俳句鑑賞文(復刻版)    2018 April        トップへ   




(4/30)

切れ味良き男料理の山葵かな  俊彦

研ぎ上げた包丁で魚を捌く。刺し身にはたっぷりと山葵を摺って。
鎌田 俊彦 北野 和良 さん、ありがとうございます。光栄です(^^)/



(並選)

湧水の町のをちこち著莪の花  千秋

湧水の流れと著莪の花、静かな町並みの景。
中野千秋 北野 和良 さん、ありがとうございます



万緑の寺の境内句碑多し   正則

草田男の句碑のある深大寺と読んだ。この境内には切支丹灯籠などもある。
野島 正則 北野さん、選をいただきありがとうございます。
深大寺、賑わっていました。



慎重に渡る吊り橋谷若葉   ちはる

揺れる吊橋を慎重に渡る作者の目に若葉が眩しい。
Chiharu Nishijima 北野 和良さん、ご選ありがとうございます





(4/29)

この娘いずれお職に柳の芽   玉有良

有紀さんの今日の3句はどれも遊女がテーマだが、
いずれ店のNo.1になるだろうという希望の見えるこの句を頂くことにした。
柳の芽が効いている。
3句目は歳を取り容色も衰えると下級な切見世へ落とされるという哀れの句だ。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます。
昨日今日と久しぶりの遊女俳句でした。いずれも組み合わせに
使ったことのない季語での挑戦だったので、取っていただき嬉しいです



(並選)

鏡獅子舞扇なる牡丹かな  浩正

牡丹の枝を手に優雅に踊る姿が見える。
藤倉浩正 北野 和良 さん ありがとうございます。
TVで亡き勘三郎の特集を観ての句となりました。



パレットの色の足らずや初夏花壇  夢積

初夏の歌壇の花の色で溢れている様子が目に浮かぶ。
Mutumi Shinogi 北野さん有り難うございます嬉しいです。



ゴールデンウィークはつけぬ万歩計  双葉

このGWは遠出をせず家でぶらぶら。私も同様です。
新名勝之 ありがとうございます。
どこにも出掛けない様子を万歩計でどう描写しようか悩みましたが、
そう解釈して頂けたようで良かったです。





(4/28)

窮屈なネットに苦笑さくらんぼ   孝之

無料漫画サイトのブロッキングを皮肉る句と読ませてもらった。
通信の秘密について充分な議論が望ましい。
原孝之 北野さん、こんばんは。特選とご鑑賞有難うございます。
実は、この写真なのです!ネットは網のことです!
ネットをインターネットのことと解釈されたらそれはそれで面白いかな?
とはおもいました。さくらんぼにネットが掛けられていて、
鳥の被害から守るためでした!笑
北野 和良 原さん、こんばんは。とんでもない読み違いでしたね。
これぞ俳句の妙味でしょうか(笑)
原孝之 俳句の二面性もあっていいと思います。
二つの解釈があって、それを決めるのは読者の自由で良いと思います。



(並選)

花桐の紫匂ふ空のあり  美遥

見上げると青空を背景に桐の花。とても優雅な句だ。
Biyou Utashiro 北野 和良 さん、ありがとうございます



ベンチにひとりあかしあの花の雨   林子

♪あかしあの雨に打たれて〜このまま死んでしまいたい〜♪
鈴木 玉恵 和良 さん、ありがとうございます。
バレバレですね(//∇//)



むらくもの縁より茜春の夕  美音

暮れなずむ春の夕、茜の雲、明日は晴れの天気だ。
向瀬美音 北野さん、ありがとうございます!





(4/27)

日輪の濃縮還元金盞花   真波

中八だが、濃縮還元の措辞はユニークな発見だ。
石井 真奈美 北野さん、特選にお選びいただきありがとうございます。
金盞花の色は混じりっけの全くないオレンジで、なかなか表現が難しかったです。



(並選)

晩学に遅れは不問春燈下  たけし

生涯勉強の心意気や良し。
小林 たけし 北野 和良 さん 恐縮です 
自得自尊の唯我独善、不勉強の言い訳です(笑)



恋の日を思ふ金雀枝咲く頃は   ちはる

♪スミレの花〜咲く頃〜♪の歌を思い出しました。
Chiharu Nishijima 北野さん、ご選ありがとうございます



密やかに俯きて咲く紫蘭かな  祐

今日散歩でこの花を見ました。
牧内 登志雄 北野さん、ありがとうございます。
紫蘭は根が残っているので毎年同じところで咲くので、余計に季節を感じます。
下を向いて咲くのがとても健気なでありながら、
また妖艶な感じがしてこの季節を楽しみにしています。





(4/26)

潮の香と玄界鮑のおどり食ひ   正則

鮑の踊り食いに潮の香も、なんと贅沢。お酒はキリッと冷酒でいこう。
野島 正則 北野さん、特選、ありがとうございます。お酒も進みますね。



(並選)

淡き香に茶摘み歌聴く一番茶   幸

一番茶の香りに茶摘み歌が聞こえるような。至福のときだ。
Sachiko Yokoi Hayashi 北野 和良 様、 日本茶が大好きです!



巣も雛もただ引き受けて燕かな   果連

本能でひたすら子育てをする燕。頑張れ〜
Kazunori Kawasaki 北野 和良 様、ありがとうございます。
光栄です。^_^ 果連



菜の花や急ぎの風に道をあけ   幸子

風に道をあけ、の措辞が素晴らしい。
丸山幸子 北野さん。お選び下さいまして有難うございます。
季節が変わろうとしていますが、見ていると、まだゆっくりしたそうな
菜の花もまばらにおりました。励みにして頑張ります。有難うございます。





(4/25)

天地を一景にして春時雨  祐

スケールの大きな景。広重の版画を見るようだ。
牧内 登志雄 北野さん、特選ありがとうございます。
春の時雨に空も地も海も一体となった景を詠んでみました。



(並選)

地は目覚め山安らぎし穀雨かな   真波

地ー山の対句がリズムを生んでいる。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます



囀や樹下の地べたに坐禅僧  無智

無念無想の座禅僧には囀りも聞こえていない?
福井 栄一郎 北野さん、選んでいただき、有り難うございます。
修行をつめば、そういうことになるのでしょうね。



犀の背に蛙一匹主顔   直

大きな犀と小さな蛙の対比が意外性があり面白い。
大津留 直 北野 和良 さん、ありがとうございます。





(4/24)

木香薔薇のアーチ誘ふ珈琲館  栄太郎

アンティークな珈琲館のよう。きっと美味しい珈琲だろう。
木香薔薇=もっこう、と読めば字余りではなくなりますね。
桑本 栄太郎 北野さん、柳堀さん・・・大変有難う御座います!!。
長岡天満宮の霧島躑躅の壁咲きの見物に出かけ、
その帰宅途中に入口が木香薔薇のアーチで飾られた喫茶店があり、
暫く眺めてそこでコーヒータイムとしました。



(並選)

春灯やボサノヴァ流すワインバー   ちはる

とても雰囲気の良さそうなワインバー。ぜひ行ってみたいものだ。
Chiharu Nishijima 北野 和良さん、ありがとうございます



桜守百年のちの人々へ   玉有良

桜守の情熱を感じます。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます。
樹齢イコール桜守の情熱ですね



岩清水吸って山葵の辛く辛く   林子

下五の辛くのリフレインが面白い。
ただ、岩清水(夏)と山葵(春)が引っかかります。
上五は沢水を、などでもいいのではないでしょうか。
鈴木 玉恵 和良 さん、ありがとうございます。
「沢水」頂きます。 添削ありがとう。





(4/23)

許すこと包みこむことチューリップ   千秋

キリストか、はたまた慈母観音か。
チューリップを詠む句は多いがこの句の視点は珍しい。
中野千秋 北野 和良 さん、ありがとうございます。
パート先の意地悪な人について詠んだ句でした。



(並選)

藤の香や甘き時代のよみがへり  俊文

ロマンチストの作者が見える。
河野 俊文 北野 和良 さん、ありがとうございます。
私は、ロマンチストであり、リアリストですね。



春暑し煙草の吸へる喫茶店   草民

東京五輪へ向け禁煙包囲網の縮まる世相。喫煙者には都会のオアシスだ。
山野辺 茂 北野さん、ありがとうございます



文明に一矢報いし花粉症  夢酔

文明を誇る人類も、アレルギーには弱い。
室木 助樹 ありがとうございますw





(4/22)

目の前を風にシュルルと雲雀かな  英

雲雀は警戒心の強い鳥で、空から降りてくる時は巣から離れた場所に降り、
草むらを歩いて巣に戻ると聞いた。そんな臆病な鳥が
目の前を飛ぶのを見られたのは超ラッキーだろうか。
Hideo Koike そうですねえ・・。見たのが本当に雲雀だったか、
と言われると、100%とは言えません。目撃できる高さだったのですが、
なにしろ、斜め後ろから飛び越えて行って、風の吹き回しという言葉が
ありますが、どういう風の吹きまわしだったのか、飛び越えて行った
鳥が翼で風を切る音がはっきり聞こえてきたのです。それで、
それをそのまま詠みました。色合いと大きさから雲雀だと思いましたが。
そもそもこれって、ドップラー効果か何かだったのでしょうかねえ・・?
「超ラッキー」とのご指摘通り、非常に珍しい、不思議な体験だったことは事実です。



(並選)

春光や相馬の太陽光パネル   秋子

相馬とは、福島県のことだろうか。先日こんな短歌を見た。
畑消えて発電パネル増えてゆき野菜を売らずに電気売る農
自然エネルギーの救世主のような太陽光パネルだが、
手放しで喜ぶわけにはいかないようだ。
Akiko Eguchi 和良さん、ありがとうございます。
そうです。福島県相馬のことをニュースで見まして‥「半電半農」も



好きな句を口ずさみつつ鰹叩く  夢積

捕れたての鰹をタタキにしているのだろう。 今夜は酒も進みそうだ。
Mutumi Shinogi 北野さん有り難うございます。初鰹です。



膳に添ゆ山独活のぬた一周忌  浩正

一周忌、故人の好きだった山独活のぬたを陰膳に。合掌。
藤倉浩正 北野 和良 さん ありがとうございます。励みになります。





(4/21)

鈴蘭の音聴きたくて妖精に  美音

メルヘンチックな雰囲気が素晴らしい句。
向瀬美音 北野さん、ありがとうございます!



(並選)

明日あると思へば物の種を蒔く  俊彦

明日への希望と意志が覗える。
鎌田 俊彦 北野さん、ありがとうございます。



雨上がり椎の若葉の威勢かな   真波

若々しい若葉の勢いが伝わります。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます



藤の花思ひの丈も風まかせ  祐

溢れる思いだが敢えて風まかせが面白い。
牧内 登志雄 北野さん、並選ありがとうございます。
励みになります。





(4/20)

藤垂るる四百年の高さより  征一

樹齢4百年の大藤。四百年の高さに痺れました。
今村 征一 古閑さん北野さん御選句と鑑賞有難う御座います。



(並選)

紫の雨となりけり宇治の藤   玉有良

藤の花を見に来たのに生憎の雨。紫の雨が素晴らしい。
小出有紀 古閑さん、北野さん、永田先生、ありがとうございます



春風や旗揚げて呼ぶ渡し船   千秋

旗揚げて呼ぶ、いまでもそんな渡し船があるのだろうか?
中野千秋 北野 和良 さん、ありがとうございます。
実はあるのです。渡しはいつも北岸に詰めており、
南から乗るときは、旗をあげて、呼びます。
渡しといってもモーターボートです。
川を超えて 県道に当たるところなので、無料です。



噴煙を燻らせながら山笑ふ   林子

九州では桜島、霧島と噴火が続いている。大自然から見ると小さな出来事か?
鈴木 玉恵 和良 さんありがとうございます。
桜島は当たり前のように噴煙を上げていました。
霧様の方は帰宅した翌日の噴火でした。
自然の営みに比べたら人間の営みなんてちっぽけなものですね。





(4/19)

かくれんぼ紙風船の中かしら   直美

紙風船の中に隠れるという空想に脱帽します。
高井 直美 北野 和良 さん、おはようございます。
特選とご選評をありがとうございます??!とても嬉しいです。



(並選)

蝶こへてをとめの胸の深きかな   仁

私も蝶になって胸の谷間を探訪したい。
西川 仁 ありがとうございます。
春もたけなわを過ぎ、蝶も少しづつ陰翳を深めていく今日この頃です。



藤の棚あの世への道見てゐたり  亜仁子

藤の花にあの世への道を見る感性に一票。
Aniko Papp 選んでいただき、ご鑑賞、ありがとうございます。
嬉しいですね。前世催眠された人の話によると、
あの世への道はトンネルみたいということです。



万華鏡の如き春の星座かな   悦子

街灯のない田舎ならでは。さぞかし見事な万華鏡。
柳堀 悦子 北野 和良 さんありがとうございます。
実にきれいな星空でした。娘は新月だわと直ぐに言いました。





(4/18)

哀しみの色とも三葉つつじかな  栄太郎

淡いピンク色の三葉つつじ。哀しみの色と見えたのは
作者の心が溢れて写ったのだろうか。
桑本 栄太郎 北野さん・・・特選にお選び頂き、
嬉しいコメントも頂戴しまして大変有難う御座います!!。
今回の法事帰省は車で高速道を通りましたが、
至る所の山膚に三つ葉つつじの濃紫が咲き、哀しいまでに風情を覚えました。
紫と言う色合いはどちらかと言えば「哀しみの色であるとつくづく思いました。



(並選)

肩少し触れてつつじの水辺かな   千秋

遠慮がちな二人の微妙な距離。
中野千秋 北野 和良 さん。ありがとうございます



花は葉に過去の事より明日の事  夢積

前向きに生きようとする心情が見える。
Mutumi Shinogi 亜仁子さん、北野さん、桑本さん、有り難うございます嬉しいです。



たんぽぽの絮戦争のなき星へ   貴之

儚い願いも風まかせ。





(4/17)

風邪心地ポギーとベスを聴きなから  幸

ジョージ・ガーシュウィンが1935年に作曲した3幕9場からなるオペラ。
悲しい運命に翻弄される黒人女性のベス。風邪の物憂い気分に相応しい曲だ。
Sachiko Yokoi Hayashi 北野 和良 様
特選にお選び下さいましてありがとうございます●┓
もうご存知の方も少ないとは思いつつ……
とても嬉しいです!



(並選)

春愁やパイにひと匙シナモンを  美音

私もシナモン・シュガーの一瓶をテーブルに置き、珈琲に入れる。
向瀬美音 北野さん、ありがとうございます!
嗚呼!なんて感性が会うのだろう?



日脚伸ぶ魔女の箒を見つけたり   秋子

魔女の箒、望みの場所へ連れて行ってくれるだろうか?
Akiko Eguchi 和良さん、ありがとうございます。
ちょっと魔女近くにいるなーと思った瞬間です。



春筍の幾重につつむ命かな  祐

筍の皮は剥いても剥いても・・・
牧内 登志雄 北野さん、並選ありがとうございます。
最期には案外と小さかったりしますね。私は焼き筍が好きですが、
月末に大多喜(千葉)にたけのこ食べに行きます。





(4/16)

鈴蘭の鈴を奏でる小雨かな   林子

鈴ー鈴のリフレイン、とてもリズムがいいですね。
鈴木 玉恵 和良 さん、 特選ありがとうございます。感激です



(並選)

朝庭の光集めて初椿  直

朝日に輝く椿の花が見えました。
大津留 直 北野 和良 さん、ありがとうございます。



空見上げはじける笑顔ハナミズキ   典子

空を向いてパッと開いた花水木。中七が明るくていい。
菅 典子 北野 和良 さん、ありがとうございます。
私の住んでいる所もハナミズキの街路樹が多く、
今満開で、毎日楽しませてくれています。





(4/15)

一枚の葉っぱ揺れけり雨蛙  十河智

読んだ瞬間に〈古池や蛙飛び込む水の音〉の句が頭をよぎった。
味わい深い句だ。
十河 トモ子 北野さん、特選、ありがとうございます。
葉っぱの上にいる雨蛙好きなんです。見飽きません。智



(並選)

大干潟いにしへの音満ち満ちる   真波

いにしへの音に悠久の時間の流れを感じた。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます



凧もはやインスタ映えに身を落とし   果連

流行のインスタ映え、SNS映えという言葉も出来ているようだ。
Kazunori Kawasaki 北野 和良 様、ありがとうございます。
うれしいです。^_^ 果連



山ざくら空を裂きゆく戦闘機   貴之

戦争と平和の二句一章。シリアのミサイル攻撃も頭に浮かぶ。





(4/14)

その昔苺ミルクのやうな女   真波

この句を読んで、誰をイメージするかは、読む人によって様々。
今クールに始まったTV番組で八千草薫さんが出演されていてびっくりし、
調べたら87歳だと。今も容色は衰えていないが、年は隠せない。
若かった苺ミルクのような彼女に憧れていた・・・
石井 真奈美 北野さん、特選にお選びくださりありがとうございます。
八千草さんは幾つになられても、本当に素敵ですね!自然な美しさと、
本来のチャームポイントがしっかりあって、憧れます。
読む方の脳裏に浮かぶ女性によって、いろんな思い出が蘇ってくれば、嬉しいです^ ^



(並選)

藤揺れて有閑マダム死語となり   千秋

懐かしい昭和の言葉。
中野千秋 北野 和良 さま。ありがとうございます



ランドセル枝垂櫻は道標   正則

通学路にまだ慣れていない新一年生。大きな枝垂桜が目印。
野島 正則 北野さん、選をいただきありがとうございます、嬉しいです



潮騒をのせて畳むや春日傘   美音

潮騒を乗せて、が素敵です。
向瀬美音 皆様、ありがとうございます





(4/13)

梨の花梵天を持つをんなの眼   真波

梵天とはインド哲学における万有の原理ブラフマン(梵)を神格化したもの。
そんな梵天の眼とは、全てを見透すということだろうか。
そんな眼で見つめられたら心のすべてを裸にされてしまいそうだ。
(国会にお出まし願いたいものだ)
石井 真奈美 北野さん、特選にお選びくださりありがとうございます。
丁寧なご鑑賞もうれしいです



(並選)

来ぬ人の溜め息遥か望潮   幸

鋏を触れど待ち人来たらず。我が身に重ねて・・・・



藤棚といふ深海に迷ひこむ   千秋

並選に頂きます。深海がいいですね。
中野千秋 北野 和良 さま。ありがとうございます



椀ひとつ湖に変えたる田螺かな   直美

並選に頂きます。田螺の目になって湖を眺める。
高井 直美 北野 和良 さん、おはようございます。
ご選句とご選評ありがとうございます。どうぞ楽しい週末を





(4/12)

ハミングとスキップ誘ひ花水木   幸

花水木が咲き始め、自然と心が浮かれてくる。そんな気持ちがよく現れている。
Sachiko Yokoi Hayashi 北野様、ありがとうございます●┓
自分にとってハナミズキが特別な樹になりそうです!



(並選)

前世の星との縁草朧  直

前世という措辞から仏教の輪廻という思想を思い浮かべる。
草朧の季語が効いている。
大津留 直 北野 和良 さん、ありがとうございます。
貴殿のご指摘のお蔭です。



風にゆれひかりにふれて蝶の昼  寛昭

蝶の不規則な飛翔が見事に描かれている。
古閑 寛昭 北野さん、ありがとうございます。



前髪をピンで押さえし新社員  美音

派手に見られないように慎重な新社員。こういう仕草は男には詠めないな。
向瀬美音 北野さん、ありがとうございます!





(4/11)

勾玉の形かたちで春を眠りけり   千秋

滑らかなカーブを描く勾玉、そんな姿で春の昼寝を楽しむ作者。
如何にものどかだ。
中野千秋 北野 和良 さま。ありがとうございます



(並選)

自己紹介頬赤らめて花水木   真波

新入学、初めてのクラスルームで自己紹介をする初々しい生徒たち。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます。
こういう気持ち、忘れがちですね^ ^



私語交わすかにざわざわと葱坊主  英

風に揺れるネギ坊主。ざわざわとが面白い。
Hideo Koike Kitano様。並選を、ありがとうございます。嬉しいです!



盤上の駒へ夕日の遅日かな   白と玉
将棋の頂上決戦。緊迫した勝負を夕日が見守っている。
木野本伸行 北野 和良 さん。ありがとうございます。





(4/10)

春苺まづ絹の帯外されて  美音

春苺と可愛く始まり、帯を解き、次にまとわる紐いろいろと妄想の無限に広がる句。



(並選)

砂かぶりこけつまろびつ雀の子   真波

飛ぶのも歩くのもまだおぼつかない雀の子が可愛らしい。
石井 真奈美 北野さん、ありがとうございます。励みになります!



テイクオフタンポポの絮風を待つ   典子

風よ来い!と待ち構えるタンポポの絮。どこまで飛んでいくのだろう。
菅 典子 北野 和良 さん。ありがとうございます。



釣竿にぐおんと伝ふメバルかな   幸子

竿に重い魚信。きっとメバルだ。さバラさぬよう慎重に。
ぐおんがユニークなオノマトペ。
丸山幸子 北野さん??お選び下さいましてありがとうございます。
素晴らしい鑑賞もとても嬉しいです。ありがとうございますm(__)m





(4/09)

鰻裂く眼光鋭き翁かな  正則

作者熟練の写生句。翁の顔の皺も見えてくるようだ。
野島 正則 北野さん、特選、翁の皺を感じていただき嬉しいです、
ありがとうございます。



(並選)

思ひではおいていきます花は葉に   わえ

どんな思い出なのか、ストーリー性がありますね。
片山和恵 北野さん、征一さん、ありがとうございます。
思い出は…花なのできっと楽しい思い出なのでしょうか。
楽しいことも悲しいことも自然は次の季節にかわり
そこにとどまることなく確実に前に進んでいるということですね。



初蝶や空の重さを背に受け   美音

空の重さの措辞に驚嘆しました。



ランドセル親の夢詰め新入生   ひらいみつる

親の夢がいいですね。
平井充 ありがとうございます。大変なものを背負わされて
新入生も…… 背負うなら唐獅子牡丹……





(4/08)

黄砂降り少し駱駝の匂いして  夢積

黄砂の降るのを見て砂漠の駱駝に想いを飛ばしたところが凄いです。



(並選)

登校の声湧く学舎山桜  俊彦

新学期が始まり教室に集まった児童たちの賑やかな声、それを見守る山桜。
鎌田 俊彦 北野さん、有り難うございます。



柳絮飛ぶ風に我が身を任せをり  寛昭

柳の白い花が風任せてに飛んで行く。
自分もそうありたいという作者の願望が見え隠れする。
古閑 寛昭 北野さん、ありがとうございます。嬉しいです。



久々に会へて笑へて春の宵  千秋

久々に親友と会って話が弾み笑いが絶えない。春の宵はそうありたいものだ。
中野千秋 北野 和良 さま。ありがとうございます





(4/07)

春の闇伽羅の香だけ聞こえけり   秋子

闇の中に伽羅の香りが漂ってきた。香を聞くとは、心を傾けて香りを聞く、
心の中でその香りをゆっくり味わうという意味。深い闇が心を研ぎ澄ます。
Akiko Eguchi 和良さん、ありがとうございます。
そして、まさに私の思い通り、それ以上のご鑑賞に感動しております。
闇だからこそ、研ぎ澄ました心に聞こえる香があると思いました



(並選)

逢瀬には普段着で行く黄木香   真波

逢瀬に着飾らず普段着で行く。
どういったシチュエーションかがとても気になる句。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます。
ご想像を膨らませてみてください^ ^



初燕空と地の線引くやうに   ゆ

初燕の飛翔を見事に捉えている。
田中悠貴 石井さん、北野さん、ありがとうございます\( ?o? )/♪



しろがねの白川郷の霜くすべ  美音

合掌造りの白川郷も霜くすべの季節となった。
しろがねとは残り雪のことだろうか。或いは月光か。
「し」のリフレインが心地よい句。
向瀬美音 北野さん、ありがとうございます、季語に詳しい!!
どっちが電子辞書の使用量多いかな?





(4/06)

川土手の土筆はピサも射程距離   真波

伸びた土筆はミサイルそっくりだという発見。
その射程はイタリア・ピサの斜塔までという空想が素晴らしい。
石井 真奈美 北野さん、特選にいただきありがとうございます。
土手の土筆はミサイル乱立、と言う感じでした(笑)
じゃあ狙うのは?と、思った時ピサの斜塔が浮かびました。
飛んで行けそうな勢いと、新鮮さがありました。



(並選)

スイーツへ傘の行列花の雨   孝之

評判のスイーツなら雨の行列もなんのその。
原孝之 北野さん、こんばんは。ご選句と鑑賞有難うございます。
福岡市中央区桜坂にスイーツとコーヒーの店があります。
9時頃から並ぶ人が現れ、30人の行列です。今朝、激しい雨にも拘らず
傘を差して行列が出来ていました。開店は11時半頃です。



菜の花やオスプレイ飛ぶ空の下   悦子

平和な菜の花と禍々しいオスプレイとの対比。
柳堀 悦子 北野 和良 さんありがとうございます



都へと琵琶湖疎水の花筏   俊彦

花筏が都へ登る。なんと優雅な景だろう。



*手話の腕しなやかなりし雪柳   直美

手話の腕の動きを観察したところが好きです。
高井 直美 北野 和良 さん、ありがとうございます。
コメント頂いて嬉しいです(*^^*)



*ずつしりと里ごと届く蕨かな   幸子

里ごとの措辞に驚きました。
丸山幸子 北野さん??ありがとうございます。里ごとというのは、
あまりの量の多さに、送ってくれた場所に蕨がもうなくなってしまったのでは
ないかと心配になるほどで(笑)でもさっき電話で話したら
まだまだ残ってるので大丈夫だそうです。よかったです(笑)





(4/05)

一瞬の川のギヤラリー花筏  紀宣

花筏の浮かぶ水面をギャラリーと見立てたところが面白い。
つちたに jt 純一 北野さん、特選に選んで頂きありがとうございます。
また素晴らしい鑑賞ありがとうございます。励みになります。



(並選)

手を広げ落花を掬ふ園児たち  征一

楽しそうに花びらを掬う子どもたちの姿や声が目に浮かびます。
今村 征一 北野さん御選句と鑑賞有難う御座います。



天啓のやうに湧き出づ蝌蚪の群れ   仁

おたまじゃくしの群れを天啓のようにと比喩した所に一票。
西川 仁 ありがとうございます。いつの間にか生まれるおたまじゃきし。
自然の営みとはいえ、不可思議さを感じました。



木漏れ日と見紛ふばかり著莪の花  祐

陰影のある著莪の花を木漏れ日と見立てた所に脱帽です。
牧内 登志雄北野さん、並選ありがとうございます。嬉しいです。





(4/04)

今日だけの今のかたちの花筏   千秋

花筏は雲と似て不規則な形で流れて行く。
かつ消えかつ結びて元の形にあらず
今日の今だけという瞬間を切り取ったところが秀逸だ。
中野千秋 北野 和良 様 ありがとうございます



(並選)

箸初めや筍飯に迷ひなく   満徳

箸初めの幼児の可愛らしい仕草が目に浮かびます。
永田 満徳 選んで頂きありがとうございます。
旬の食材は季節を楽しむということですね。



口紅を未だ知らぬ子やしゃぼん玉   直美

未就学児の可愛らしさとシャボン玉がよく響き合っている。
高井 直美 北野 和良 さん、ありがとうございます(*^^*)



お待たせと妻の口癖辛夷咲く  無智

待たされるのはいつも男。辛夷の花を眺めて待とう。
福井 栄一郎 北野さん、選んでいただき、有り難うございます。嬉しいです。





(4/03)

ためらひも迷ひも見せず蛙跳ぶ   果連

蛙が跳ぶのを見て、ためらいも迷いもないと感じたのは、
作者の自身への願望の反映だろう。
Kazunori Kawasaki 北野 和良 様、ありがとうございます。
光栄です。^_^ 果連



(並選)

法螺貝の法の声聞き飛花落花  夢積

法螺貝とあるので山伏であろうか。
飛花落花を浴びながら法の声に耳を傾ける作者の姿が見える。
Mutumi Shinogi 北野さん有り難うございます。
熊野古道で修行僧の法螺貝を聞き、、、。



歓待の踊るキャンパス八重桜   孝之

新学期が始まり先輩の学生が新入生を迎え歓迎する賑やかな風景。
原孝之 北野さん、おはようございます。ご選句有難うございます。
毎日一句でもヒイヒイ言っております。よろしくお願い致します。



のどけしや牛の背中に夕日落つ   真波

ミレーの晩鐘のような景が目に浮かびました。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます。
晩鐘を思い浮かべて頂いたなんて、とても光栄です!嬉しいです





(4/02)

をさな等の掬ひて遊ぶ花の塵  栄太郎

散り積もる桜の花びら。大人には厄介なゴミだが、
子どもたちには愉しい飯事の種。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
新山口に居ります幼い孫達が初めて京都に来ました。
上の孫の来年のランドセルの注文と、鉄道ファンの為鉄道博物館の見学
が主な目的でしたが、帰りの日に近在の桜まつりも見学して帰りました。
坂道に積もった桜の花びらを掬って、花吹雪を作り大喜びでした。



(並選)

たぎつ瀬へ吹雪きて下る夕桜  直

激しい急流を流れ下る桜の花びら。川の音も聞こえてくるようだ。
大津留 直 北野 和良 さん、ありがとうございます。



一番に校門に触れ入学す  紀宣

入学の日、まず校門に触れて。きっと頼もしい生徒に育つだろう。
つちたに jt 純一 北野さん、並選に選んで頂きありがとうございます。
また素晴らしい鑑賞ありがとうございます。



四月馬鹿夜も来るねと言ったきり   林子

諧謔味に溢れています。
鈴木 玉恵 和良 さんありがとうございます。
事実なんですけど、面白かったみたいです。





(4/01)

吾が口に鍵をかけます万愚節   悦子

口に鍵などと出来もしない約束を。如何にもエイプリルフールらしい。
だが、某官僚は鍵を掛けたのか?
柳堀 悦子 北野 和良 さん特選ありがとうございます。
深読みして頂き感謝致します



(並選)

罰としてバンジージャンプ万愚節   林子

バンジージャンプは恐ろしい。どんな罪を犯したのだろうか?
鈴木 玉恵 和良 さん,ありがとうございます



ベーゴマの土俵に散るる桜かな  浩正

昭和の子どもたちの風景。のどかさが良い。



半熟の少女ら笑ふ卯月かな   真波

半熟の少女とは? 箸が転んでも笑う年頃か。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます。
肌はツルツル、中身はまだ未熟、寄ると触ると笑える年頃の女の子達です^ ^












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