俳句鑑賞文(復刻版)    2018 February        トップへ   

     2018   (-01)





(2/28)

うららかやバスから零る黄帽たち   秋子

先生さようなら、という園児の声が聞こえます。
バスから零るの措辞が素晴らしい。
Akiko Eguchi 和良さん、ありがとうございます。とても嬉しいです。
バスからどんどん、黄帽たちがこぼれてきて‥とても可愛かったです。
誰もが笑顔になるような、そんな光景でした



(並選)

海を見る君の眼の春愁  直

春愁に相応しいシーンが目に浮かびました。
大津留 直 北野 和良 さん、ありがとうございます。嬉しい限りです。



春あげる君が優しい風ならば  亜紀彦

このように気取らない言葉の句は初めて見た気がします。
高橋 亜紀彦 美音さん、牧内さん、和良さん、悦子さん、野島さん、
ありがとうございます。



しつかりと目標を立て君子蘭  亜仁子

君子蘭の季語の斡旋が素晴らしい。
Aniko Papp 皆さん、選んでいただき、ご鑑賞、ありがとうございます。
とても嬉しいですね。





(2/27)

休耕の土にも春の息吹あり  祐

休耕田に着目したところが鋭い観察だ。
牧内 登志雄 今日は古巣の神田でワインをしこたま飲んで帰ったら、
なんと皆さまからの選をいただき、ありがとうございます。
本日はこれにて、御礼申し上げまする、です。



(並選)

踏切を渡れば菜の花日和かな   正則

のどかな春の景色が見えました。



やわらかき巫女の鈴の音水温む  無智

どこかの神社の巫女の舞。季語の斡旋がよく合っている。
福井 栄一郎 北野さん、有り難うございます。
奈良県ては、天川村天川弁財天社の鈴が有名ですかね。



春暁の川を白鷺わたりそめ   悦子

四国遍路を歩いた時によく見た風景を思い出しました。
柳堀 悦子 北野 和良 さんありがとうございます。
歩いて回られたのですか それは凄い(^^)
車で主人と区切遍路で四年かかって回りました。
北野 和良 悦子さん、私は区切り打ちをしながらお遍路を2周しました。
⇒http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Oasis/5510/index.html
柳堀 悦子 北野 和良 さん凄いですね!
北野 和良 2周めを回るために、1年半ほど鳴門市に転居しましたよ(笑)





(2/26)

大空へ呟き初めし芽吹山  征一

中七の措辞がたくさんの草木の芽を思わせます。
今村 征一 野島さん北野さん鈴木さん桑本さん御選句と鑑賞有難う御座います。



(並選)

補陀落に続く風道春一番  夢積

風の道という想像が素晴らしいです。
Mutumi Shinogi 北野さん有り難うございます、嬉しいです。



佐保姫の香り立ちたる野山かな  真波

春ののどかな景色が浮かびます。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます



あれ勝った春のポカンとカーリング  俊克

銅メダルを賭けた最後の試合。イギリスの失投で勝利が転がり込んだ。
あれっ、勝っちゃったという瞬間をポカンと措辞した面白み。





(2/25)

遠ざかる朧月夜に下駄の音   幸

逢引を終え帰っていく(女の)人の下駄の音が遠ざかる。もうしばらく
一緒にいたかったなぁと後ろ髪を引かれているのを静かに見守る朧月。
Sachiko Yokoi Hayashi 北野様、今村様お選びくださいましてありがとうございます!
淋しい想いが伝われば嬉しいです。



(並選)

二ん月の姉妹で貰ふ金メダル   林子

スピードスケートの高木美帆、菜那姉妹の快挙。おめでとう。
鈴木 玉恵 和良 さん。ありがとうございます



海と空わたしも溶けて春霞   千秋

春ののどかな海と空。
私も霞になって漂いたいという気持ち、よく分かります。
中野千秋 北野 和良 さま。ありがとうございます



枝ぶりの見得切つてゐる臥龍梅  祐

臥龍梅の姿、見得を切るの措辞がハマりましたね。
牧内 登志雄 北野さん、並選ありがとうございます。
励みになります。





(2/24)

早朝の古刹に女人丈草忌  寛昭

内藤丈草は芭蕉の門人で忌日は陰暦2月24日。
古刹の女人もきっと俳句を嗜む人なのだろうか。
古閑 寛昭 北野さん、特選ありがとうございます。



(並選)

野放図と云ふは野梅の青空に  栄太郎

剪定の心得に「桜切るバカ、梅切らぬバカ」がある。
手入れのない野梅の枝ぶりを野放図と断じたところがお見事。



氷解や海馬は縮むポコアポコ   真波

老年になると脳(海馬も)が縮み、隙間を髄液が埋めCT画像では黒く映る。
認知症などを引き起こす悲しい現実だが、
オノマトペで笑い飛ばしているのが快い。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます。
現実は厳しいですが、負けてられません^ ^



「うまかよ」と大根差し出す指に泥   秋子

泥付きの大根、さぞかしうまいことだろう。方言表示が効いている。
Akiko Eguchi 和良さん、ありがとうございます。 本当に美味しい大根でした





(2/23)

春浅し少し過去より来た手紙   千秋

タイムカプセルなら10年、20年で開封するはず。
少し過去とはどれ位の過去か、そして手紙の中味は何だろうか?



(並選)

松を吊る縄裂く雪の重さかな  征一

縄を断ち切るほどの深い雪。雪国ならではの景が見えてきました。
今村 征一 北野さんお便りと御選句有難う御座います。



欠伸して涙ごまかす春ショール   幸子

ショールに首を埋めて涙。どんな涙なんだろう?
丸山幸子 お選びくださいまして有難うございます。
とても嬉しくてとても淋しい複雑な気持ち。笑ってしまうぐらい不器用な自分。
でも涙を欠伸が慰めてくれた気がしました。



春追ふや君の記憶を追ふやうに  祐

追憶の君を追う。上五の追うとのリフレインが効いている。
牧内 登志雄 北野さん、悦子さん、お選びいただきありがとうございます。





(2/22)

風花や無邪気に返すたなごころ   林子

舞い落ちる風花を掌に受けてみる、そんな子供心を持ち続けていたい。
鈴木 玉恵 北野 和良さん、ありがとうございます。
涙が出るほど嬉しいです。



(並選)

古寺の人呼ぶ頃や牡丹の芽  無智

牡丹で有名な古寺。芽もほころび始め人々が訪れてくる。
福井 栄一郎 北野さん、選んでいただき、有り難うございます。



残る雪兜太不死身となりにけり  直美

兜太氏は逝っても、俳人の心のなかに永遠に生き続ける。
高井 直美 北野 和良 さん、おはようございます。
ご選句ありがとうございます(*^^*)!



春の宵けふはにやんにやん猫の日や  正則

2月22日を猫の日と定め普及活動をしている団体があるらしい。
今夜は久々ににゃんにゃんするか・・・
野島 正則 Lovry





(2/21)

春星の秩父に墜つや兜太逝く  栄太郎

兜太氏98歳で逝く。黙祷。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
俳句の目指す所の違いはあるものの、偉大な俳句の巨星にはかわりませんね?
・・・「まんじゅしゃげどれも腹出し秩父の子」は、
昭和の貧しい田舎の子供等の明るく元気な姿が、特に好きな句でした。
東大卒ながら、権力に阿る事無く信念を貫いた姿は敬服に値します。
昨日の新聞より金子兜太先生の特集ばかりです。



(並選)

春風や下校児走る青信号   悦子

整然と歩く子よりも走る子の方が頼もしく思えます。
柳堀 悦子 北野 和良 さんありがとうございます?。
走りながら挨拶する子供たちから元気もらえます



だまし繪のやうに廣がる春の雲  祐

そんな雲の形、ありますね!
牧内 登志雄 北野さん、並選いただきありがとうございます。



梅満開さて次のこと始めねば  中野千秋

次のこと、いろいろと想像が浮かびます。





(2/20)

真つ先に出でし雪間の陶蛙  征一

積もった雪が溶け始め頭を出す陶蛙。雪国の庭の風景が見えます。
今村 征一 緒方さん北野さん特選有難う御座います。



(並選)

目の前に菜の花蝶と化しにけり  亜仁子

菜の花と蝶はありきたりの組み合わせだが、蝶に化けたという発想が素晴らしい。
Aniko Papp 選んでいただき、ご鑑賞、ありがとうございます。嬉しいですね。



遮断機の上がり行き交ふ余寒かな  栄太郎

踏切の光景を切り取って見事。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
阪急京都線の鈍行近くの踏切の遮断機です。特急、急行、
普通電車と続き、寒いのに中々開きません。



数独もクロスワードも目刺し食む  紀宣

私もパズルが大好きだ。私の場合は目刺しではなく柿の種だなぁ。
つちたに jt 純一 北野さん、並選に選んで頂きありがとうございます。
嬉しいです。柿の種や、チョコレートの場合もたまにあります。(笑)





(12/19)

春動く新幹線に飛び乗りて   林子

新幹線の旅の喜びが季語と響き合っている。
鈴木 玉恵 和良 さん、ありがとうございまーす。嬉しいです



(並選)

春時雨あの日の傘を差してみる   秋子

あの日にどんな思い出があるのか、ストーリーの続きは?
Akiko Eguchi 和良さん、ありがとうございます。
あの日は‥‥同じような春時雨の日‥あとはご想像におまかせいたします



産土のちから貰ひて雨水かな  寛昭

雨水、春の到来の歓びと郷土への感謝。
古閑 寛昭 北野さん、ありがとうございます。



君逝きて村はミモザの盛りなり  直

大切な人を失った哀しみをミモザの花が慰めてくれている。
大津留 直 北野 和良 さん、ありがとうございます。





(2/18)

四阿にふたり無言の春時雨   秋子

せっかくのデートに生憎の時雨。四阿に雨宿りする二人は無言。
この後の展開が気になる。
Akiko Eguchi 和良さん、ありがとうございます。
無言に押し潰されそうになってます



(並選)

ぷつくりと膨れっ面や蕗の薹   真波

蕗の薹を膨れっ面と見たところが面白い。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます。
うちの蕗はちょっと大きいみたいです。



空を見る節分草の笑顔かな  亜仁子

節分草は背丈も低く空を向いて咲く。笑顔と見立てたところに共感します。
Aniko Papp 選んでいただき、素晴らしいご鑑賞、
ありがとうございます。とても嬉しいですね。



半歩だけ歩幅拡げて春心地   幸

半歩だけ、が素晴らしい。
Sachiko Yokoi Hayashi お選びくださいましてありがとうございます!
嬉しいで〜すっ!





(2/17)

白梅や逢はなくなりてよりの髪   千秋

この句をどう鑑賞しようかと迷ってしまった。
白梅は昨年二人で一緒に見た梅の花だろうか。
あの後逢わなくなり私は髪を切るのをやめ、
こんなに長く肩まで伸びてしまったが、いまあの人はどうしているのだろう。
今年も白梅は咲き始めたが、歳々年々ひと同じからずだ・・・
中野千秋 北野 和良 さま、ありがとうございます。
そして、素敵な鑑賞もありがとうございます。
はい、そんなことを意識して作句しましたです。



(並選)

スケートの緩急巧み技光る   林子

平昌の羽生結弦くん、金メダルおめでとう。
鈴木 玉恵 北野 和良 さん。ありがとうございまーす



頂点に立ちて涙や春の夢  悦子

平昌の表彰式、金メダルも貰った選手たちの目には涙。
柳堀 悦子 北野 和良 さん御選と感想ありがとうございます。
今日の羽生結弦選手の目にも



氷上の飛沫の高き金メダル   わえ

結弦くんの金メダル。氷の飛沫に着目した佳句だ。
片山和恵 北野さん、永田先生、ありがとうございます。
水泳の飛び込みのようにしぶきをあげることが上手とは言えないこともありますが、
ここではオリンピックのスケート競技にかける選手の意気込みや、
白熱さを飛沫で詠んでみました。





(2/16)

地蔵尊守る苔にも春兆す  夢積

古い地蔵尊の苔に着目したところが秀逸。
その苔も青みが増し春の訪れを告げている。
Mutumi Shinogi 北野様有り難うございます。
苔の移り変わりを評価してくださいまして嬉しいです。



(並選)

六畳の大凧手にも走る空  播磨陽子

大凧揚げ。下五が実感を伝えている。
播磨 陽子 北野さん、ありがとうございます。嬉しいです。



如月の雪氷に燃ゆ闘志かな   真波

平昌五輪の各国選手の熱闘。頑張れニッポン!
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます。
ワクワクして観ています。



湧水の砂立ちあげて水の春  寛昭

水前寺公園の池を思い出しました。
古閑 寛昭 北野さん、ありがとうございます。





(2/15)

あけぼののつぼみに蝶はうまれけり   播磨陽子

つぼみに蝶が生まれるというファンタジー性に一票。
播磨 陽子 美音さん、北野さん、ご選句ありがとうございます。



(並選)

土砂降りを発ちし機窓に春の星  直

空港は土砂降りだったのに上空に来ると雲を抜け春の星が煌めいている。
時間の経過を感じる写生句だ。
大津留 直 北野 和良 さん、ありがとうございます。大変嬉しく存じます。
四十年以上前、羽田を発ち、ドイツへ向かった時の光景です。



引き出しに眠る校章桜かな  美音

いつの時代の校章だろうか。私の大学の校章はイチョウだったなぁ。
向瀬美音 北野さんありがとうございます。私のは桜が二つです。



寒明し足踏みオルガンふがふがと  秋子

ふがふがとのオノマトペが絶妙ですね。





(2/14)

水温む男料理の塩胡椒  寛昭

男の料理はレシピなど無視してアバウトに!
古閑 寛昭北野さん、ありがとうございます。



(並選)

合格を告ぐる口調の素っ気なく   播磨陽子

本当は大はしゃぎしたいのをグッと抑えたんでしょうね。
播磨 陽子 北野さん、野島さん、ご選句ありがとうございます。
ほんと、静か〜に合格を告げてきました。



朧夜や連れさらわれし夢を見る   真波

昔略奪された七人の花嫁という西部劇がありましたね〜
石井 真奈美 北野さん、御選句ありがとうございます。
西部劇はシェーンと、荒野の用心棒、しか、わからなくて



夫に書くバレンタインのラブレター   悦子

SNS全盛の世に手書きの手紙コンテストが流行りとか・・・
柳堀 悦子 北野 和良 さんありがとうございます。
まだ受付中ですよ。今月28日迄。
夫から妻へもオッケー!です。如何ですか?
http://kamitsubu.com/campaign/loveletter/2018/





(2/13)

玲瓏の美を奏でたり白辛夷   真波

白辛夷の花を称えるのに、美を奏でと措辞したのが素晴らしい。
石井 真奈美 北野さん、ありがとうございます。
やっと咲き始めました^ ^



(並選)

水平線まで歩けさう春の海  栄太郎

穏やかな春の海が目に浮かびます。
桑本 栄太郎 柳堀さん、北野さん・・・大変有難う御座います!!。
冬の間はあれほど荒れ狂った海も春となって見渡す限りの凪となり、
水平線の彼方まで歩けそうに思えました。



春星や絵本のなかは舞踏会   千秋

シンデレラの絵本だろうか。
中野千秋 北野 和良 さま。ありがとうございます



きつかけと成りし義理チョコ浮かれ猫  正則

義理から本命に格上げ、バンザイ!!
野島 正則 北野さん、ありがとうございます。





(2/12)

白嶺をなぞる噴煙麦を踏む  寛昭

大きな景のなかに麦を踏む人にスポットを当てズームインが素晴らしい。
古閑 寛昭 北野さん、特選ありがとうございます。



(並選)

雪の朝路地に谺す子らの声  無智

雪に遊ぶ子どもたちの声が聞こえてくるようだ。
福井 栄一郎 北野さん、選んでいただき、また素敵な鑑賞をいただき、
有り難うございます。



同席の恋のライバル梅ましろ   悦子

梅見茶屋での一場面か。
柳堀 悦子 北野 和良 さんありがとうございます。
モテる男は辛いですね?? 明日はバレンタイン!!



探梅に心の弾み句に写す  夢積

詠者の俳句への姿勢が覗える。
Mutumi Shinogi 北野様有り難うございます嬉しいです。





(2/11)

小(ち)さき爆発まんさくの花薫る  浩正

小さき爆破の措辞が新発見。
藤倉浩正 北野 和良 さん 特撰なんて光栄です。花を見ていると
一つ一つがクラッカーのように爆発しているのです。



(並選) タイムトンネルありさうな梅古木  紀宣

梅の古木の幹に洞、覗き込みたくなるタイムトンネル。
つちたに jt 純一 北野さん、並選に選んで頂きありがとうございます。
嬉しいです。また素晴らしい鑑賞ありがとうございます。



白梅や万葉の空偲びをり   果連

梅は中国から伝わり、万葉の頃は白梅、平安になると紅梅が好まれた。
Kazunori Kawasaki 北野 和良 様、ありがとうございます。光栄です。^_^ 果連



人肌に建国の日の純米酒   正則

奇しくも私の誕生日。純米酒頂きます。
野島 正則 北野さん、選をいただきありがとうございます。
この日の誕生日は、おめでたいです。。





(2/10)

香りごと闇に溶けたり梅の花   真波

夜の闇にまぎれて強い花の香、中七が見事です。
石井 真奈美 北野さん、特選にお選びくださり、ありがとうございます。
夜の方が、なんとなく香りが立つ気がします^ ^



(並選)

駄菓子屋の笛吹きラムネ春近し  紀宣

グリム童話「ハーメルンの笛吹き男」を思い出しました。
つちたに jt 純一 北野さん、並選に選んで頂きありがとうございます。
また素晴らしい鑑賞ありがとうございます。



潮に尻濡らし屈まり磯菜摘む  栄太郎

海辺に住む人々の春の楽しみ。尻濡らしに滑稽味がありますね。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
今頃の時季になれば、田舎鳥取子供の頃が頻りに想われます。
日毎に海が穏やかな凪ロなれば、岩海苔掻き、磯菜摘みによく海へ行きました。
穏やかな凪と思っていても、時折海水が膨らむように盛り上がり、
お尻を良く濡らしていました。
北野 和良 先日〈高波は千に三つとや春の海〉と詠みましたが、
千に三つの割合で普段の波の三倍の波がくるそうです。きっとそれですね。
桑本 栄太郎 北野さん・・・子供の頃は海が凪ぎでも大きな声を立てれば、
高波が来ると信じていました。その為お互いに「シー!!」と顔を見合わせて、
静かにしていました。



芹摘みて恋愛運の上向きに  亜紀彦

芹摘みにこんなご利益があろうとは!




(2/09)

あの言葉まだ言い出せず梅ふふむ   秋子

蕾のまだ膨らまぬ思春期の少女のまだ言い出せぬ言葉。
ストーリーがとても気になる。
Akiko Eguchi 北野 和良さん、ありがとうございます。
心から嬉しいです。素敵なご鑑賞もありがとうございます。
まさに思春期のあの頃、ひとり悶々としていた頃を詠みました



(並選)

蒟蒻といへど痛かり針供養  寛昭

俺の身にもなってくれと蒟蒻の弱音。
古閑 寛昭 北野さん、ありがとうございます。



つま先で覗く少女に初音かな   悦子

鶯を驚かさぬようそっと近づく少女。上五が素晴らしい。
柳堀 悦子 北野 和良 さんご選ありがとうございます。
お褒めの言葉光栄です



いななきに鼻の煙りて余寒かな  播磨陽子

あまりの寒さに馬の鼻息も白い煙に・・・・
播磨 陽子 北野さん、ありがとうございます。嬉しいです。





(2/08)

邪念消え誌想漲る寒の月  夢積

冴え冴えとした心境で次々と詩想が浮かぶ、羨ましい限り。
Mutumi Shinogi 有り難うございます嬉しいです。



(並選)

濃紺の車夫の脚絆や春吹雪   秋子

俥夫の濃紺の脚絆をクローズアップしたところがお手柄だ。
Akiko Eguchi 北野 和良さん、ありがとうございます。
とても嬉しいです。雪の中を走る車夫の脚絆はしみじみと濃紺とイメージしました。



正座して本読む吾子や桃の花  無智

正座して本を読む、きっと娘さんなのだろう。
福井 栄一郎 北野さん、選んでいただき、有り難うございます。
実際は孫娘で、書道を習うようになって、身に付きました。



受話器よりお国訛りや春の雪  美音

年をとるに連れお国訛りに愛着を覚えます。





(2/07)

斑雪嶺に斑雪嶺かさね奥秩父   草民

斑雪に覆われた奥秩父の山々、雄大な景色ですね。
山野辺 茂 北野さん、ありがとうございます。



(並選)

斑雪嶺や村にひとつの喫茶店   久美子

鄙びた農村の佇まいが浮かびました。
(余談ですが人口5万人の当市には本屋が一軒もありません。
こんな市は全国に三つだけだそうです)
山田久美子 北野 和良 様、選を頂きありがとうございます
柳堀 悦子 北野 和良 さん五万人で本屋さんがないとは
図書館はあるのですか?
北野 和良 悦子さん、お早うございます。市の図書館は2つあり、
一つは徒歩7分ほどの場所にあり、便利に使っています。
本屋は隣市のモールやAmazonを重宝しています。



さつきまで光でありしさよりかな   千秋

水面を飛ぶように泳ぐサヨリ。中七の措辞が素晴らしい。



杉玉をもてあそぶ風春浅し  播磨陽子

新酒の秋には青かった杉玉も茶色に枯れてきた。
春風に弄ばれてぶーらぶら。





(2/06)

ポン菓子のやうにふくらみ梅ひらく  栄太郎

ポン菓子の比喩がすばらしいですね。
桑本 栄太郎 野島さん、北野さん・・・特選にお選び頂き、大変有難う御座います!!。



(並選)

凡百をきわめて白し梅の花   果連

真っ白な梅の花が目に浮かびます。
Kazunori Kawasaki 北野 和良 様、ありがとうございます。励みになります。^_^ 果連



示現流一撃一刀冴返る   悦子

時代小説が好きで薩摩示現流もよく出てきます。
刀を頭上に高く挙げ、チェストの掛声と共に一撃必殺。
柳堀 悦子 北野 和良 さん御選ありがとうございます。薩摩隼人の必殺技
今でも 鹿児島の少年剣士たちに受け継がれていると知りました。



手弱女を慕ひて激し御神渡  播磨陽子

御神渡の季語の説明っぽいところもあるが、中七の措辞がそれを乗り越えている。
播磨 陽子 北野さん、ご選句ご鑑賞ありがとうございます。とても嬉しいです。
御神渡、調べてみたら、とても情熱的な季語のように思い、このように詠みました。
北野 和良 上諏訪の上社の男神が下諏訪下社の女神へ渡る、
と言うのは季語の説明にありますから、そのことは言わなくても
分かるという前提で、どのように詠むかが難しいところですね。
下の方の野島さんの句は湖底の産声というフィクションで
纏められたところがユニークだと思いました。
播磨 陽子 そうなんです。ご指摘の通り、説明っぽいなあという自覚はありました。
でも、御神渡りの音の激しさをテレビのニュースで知って、その激しさがとても心に残りました。
私にはやっぱりこうとしか詠めませんでした。御神渡りは益荒男のようでした。
今年、5年ぶりの御神渡りだったそうですが、農作物の占いはどうなったのか、
ニュースの続きも気になっています。





(2/05)


春の水我が身の澱を押し流す   真波

身に溜まった澱を押し流してくれという詠者の願望に共感します。
石井 真奈美 北野さん、恐れ入ります。
清らかな水で、澱だらけの身をすっきりさせたいです^ ^



(並選)

春立てと打てる小太鼓大太鼓  直

どこの神社かは分からないがとてもリズムよく音が聞こえてくる。
大津留 直 北野 和良 さん、ありがとうございます。



膝小僧露はJK春立てり   正則

スカートから膝っ小僧を晒す元気なJK。春はいいなぁ。
野島 正則 北野さん、選をいただきありがとうございます。春ですね〜



春の雪君の睫毛に纏ひ付き   秋子

雪がくっつくほど長い睫毛、そこに惚れたのよ〜
Akiko Eguchi 北野 和良さん、ありがとうございます。
わーそんな感じです。男性の目線!で、美しい女性を詠んでみました





(2/04)

蒼天に春の字ひとつ輝けり   林子

待ちかねた春が来たのを喜んでいる詠者の気持ちに溢れた句だ。
雲の形が春の字とも解されるが、むしろ心象の反映なのだろう。
鈴木 玉恵 北野 和良 さん ありがとう(*^^*)
さて、今日削られた言葉はなんでしょう?
北野 和良 雲 かな?
鈴木 玉恵 太陽なの(*^^*)放射状に光りを、放ってるのを見て、
「春」字だなと思いました。雲ひとつない晴天の立春でした



(並選)

堰越ゆる雪解の川の速さかな  祐

春を見かえた川の景色が鮮やかに浮かんでせせらぎの音も聞こえてくるようだ。
牧内 登志雄 北野さん、ありがとうございます。
雪解の川の豊かさ、春に向けての句でした。



春の来し宅配便のやうに来し  亜紀彦

宅急便のようにとの措辞が秀逸。時間に正確と解するのか、
或いは当てにならないと解するのか。
高橋 亜紀彦 和良さん、ありがとうございます。



身の内の鬼と語らい豆を撒く 夢積

鬼は外に居るのではなく、心の中に棲む。その鬼を豆とともに放り出す。
鬼は素直に出ていくだろうか?





(2/03)

探梅や古刹の屋根の苔むして  寛昭

目当ての梅の花はさておき、古刹の苔に着目する。
食前酒のようなものだろうか。
この後、じっくり眺める梅が待っている。
古閑 寛昭 北野さん、特選ありがとうございます。
藁葺きの屋根が何とも言えない風情がありました。



(並選)

笹鳴の饒舌てふ軽さかな   果連

笹鳴きは女高生のおしゃべりのよう。
Kazunori Kawasaki 北野様、ありがとうございます。
うれしいです。^_^ 果連



寒紅に染めし指先恥じらひて   幸

口紅を指で延す。逢瀬の前の一瞬のときめき。
Sachiko Yokoi Hayashi 向瀬様 北野様
お選びくださいましてありがとうございます!
ちょっぴり色っぽい感じでしょうか



梟の見つめる夜のしじまかな   真波

暗がりの中にじっと目を光らせる梟、夜の静寂が伝わってくる。
石井 真奈美 北野さん、御選句ありがとうございます。
一年に一、二度、梟に出会います。



寒牡丹スリット光充つ藁囲い  無智

雪囲いを通す陽の光をスリット光と楚辞するのに苦労されたと感じた。
福井 栄一郎 北野さん、その通りです。それで、あえて藁囲いとしました。





(2/02)

山茶花の紅さ極まる売家かな  順一

紅い山茶花の花を愛でながら、下五での場面展開の意外さが秀逸だ。
緒方 順一 北野さん、美音さん、ご選句ありがとうございます。
家は一軒家ですが庭がなく、山茶花の美しい庭のある家に惹かれます。



下校児の雪投げあって鬼は外   悦子

小学生の雪玉で追儺のまねごと。楽しそうな声が聞こえてくる。
柳堀 悦子 北野 和良 さんありがとうございます。
賑やかな雪解の下校風景でした。



墨を練る音なき音や寒の月  夢積

中七の音なき音に惹かれた。ただ、墨を「練る」の鑑賞に迷ってしまった。
書家は墨を「する」ことを「練る」と言うのだろうか、分からない。
或いは墨職人が原料を練り合わせている場面なのだろうか。
Mutumi Shinogi 北野様有り難うございます、隣町が書道の墨の
工場があり蝋燭の煤を集め練り堅めて作ります。





(2/01)

一行の差一万キロ霜夜かな   美音

先達の句も自分の句も、同じ17音たったの一行なのに、
その詩境には一万キロもの差がある。追いつくにはどうすればよいのか!
向瀬美音 北野さん、山田さん、佐野さんありがとうございます。
初めは3段切れに見えるからといって二行詩にこだわっていましたが、
一年やって、なぜ二行なのかをわかる人が少なく、日本だけではなく、
世界水準が三行なので、とてつもなく疲れました。
そして最近考え始めたことは季語で語らせる、ということに重点を置いた方がいいのでは、
です。明日からは季語で攻めていこうと思います。この一行の差にヘトヘトに疲れ、
悩まされました。5+7+5か、5+12、12+5 かということです。



(並選)

雑草と云えど名のあり日脚伸ぶ  栄太郎

人は簡単に雑草と呼ぶがどの草にもちゃんと名前がありそれを知らないだけ。
(人は私を雑草のようにしか見ないが、私にも矜持があるのに・・・・)
桑本 栄太郎 Kazunori Kawasakiさん、能美さん、牧内さん、北野さん、
Sachiko Yokoi Hayashiさん・・・大変有難う御座います!!。
日毎に日差しに力が漲り、も間もなく目立ちの季節ですね?
雑草と言う草は無く、それぞれの名前知れば春の到来も実感出来ます。



必勝のはちまき確と春隣  寛昭

中高生の学校マラソンの風景と読ませてもらった。
必勝の鉢巻に生徒の意気込みが見て取れる。
古閑 寛昭 北野さん、選句と素晴らしい鑑賞ありがとうございます。
嬉しいです。



鰭酒のお代り二杯までらしく  祐

二杯までなどの規則があるとは知らないが、
強い酒だから飲みすぎないようにとの親切心か、
はたまたもっと高い酒に切り替えろという商売心か?
牧内 登志雄 北野さん、並選ありがとうございます。
この店は「ひれ酒」のお代わりができるんです。一杯目のヒレを残しておいて、
また熱々のお酒を注いでくれるんです。初めての時、三杯目をお願いしたら
「いや〜、香りも出ないので二杯までですね」。周りの客と一緒に笑いました。
北野 和良 牧内さん、思い出しました。鰭を残してもう一杯追加。
私は酒にそれほど強くないので、2杯目で十分でした。



冬夕焼古き響きの奈良太郎  無智

奈良太郎が東大寺大鐘の愛称だと初めて知り勉強になりました。
有難うございます。












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