日」を見てそのことを思い出しました。



(並選)

薔薇たちの私語の始る午後三時   千秋

午後のひと時、バラたちもひそひそと噂話に興じているという空想が楽しい。
中野千秋 北野 和良 さん、ありがとうございます



ジオラマのごとき新緑四方の山   玉有良

見渡す山々の新緑が、まるでジオラマのようだ。
小出有紀 美音さん、北野さん、ありがとうございます。
ただいま帰省中。早朝の長野です。



定まらぬ心卯波に委ねたり   幸

ざわめく心、いっそのこと荒れる卯浪に任せよう。





(5/10)

さつきまで虹のふもとにありし街   千秋

童話の挿絵を見るような気がしました。
中野千秋 北野 和良 さん、ありがとうございます



(並選)

風そよぐ朝の花壇に黒揚羽  無智

この歌壇にはどんな花が咲いているのか想像する楽しみが。
福井 栄一郎 北野さん、選んでいただき、有難うございます。
玄関アプローチ横の小さな花壇で、花を絶やさずにしています。妻が。



愛鳥日鳥語に郷の訛かな  俊彦

鳥語にも訛りがあるという楽しい空想。



連弾の阿吽の呼吸アマリリス   ちはる

ピアノ連弾の緊張感が伝わります。季語も良く効いている。
Chiharu Nishijima 北野 和良さん、ご選、
また、選評をありがとうございます





(5/09)

抱き留めてシャツの匂ひの夏の雨   ゆ

青春映画の一シーンを見ているようです。
田中悠貴 おお?、北野さん、有難うございます(≧∇≦)♪



(並選)

初夏の陽をもつと浴びんとブラシノキ    孝之

原さんお得意の写生句であり、針状の花びら?が
勢いよく開いている様子が目に浮かぶ。
ブラシの木には白花もあるのをご存知でしたか?
原孝之 北野さん、こんばんは。ご選句と素晴らしい鑑賞有難うございます。
私が写生が得意でしょうか?絵心の方はからきし駄目です。
白いブラシノキがあるのですね!Google検索で確認しました。
美空ひばりの「真っ赤な太陽」を思い出し詠みました!



品書きの文字も活き活き初鰹  夢酔

如何にも新鮮な初鰹、ついつい注文したくなります。
室木 助樹 ありがとうございますw



宇佐神宮白さ輝く春日傘   公彦

宇佐神宮の儀式なのだろう。
神官に白い日傘を差しかける巫女は緋袴だろうか。
大津留 公彦 北野 和良 さん 有難うございます。
実は古いカミさんの写真のイメージだったけど、
この際巫女さんにしておきましょう。





(5/08)

竹皮を脱ぐや威勢の天を衝く  栄太郎

筍が勢いよく成長する姿が目に浮かびます。
桑本 栄太郎 北野さん、原さん・・・特選句にお選び頂き、
それぞれの方に嬉しいご鑑賞のコメントも頂戴しまして
大変有難う御座います。乙訓筍で名高い当地、京都洛西の住まいは
嘗て竹林を開発して出来た住宅地です。未だ竹林もかなり残っていまして、
竹の子だらけです。一日に一節が30センチも伸びると言われています
竹の子も、かなり伸び、天に届くかの若竹の様相です。
人間の若者の成長を彷彿させ、勢いを感じます。



(並選)

畝立てる鍬を濡らして緑雨かな  祐

時期を逃さぬため緑雨の中で畝立てに励む農夫。ご苦労さま。
牧内 登志雄 北野さん、並選ありがとうございます。
小さな家庭菜園でも土は雨に濡れるととても重くなって
腰の負担がきつくなります。急いで一畝、二畝、三列で疲れました。
北野 和良 牧内さん、ご自身のことでしたか!お疲れの出ませんように
牧内 登志雄 水が確保できずに田んぼは止めましたが、
友人の家庭菜園の一角を借りて畑の真似事を始めました。
ビールのつまみでも作ってみます。



稜線に立ち込める雲若葉寒   孝之

大きな広がりのある景。
原孝之 北野さん、こんぼんは。ご選句と鑑賞有難うございます。
若葉寒という季語を使ったのは初めてです。ホントに寒い1日でした。



分けあへば親しき酒の冷奴  果連

酒は楽しく飲むべかりけり。
Kazunori Kawasaki 北野 和良 様、ありがとうございます。
光栄です。^_^ 果連





(5/07)

浜昼顔砂に埋れし捨て小舟  夢積

侘しさを感じる捨て小舟と明るい浜昼顔との対比。
Mutumi Shinogi 北野さん特選にお選び頂きままして有り難うございます。



(並選)

武者人形なくとも刀剣女子育つ   玉有良

「刀剣女子」と言う新人類がいるのをTVで見た。スマホゲームもDLしてみた。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます。
日本刀、戦艦、戦車、国、いろんなものが擬人化されている昨今です。
私自身は、あくまで造形美として好きですが、
手を出したらハマるかもしれません(笑)



後れ毛をつと撫で付けて栗の花  無鬼

浮世絵美人を見るような艶な景が見える。
小林 広一郎 ありがとうございます、人間の記憶は
目や耳から入ったものより、鼻からのものが強く残ると聞きました。
栗の花の下を歩く女性がどんな仕草をするのか、観察するのも面白そうです。



老松の根元に群るる紫蘭かな  直

老松と紫蘭の取り合わせが素晴らしい。
大津留 直 北野 和良 さん、ありがとうございます。





(5/06)

筍の羞じらひながら剥かれたり   幸

作者が女性だけに色々と妄想が湧いてくる。
Sachiko Yokoi Hayashi 北野 和良 様  特選!!!
ゆめか現か幻か! ありがとうございます
含羞を忘れず背筋を伸ばす筍も女性も粋に……



(並選)

とりどりのチーク愉しむ薔薇の花   孝之

バラの花が風に揺れながらチークダンスを踊っている?
作者の願望の表出なのか?
原孝之 北野さん、こんばんは。ご選句と鑑賞有難うございます。
チークとは、女性の頬紅のことです!チークダンスとは!(笑)
しかし、火のないところに煙は立たない!深層心理の中にチークダンスが
あったかもしれませんね!(笑)
北野 和良 原さん、下衆の勘繰りでしたね。失礼しました。(笑)
春薔薇満開の季節になり見て回るのが楽しみですね。



短夜や残業伸びて気もそぞろ   果連

約束があり早く帰りたいのに残業が・・・・
働き方改革が急がれますね。
Kazunori Kawasaki 北野様、ありがとうございます。光栄です。^_^ 果連



春ともし春画の頁まためくる   玉有良

春画という措辞に引き込まれてしまった。女性も春画を見るのだろうか?
小出有紀 北野さん、ありがとうございます。見ますよ。
江戸時代には嫁入り道具の一つでもあったとか。たんに、芸術として見るのも良し?
面白おかしく見るも良し?江戸風俗を勉強するも良し?です。
思春期の男の子が一人でエロ本を隠れ見るイメージも盛り込んで、
且つ、艶っぽくもしたかったので推敲はかなり重ねました





(5/05)

千年の森一斉に新樹光   正則

千年の深い森に新樹が芽吹き始めた。一斉にの措辞が見事。
野島 正則 北野 和良 さん、特選をいただきありがとうございます。
励みになります。



(並選)

ぼうたんの臨界越えのエロスかな  真波

ふつふつと湧き上がる情念が途切れなく続く臨界点を牡丹の花に見た。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます。
牡丹寺にいき、ちょうど盛りで、あまりの艶やかさにクラクラしました。
臨界越えてました^ ^



子の絶えし渓に千余の鯉のぼり たけし

深い谷川を渡した綱に千余の鯉のぼり。
全国からの寄付を受け観光の目玉にする場所が増えている。
子どもの成長を祈る本義はどうなったのか。
小林 たけし 北野 和良 さん 丁寧な鑑賞恐れ入ります
 本意本義が失われる風潮は彼方此方にありますね



みどりへと色を變へるや雨蛙  祐

湿りを受けて鮮やかな緑に変身するアマガエル。
牧内 登志雄 北野さん、ありがとうございます。
色を変えていく雨蛙、可愛いですね。





(5/04)

万緑や魔女駆け抜けし熊野古道  夢積

熊野古道を修行僧ではなくて魔女が駆け抜けるという空想が楽しい。
Mutumi Shinogi 北野さん特選有り難うございます、
熊野の友人に聞いた話です。



(並選)

未来から流るる時や新樹晴  亜仁子

普通、時は過去から未来へと流れていくと想像するが、
それならば「未来へと」となるはず。この句では未来から時が流れる
詠んでいて不思議な感覚に襲われる。
Aniko Papp 選んでいただき、素晴らしいご鑑賞、ありがとうございます。
とても嬉しいですね。



雨降れば虹を待つ子になつてゐる   ゆ
子どもの気持ちになりきった句。
田中悠貴 北野さん、素敵な鑑賞有難うございます(^^)
一応、モデルがいるんですよ?w



山鳩のどこか遠くに夏きざす  栄太郎

どこか遠くでクークーと鳴く山鳩の声に夏を。共感の一句です。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
日毎に朝が早くなり、何処か遠くで山鳩の「ででっぽう、ででっぽう」との
鳴き声に目覚めます。穏やかな目覚めの朝が増えて来ましたね?





(5/03)

非業の死慰む空木咲きにけり   孝之

非業の死を遂げた人物とは? 維新の志士の名がいろいろと浮かんでくる。
季語の空木との距離感が良い。
原孝之 北野さん、ご選句と鑑賞有難うございます。
今朝、訪れた平野国臣像のそばに空木の花が咲いていたのです。
おそらく、平野国臣を慰霊するための空木の花だと思います。
大木の空木に成長しています。この像が出来たのは、
昭和39年なので樹齢50年になる空木です。
北野 和良 原さん、平野国臣のことは知りませんでしたが
福岡藩士で維新の志士の一人だったのですね。勉強させて頂きました。
原孝之 福岡藩は、加藤司書や月形半平太が惨殺されたために
維新に乗り遅れました。加藤司書の祖先は、黒田官兵衛を
有岡城の牢獄で救った加藤重徳で、加藤家は代々、黒田藩の中老の家です。
加藤重徳の次男が官兵衛の養子となった黒田一成です。
朝倉の支藩の城主となりました。加藤司書は、加藤重徳の長男の家系の末裔です。
黒田官兵衛は姫路の出ですから、北野さんとも関係がありますね。



(並選)

蔦若葉古塔の壁を昇りゆく  直

蔦若葉の生命力を感じました。
大津留 直 北野 和良 さん、ありがとうございます。



睡蓮やモネを模したる池多し  十河智

徳島の大塚美術館で池を見た覚えがあります。
十河 トモ子 北野さん、ありがとうございます。
大塚美術館のものは美術タイルで造られていて、京都やその他の所にも、
同じ仕様で何ヵ所かあります。また比叡山のガーデンミュージアムには
一角がモネの庭そのものの植生になっています。
そんなことを思い出して、俳句にしました。



古希迎ふけふ憲法の記念の日  栄太郎

古希、おめでとうございます。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
いえ!何ね!現憲法も70歳であり、古希を迎えました。





(5/02)

君が来るバラのアーチの向こうから   秋子

ロマンチックなムードに共感しました。
Akiko Eguchi 和良さん、ありがとうございます。とても嬉しいです。
バラは大好きです。大好きな人がそんなバラのアーチの向こうから来たら、
とても嬉しいなと想像してみました



(並選)

辛口の八海山で春惜しむ   孝之

新潟の銘酒八海山、心ゆくまで飲みましょう。
原孝之 北野さん、こんばんは。ご選句と鑑賞有難うございます。
昨晩、八海山を二合飲みました。亡き友と飲んだことも思い出しながらでした。
新潟県に聳える八海山の姿を見たことはありませんが、良い山のようですね。
北野 和良 原さん、こんばんは。大学の同級生が小千谷市に住んでいて、
何度か訪れ山並も教えてもらいました。



建築の資材くはえて燕ゆき   果連

燕は巣作りに忙しい。建築の資材と大げさなところが面白い。
azunori Kawasaki 北野 和良 様、ありがとうございます。
光栄です。^_^ 果連



子遍路の道祖神にもお念仏  たけし

遍路経験者としてとても共感します。
小林 たけし 北野 和良 さん ありがとうございます





(5/01)

剥落の金堂の扉や麦の秋  無智

古びた寺の金堂の扉、季語との距離感が良い。
福井 栄一郎 北野さん、特選に選んでいただき、有り難うございます。
「季語との距離感 」、私には新鮮な言葉でした。



(並選)

幾つかは笊より零れ初苺  直

初苺を笊から零れるほど、新鮮な香りが届いてきました。
大津留 直 北野 和良 さん、ありがとうございます。嬉しく存じます。



鈴蘭の香りを仄と少女過ぐ  夢積

鈴蘭の香りの少女、清々しい句です。
Mutumi Shinogi 北野さん有り難うございます。



腕まくりして店長の夏来たる  紀宣

店長さんの意気込みが見えるようです。
つちたに jt 純一 北野さん、並選に選んで頂きありがとうございます。
またご感想ありがとうございます。励みになります












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