俳句鑑賞文(復刻版)    2017 December        トップへ   




(12/31)

清濁を呑み込み払ふ除夜の鐘   幸

除夜の鐘が鳴り始めた。あぁ今年も終わり新しい年が始まる。
世間には良いこと、悲しいこと、腹の立つことなど色々あったが、
鐘はそれらを区別すること無く 洗い流してくれているようだ。
(中七を、合わせて払ふとしては如何でしょう)
Sachiko Yokoi Hayashi 北野様、牧内様
明けましておめでとうございます。
お選び戴きありがとうございます。
108つの煩悩を呑み込み背筋を伸ばして新たなステージへと進みます。



(並選)

久しぶり弾ける笑顔大晦日  俊克

都会に出ている子供たちが帰省し、久しぶりに家族が揃い笑顔が絶えない。
来年が良い年になりますように。



除夜の鐘島にひとつのお寺かな   白と玉

小さな島のたった一つの寺の除夜の鐘。
静けさの中に鐘の音だけが響いている
木野本伸行 北野 和良 さん。ありがとうございます。



ひととせは一夜のごとし除夜の鐘  美音

除夜の鐘が鳴り出した。思い返せばあっという間の一年だった。
来年はどんな年になるだろう。
向瀬美音 北野さん、ありがとうございます。
嗚呼2018私はどこにいるのだろう?今





(12/30)

買い忘れきびすを返す年用意  浩正

あれこれと買い揃えた帰り道、ふっと「あ、あれを買い忘れた」
と気づき踵を返す。私などもよくありとても共感できる。
藤倉浩正 北野 和良 さん 特選なんて光栄です。ありがとうございます。
「おっちょこちょい」なのでよくあることなのです^^”



(並選)

言霊の結界となる注連飾り  亜仁子

注連縄は不浄なものの侵入を禁ずる印として張るもの。
邪悪な言葉の結界にもなるのだ。
Aniko Papp 皆さん、選んでいただき、素晴らしいご鑑賞、
ありがとうございます。とても嬉しいですね。



古暦外し芭蕉の句と変える  紀宣

今年の暦を外し、代わりに芭蕉の句を貼った詠者。
来年は良い句が詠めるようになりますように。
つちたに jt 純一 北野さん、並選に選んで頂きありがとうございます。
嬉しいです。



イマジンを聴きながらゆく年の市   果連

音楽プレヤーのイヤホーンで聴きながら年の市へ。曲は大好きなイマジンだ。
Kazunori Kawasaki 北野 和良 様、ありがとうございます。^_^ 果連





(12/29)

静けさや海に詩のあり伊勢の冬  夢積

伊勢の海と聞くと二見ヶ浦や英虞湾が目に浮かぶ。
(新婚旅行で訪れた思い出の場所だ)
その静かな海には詩があると詠者は感じた。
どんな詩なのかとても気になる。
Mutumi Shinogi 北野和良様、おはようございます、
特選にお選び下まして有り難うございます、山口誓子の句、
うみに来て木枯帰るところなし他、、、昭和19年療養のため
鈴鹿市鼓ヶ浦の浜辺の近くに居を構ていて伊勢湾の句を沢山詠れて
私の住まいも近く海にはいろんな思いがあります。



(並選)

西の空キヤンバスにして冬入日  祐

冬晴れの日の日暮れ時、空を茜色に染めながら夕日が沈んでいく。
まるで絵のような景色が目に浮かぶ。
牧内 登志雄 北野さん、並選ありがとうございます。
冬の澄み切った空に沈む夕日は雄大で美しいですね。



日向ぼこベンツで夢を見る仔猫   孝之

昔は高級車の代表だったベンツも今や国産車並みに手に入るようになった。
ドライブから戻った車のボンネットは程よく温まって最適のベッドだ。
温かい床に腹ばいになって仔猫はどんな夢を見るのだろうか。
原孝之 北野さん、こんばんは。ご選句と鑑賞有難うございます。
本日、黒い新車のベンツのボンネットに仔猫が居日向ぼこを
して居眠りをしていました。この仔猫の将来やいかに?と思いました。
ベンツのオーナーに助けられて幸せな暮らしを出来るかもしれません。(笑)



初夢や昔の彼と今のひと   美音

一読みして、山口百恵のプレイバックを思い出した。甘い初夢。
向瀬美音 北野さん、ありがとうございます。昨日みた夢に
元カレが出て来てそれが他の人に代わり夢って不思議

♪〈声がちがう 年がちがう 夢がちがう ほくろがちがう ごめんね
去年のひとと またくらべてる〉(イミテーション・ゴールド)
 だった。





(12/28)

二世紀を生きし花瓶や年の暮   直美

二世紀と言えば江戸時代に作られた花瓶だろうか。
その花瓶に正月の花を心を込めて活けようとしている詠者の姿が見える。
高井 直美 北野 和良 さん、おはようございます。
特選とご選評をありがとうございます!ご選評のとおり、お正月の花を、
思い出深い花器に活けました。共感頂いてとても嬉しいです。
どうぞ良いお年をお迎え下さい。



(並選)

寒柝の団地にひびく夜更けかな  栄太郎

火の用心を呼びかける自警団の声が聞こえてくる。
懐かしい風景だが、最近の大型高層住宅ではもう見られないだろう。
桑本 栄太郎 北野さん、美音さん・・・大変有難う御座います!!。
当地は大型団地であり、夜ともなれば自警団の寒柝が響いています。
音が団地の建物に反射してとても情緒があります。



キャリーカバン引きづる女年の暮  正則

きゃりーカバンを持って何処へ? 故郷へ帰省
或いは休暇を利用して海外旅行だろうか?
野島 正則 北野さん、ありがとうございます。
成田に向かう電車でしたから、きっと海外でしょうね(*^_^*)



発見を俳句にするぞ日記買ふ  亜仁子

新しい日記帳。俳句に真摯に取り組む詠者の覚悟が見える。
Aniko Papp 選んでいただき、ご鑑賞、ありがとうございます。嬉しいですね。





(12/27)

息の合ふ二人は夫婦餅を搗く  征一

男が杵を突き、妻が鮮やかな手つきで餅を裏返す、名コンビの餅つき。
今は家庭用の餅つき機なども売られていて
ほとんど見られなくなった懐かしい風景だ。
今村 征一 石井さん北野さん牧内さん大津留さん山田さん
古閑さん柳堀さん御選句と鑑賞有難う御座います。



(並選)

吹き荒ぶ武州颪やおでん酒   悦子

武州颪の吹きすさぶこんな夜はおでん酒で温まろう。
柳堀 悦子 北野 和良 さんありがとうございます。
駅の近くは飲み屋さんだらけです



日捲りの厚き暦や年用意  寛昭

来年の日めくりカレンダーを用意した。
一年365日の厚みを感慨深く眺めている。
古閑 寛昭 北野さん、ありがとうございます



冬の月明るい国と暗い国   孝之

原さん、お早うございます。遅くなりましたが並選に頂きます。
月が見透かす明るい国と暗い国、戦争やテロのない日本を有難く思います。
原孝之 北野さん、おはようございます。
ご選句と鑑賞有難うございます。日本は本当に幸せな国ですね。
明治維新150年の来年、明治の遺産を使い尽くしてしまったように思います。





(12/26)

百均の品揃へにも年用意   正則

最近の百均には正月用の品揃えも豊富になったので、
ここで買い揃える人も増えたという世相を良く捉えている。
野島 正則 北野さん特選、鑑賞ありがとうございます。
百均、何でも揃う時代ですね(*^_^*)



(並選)

雪消ゆるLINE画面の既読無視   孝之

原さんは若者と同様にLINEを使いこなしておられるようだ。
原孝之 北野さん、こんばんは。ご選句と鑑賞有難うございます。
クリスマスイブとクリスマスにLINE画面に雪が散らついていました。
しかし、昨晩には、雪が消えていたのです。これをクリスマスの別れに
脚色してみました。既読無視は、失恋ということです。(泣)



クリスマス日本列島八百万  寛昭

日本人は山川草木岩など全てに神を見る。キリストもその一人にすぎないのだ。
古閑 寛昭 北野さん、ありがとうございます。その通りですね。



冬の波群青の波逆巻けり   真波

群青の海に逆巻く波の雄大な景色だ。
(「波」が二度出て来るのが惜しい感じもする。
群青の波⇒群青のまま、ではどうだろう)
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます。
強風に飛沫を上げて次々と襲い来る波を表現したくて、波を重ねてみました^ ^





(12/25)

それぞれの聖夜抱えて街灯る   林子

(宗教観を離れて)クリスマスは国民的行事となっている。
街に家々に夫々のクリスマスがあり、街は電飾で華やかだ。
聖夜を穏やかに楽しめるこの国に感謝したい。
鈴木 玉恵 和良 さん。ありがとうございます(*^^*)
娘がパティシエールなの。クリスマスは楽しいばかりじゃない。
色んな人がいるのだと、街の灯を見て思いました。



(並選)

トナカイのインフルエンザやバイク便   久美子

トナカイが風を引いたので仕方なくバイク便! 発想の飛躍が面白い。
山田久美子 北野 和良 様、ありがとうございます。 励みになります。



東京湾縁取り眩しイブの夜  真波

東京湾にはレインボーブリッジもあり、華やかなイルミネーションで飾られている。
縁取りという措辞が秀逸だ。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます。
空からみると、ほんとに綺麗です。対照となる海や山が底抜けの闇です。



赤信號ふと振り返る雪をんな  祐

先にある赤信号の傍に雪女が立っていてこちらを振り返りおいでおいでと招いている。
思わずつられて付いていきそうだ・・・・
牧内 登志雄 北野さん、並選ありがとうございます。
きれいな雪女さんならついていきます。





(12/24)

門限を赦す厳父の聖夜かな  夢酔

日頃は厳しく娘に門限を守らせている父も、聖夜だけは目を瞑るしか無い。
父親の葛藤の心理が悲しい。父権はどこへ行ったのか?
室木 助樹 ありがとうございますw



(並選)

牛舎にも監視カメラやクリスマス  寛昭

ドラマでもニュースでも監視カメラは犯罪の抑止の意味合いが強いが、
今では牛舎にもあるという。これは牛を見守る優しいカメラだ。
古閑 寛昭 北野さん、ありがとうございます。
産気付いた牛を視るために有ります。



とりあえず神を鞍替え聖夜かな   ひらいみつる

今宵だけは俄キリスト信者に。鞍替えの措辞が面白い。
上五は一夜だけ、にしたらどうか。
平井充 ありがとうございます!
そうですね。それの方がいいですね



太鼓焼ふたつに割つて母娘   悦子

太鼓焼を仲良く割って食べる仲良しの母娘。
昔一杯のかけ蕎麦というエピソードが流行ったが、
それに比べると明るい半分こだ。
柳堀 悦子 北野 和良 さんありがとうございます。
母はいつもこういうので 一個食べたい私は我慢の半分になるのです。
(*≧∀≦*)





(12/23)

蟠り水に流して年用意  寛昭

年用意の時期が来た。どなたかとの諍い・蟠りも水に流して
気持ちを入れ替えて準備をしよう。潔い気持ちが爽やかだ。
古閑 寛昭 北野さん、特選ありがとうございます。嬉しい限りです。



(並選)

冬至湯や浮かびし物を沈めては    林子

冬至湯に浮かんだ柚子は沈めても沈めても浮かんでくる。
私だってへこんではおられない。きっと浮いてやるぞ〜
鈴木 玉恵 ありがとうございます(*^^*)
子供のように、15個の鬼柚子を次々に叩いて遊んでみました



ふっさりと誂え凝らし貉行く   真波

貉(むじな)がふっさりとした毛を自慢げに歩いている。
或いは狢の襟巻を着て颯爽と歩く女性だろうか。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます。
夜道を走っていると、コロコロと肥った上、フサフサの毛で覆われた
狸と出会います。悪さもしますが、ちゃんと冬支度もして元気に毎日を
過ごしてると思うと、なんとなく嬉しいし、親しみ湧きます^ ^、



干し芋の黄金飴色冬麗  俊克

茨城県はサツマイモの生産が自慢。
干し芋は贈答用にも自家用にも喜ばれている。
食べ始めるとなかなか止まらないほど美味い。





(12/22)

風の哭くおせんころがし冬の海   真波

おせんころがしを調べたら、「昔おせんという娘がいて、村人を苦しめる
強欲非道な父親を改心させようとしたが、改心は無理と悟り、
この崖から身を投げた」という伝説があるようだ。おせんころがしは、
親知らず子知らずや大歩危小歩危のような危険な街道だったようだ。
今は新道が完成し交通の難所ではなくなっているが、冬の風の強い日には
ここから海を眺めると昔の悲劇を思い浮かべるのだろう。
石井 真奈美 北野さん、特選いただきありがとうございます!
危険ですが、美しい海岸線です。ずっと銚子方面に北上すると、
東洋のドーバーと言われる屏風ヶ浦があります。



(並選)

曾祖母の秘伝伝承大根干す   幸

大根を干すのにも秘伝がある。我が家は曾祖母のやり方を今も守っている。
Sachiko Yokoi Hayashi ありがとうございます
私も祖母と母を飛び越えてはりはり漬けを作り続けております。



夕暮れて柚子湯の香る女坂  祐

女坂が具体的に何処かは分からないが、街中なのだろう。
夕暮れ時にゆず湯の匂いが漂ってきた。
そうだ今日は冬至だった・・・・
牧内 登志雄 原さん、北野さん、お選びいただきありがとうございます。
励みになります。



あの人の一言冬の薔薇の棘  美音

あの人の言葉がバラの棘のように心にグサリと刺さった。
反論できないだけに心が痛む。



冬至湯の十五六個の晩白柚  寛昭

北野 和良 感想です。「晩白柚」が秋の季語らしいので、
取るのが躊躇われました。
古閑 寛昭 北野さん、ありがとうございます。
ホトトギスのほうでは季語に載ってなかったので
北野 和良 古賀さん、お早うございます。
この句を読んで最初の感想は、冬至湯に晩白柚を浮かべる地域もあり、
豪華なことだ、というものでした。
念のため角川歳時記を見ると晩白柚=秋となっていて、
紛れもない事実を詠んでいるのに季重なりとは困ったものだ、
さらに季重なりは良くないという鑑賞基準そのものにどこまで拘るべきか
ということでした。初見の印象で素直に採らせてもらった方が良かったかと思います。





(12/21)

数へ日の口に出しては云へぬ事  正則

中七下五が謎めいていて、あの事かこの事かと推理したくなる。
野島 正則 北野さん、特選ありがとうございます。
謎、のママにはしておきましょう(^^)



(並選)

冬晴れへパラグライダー五機六機   林子

青空を背景に色とりどりのパラグライダー。きれいな景が見える。
無事着陸出来ますように。
鈴木 玉恵 和良さん。ありがとうございます(*^^*)
大きな美しい鳥が勇壮に羽ばたいているようでした



トロ箱の金目分け合ふ年の市  寛昭

店のトロ箱に美味しそうな金目を見つけた。
あの人も目をつけたみたい。仲良く分け合いましょう。
古閑 寛昭 北野さん、選句と素晴らしい鑑賞ありがとうございます。



百の罪結実したり冬苺   真波

百の罪という措辞にドキリとした。罪深い身を許し給え、アーメン。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます。
お互いに罪深き身に、アーメン。





(12/20)

ふるさとは風の伯耆や冬怒涛  栄太郎

詠者の故郷、伯耆にも怒涛のように風の吹く冬が訪れた。
厳しい気候だが故郷への郷愁に溢れる句に共感した。
桑本 栄太郎 北野さん・特選にお選び頂き、大変有難う御座います!!。
山陰路の冬はとに角風が強く、海岸近くの実家は雪しまく大荒れでした。
海岸に沿って林立する風力発電のプロペラも止まる程でした。



(並選)

毛皮脱ぎ温みし肌の逢瀬かな   真波

一読して高浜虚子の句を思い出した。
毛衣を脱げば眞肌のあらはなり》・・・ハルピン所見
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます。 そんな句があるのですね!



ころころと嗤うてござる寒椿   暢

寒椿がころころと嗤っているという感覚に同感。
中村 暢夫 ありがとうございます



ひととせは一夜のごとく冬至かな  美音

冬至になり振り返るとあっと言う間の一年だった。
まるで壺中の天のようだ。
向瀬美音 北野さん、悦子さん、ありがとうございます!



星ふるや雪ふるやうにしんしんと  祐

感想です。リズムがとても良いのに感動しました。
牧内 登志雄 北野さん、ありがとうございます。
嬉しい感想をいただき恐縮です。





(12/19)

生々きと影絵となるや枯木立  祐

枯木立が逆光を浴びて立っている。葉を落し眠りについているはずだが、
なぜか活き活きとして見える。静かな風景画だ。
牧内 登志雄 北野さん、特選ありがとうございます。
裸木となって並ぶ枯木立ですが、葉を落としながらも枝は複雑に
絡み合うように存在感を示しますね。鑑賞していただいたように、
何故か不思議な生命力を感じる景色です。



(並選)

またひとり喪中ハガキの師走末  久美子

そろそろ年賀状をと準備を始めたら、また喪中葉書が来た。
悲しい知らせだが、年明けにお悔やみの寒中見舞いを出そう。
山田久美子 北野 和良 様、ありがとうございます



買ふ素振り見せて羽子板市巡る  征一

もう羽子板を買ってやる子はいないが、せめて賑わいの中を歩こう。
今村 征一 北野さん牧内さん御選句並びに鑑賞有難う御座います。



この先はあなたに任す寒昴  美音

詠者は行く先に何か大きな悩みを抱えて迷っているようだ。
向瀬美音 北野さん、ありがとうございます。もう一度冒険したいのです。





(12/18)

冬帝の嘆息ひとつ山凍る   幸

いよいよ本格的な冬がやってきた。
冬帝の嘆息のたった一つで山までも凍るというほどの寒さ。
嘆息一つの措辞が素晴らしい。
(季語が二つあるが、冬帝が主季語と読んだ)
Sachiko Yokoi Hayashi 北野様 ありがとうございます!
季語はご指摘の通りです。感涙です



(並選)

冬耕や一番星の出るまでも  直

刈り取りの終わった田を春に備えて耕す。一番星の出るほど遅くまで。
農家の皆さん、ご苦労さま。
大津留直 北野 和良 さん、ありがとうございます。



はじまりの島へ冬日の帰りをり   暢

はじまりの島とは記紀神話のことだろうか。
沈む夕日を帰ると措辞したところが面白い。
中村 暢夫 北野さん、ご選句ありがとうございます。淡路島でっす!



年の暮れ白磁猪口に紅付けて  Shinogi

白と紅との鮮やかな対比。年忘れでちょっぴり酔った女性のエロス。
(Shinogiさん、句の後ろに俳号を。それと、句の最後のピリオドは不要です)
Mutumi Shinogi 北野さん並選お取頂き有り難うございます、
次回からその様にします。





(12/17)

生まれたる子牛どさりと湯気を立て   百々寧

寒い牛小屋で親牛が出産。生まれた子牛は湯気に包まれている。
どさりとという措辞が新鮮だ。
木谷 有里 北野さんありがとうございます!



(並選)

水仙の招き入れたる女下駄  祐

お庭の水仙を見せてくださいと女の人が入ってきた。
どうぞどうぞ存分に見て下さい。今年の花は例年以上によく咲きましたよ。
牧内 登志雄 北島さん、素敵な鑑賞を戴、ありがとうございます



君の愛ひとひらの雪溶ける距離  美音

ひとひらの雪の溶ける距離、という措辞がいろいろと想像を掻き立てる。
向瀬美音 ありがとうございます。やはり愛はプラトニックがよいのでは?



遺構なる石塔百基冬深む   満徳

どこの遺構かは分からないが、石塔百基の並ぶ景。
寒々とした冬が一層身に沁みる。
永田 満徳 グループ管理者。選んで頂きありがとうござます。
熊本市西区池上町にある寺院跡で、近年発掘されて話題になっています。





(12/16)

肥後訛り通し続けてのつぺ汁  寛昭

肥後にものっぺ汁があるようだ。郷土の味自慢、
5年ほど前に臼杵で食べただんご汁を思い出した。
郷土愛を感じる好きな句だ。
古閑 寛昭 北野さん、ありがとうございます。
だんご汁も美味しいですが、のつぺ汁の方が味が繊細です。
北野 和良 古賀さん、いつかまた熊本へお邪魔する機会があれば賞味したいと思います。
古閑 寛昭 是非ご賞味下さい。



(並選)

言葉なく五つ六つも蜜柑食う   ひらいみつる

何があったのだろうかと聞きたくなるストーリー性に惹かれた。
平井充 北野 和良 様 ありがとうございます。うれしいです!l



「北」大書す舞台の下は冬木立  浩正

「北」之文字の解釈ではなく、背景の冬木立に着目した点に一票。
藤倉浩正 北野 和良 さん ありがとうございます。
今年の一字の映像を見ていて、なぜか葉を落とした木立に目がいきました。





(12/15)

次の角までの驅けつこ空つ風  祐

風が駆けっこをしているとも読めるが、
数人の子供が風の中で駆けっこをしているとも読める。
いずれにしても空っ風に好意的な視線を見た。
牧内 登志雄 原さん、北野さん、空っ風でも子供は元気に半ズボンですね。
今も昔も変わらない冬の風景。違うのは青っ洟がないことくらいでしょうか。



(並選)

見ぬふりは出来ぬ鰭酒別料金   正則

鰭酒は飲み放題の外、別料金。でもこれを飲まねば締まらない。



天辺に確かな希望冬木の芽   孝之

裸木の天邊には早くも冬芽が姿を現して、春への準備をしている。
春を望む詠者の気持ちと重なっているようだ。
原孝之 北野さん、こんばんは。ご選句と鑑賞有難うございます。
本日、枯木になった桜を見ていたら、ほとんに木の天辺にも芽が付いていました。
いつ頃から芽を出していたのか?と思うくらい沢山の芽です。
塊には7つくらいの芽もあります。但し、天辺は一つの芽のようです。



不埒なる棘みずみずし大根葉   真波

大根葉の刺を不埒と措辞したところがお手柄だ。
石井 真奈美 北野さん、ありがとうございます。
新鮮なほど棘が痛くて





(12/14)

神橋の朱色欄干煤払  俊克

当地でも大きな神社で新年を迎えるための煤払いの行事がニュースで
報じられた。お社の朱色の欄干と神職の白い衣の対比が鮮やかだ。



(並選)

凍て空に塵の浪漫となりて燃ゆ  真波

夕焼け空が赤く燃えている。塵の浪漫という措辞が新鮮だ。
詠者の心を映し出しているのだろう。



月光のステージ鳰のすーっと行き  秋子

月光を浴びながら鳰が水面をすーっと泳いでいる。
月光のステージという措辞が秀逸だ。
Akiko Eguchi 和良さん、ありがとうございます。
素敵なご鑑賞、とても嬉しいです



年用意窓の内外俄か手話  亜仁子

年用意のための窓ガラス磨き。ガラスのこちらとあちら側、
声が届かないので思わず手話に。手話が発見だ。
Aniko Papp 選んでいただき、素晴らしいご鑑賞、
ありがとうございます。とても嬉しいですね。





(12/13)

高砂や米寿言祝ぐ冬の夜   孝之

〈高砂や〜この浦舟に帆を上げて〜〉
朗々と米寿の祝いの席での謡。おめでとうございます。
原孝之 北野さん、こんばんは。特選とご鑑賞有難うございます。
昨日、名誉教授の調理の女性の先生の米寿のお祝い会がありました。
92才のご主人もいらして、喜多流の高砂を自らお二人で謡われました。
その自祝の高砂を句にしたかったのですが、
字余りになるので掲句止まりになりました。



(並選)

乳搖らすランナー送る冬木立  祐

女子マラソン或いは駅伝の風景だろう。男としては思わずバストに目が行く。
牧内 登志雄 北野さん、男だから、やはり目が行きますよね。



居心地の悪き半平おでん鍋   悦子

居心地の悪い半平の意味を掴みかねた。(私自身は半平が好みではない)
他のおでんネタと相性が悪いのか? 姿が悪くはみ出しているのか?
柳堀 悦子 北野 和良 さん選と講評ありがとうございます。
朝から大根煮て今日はおでんです。



太陽光パネルは蒲団山眠る  貴之

山の南面斜面に設置された太陽光パネルを蒲団に見立てたところが面白い。




(12/12)

凩や戦ふ女の顔になる   秋子

凩の吹く街を歩くスーツ姿の女性の姿が浮かんだ。営業の外回りだろうか。
今日はきっと契約を取ってやると心に決めたきつい顔。
凩なんかに負けるものか。戦う女という措辞に想像が膨らむ。
Akiko Eguchi 和良さん、選んで頂き、ありがとうございます。
とても嬉しいです。凩って、差別なく吹いてくるんで‥気がつくと挑んでるんです



(並選)

鰭酒や噂話のあれこれと  無鬼

鰭酒と言えば河豚料理。親しい友と鍋を囲み、あれこれと噂話。
あいつ最近調子良さそうだな。いちど手合わせしてみるか。
小林 広一郎 ありがとうございます、町会から帰ってきた家内が、
夕飯の時に近所の方の消息を話すのですが、尾鰭はひれで、
鰭酒になってしまいました。



あれやこれ腑に落ちぬまま霜の声   百々寧

腑に落ちないけれど、さりとて解決の妙案もなし。
こんな時は神頼みしかないか・・・・
具体的な事が見えない分、ストーリー性に惹かれる。
木谷 有里 北野さんありがとうございます。
考えれば考えるほど落ちないのです(>人<;)
もうかんがえるのをあやめないと





(12/11)

海鼠干す龍神の子と知りながら   直美

海鼠は生で酢海鼠として食べるのが多いが、
干したものは中華料理の材料になるという。
その海鼠は竜神の子だという奇想天外な説に一票。
高井 直美 北野 和良 さん、こんばんは。特選に選んで頂き、
ありがとうございます!海鼠の生態や姿がすごく好きです



(並選)

彼もまた底のなき井戸冬の月   美音

冬の月が深い井戸を覗いている。私は彼の心を覗いてみるが
深い井戸を覗くようで掴み所がない。
彼は私のことをどう思っているのだろうか。
向瀬美音 北野さん、ありがとうございます。でも今回は少し読みが浅いですねえ?
これは満たされない心を持つ二人の個人の物語です。



冬木立紆余曲折の素顔かな   真波

葉っぱを落とした冬木立、思いの外曲がりくねっているのだなぁ。
石井 真奈美 北野さん、ありがとうございます。
葉を落として初めてわかる幹や枝が、思いがけずいろんな様相で、面白いです。



逝く人の良き人ばかり年惜しむ  栄太郎

喪中欠礼葉書が何通も来た。皆良い人だっただけに残念でならない。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
振り返れば、今年は自分にとって良い人ばかりを見送りました





(12/10)

堂々とおでんの幟なびく夜   孝之

凩におでんの幟がはためく屋台だろうか。おでんで燗酒を飲むと体も温まる。
お兄さん、卵ともう一本。
原孝之 北野さん、こんばんは。特選とご鑑賞有難うございます。
キャンパスの近くのローソンにおでんの幟がありました。
今年度1000個売り上げた店に立てられるようです。
おでんで冬を乗り切れるといいですね!



(並選)

焼ぐじに酒まわしかけ京の宿  浩正

甘鯛のことをぐじとも言うらしい。京料理の高級食材である。
柔らかい身に酒を回しかけて焼くと絶品の味となる。酒も進みそうだ。
藤倉浩正 北野 和良 さん ありがとうございます。
本当に美味しいお魚です。骨酒も最高です!!!



工事塀取り払われて寒椿   暢

改築中の工事塀が取り払われて、庭が見え鮮やかな寒椿が姿を現した。
きっと家人の自慢の椿の木だろう。
中村 暢夫 北野さん、ご選句ありがとうございます!
助詞のて、は使い方が難しいですね…。



蟷螂のオブジェとなりぬ霜の朝   真波

霜の朝、枝に止まって死んでいる蟷螂を見つけた。
全身に霜の鎧をつけ、まるでオブジェのようだ。
石井 真奈美 北野さん、御選句ありがとうございます。
猛々しいままで、そのまま保存したい衝動に駆られました。





(12/09)

ふるさとの海鳴り遠く波の花  栄太郎

裏日本の故郷を思い浮かべている。
今頃は海鳴りが遠くに聞こえ、波の花が舞い散っているだろうか。
桑本 栄太郎 北野さん、牧内さん、野島さん・・・
いずれの方からも特選にお選び頂き、大変光栄に思い有難う御座います。
冬が深まると共に、今の時季ともなれば故郷日本海は大荒れとなります。
寄せては返す大波が「ごろた石」を巻き込み、「ガラガラズッドンーン」と
恐ろしい音を立てています。余りにも揉まれて、海水は真っ白な波の花です。
寒々とした光景ながら、反面懐かしくもあります。



(並選)

黄落やお狐さまの古祠   悦子

民話・童話の絵本のような景が浮かんでくる。
柳堀 悦子 北野 和良 さんありがとうございます



粉まみれシュトーレン焼く外は雪   幸

シュトーレンはドイツの焼き菓子。Xmasの準備に勤しんでいる。
Sachiko Yokoi Hayashi 日持ちがするし私は大好きですが息子達は楽しくない模様です!



艶やかに香立て湯気立てママレード   林子

柑橘類でマーマレードを煮込んでいる。
焦がさぬようゆっくりとかき混ぜながら。ああ、いい香り。
鈴木 玉恵 和良 さん。ありがとう
実は意外と強火の仕上げで艶が出ます。
視覚、嗅覚、触覚、味覚、聴覚、フル稼動にしてみたつもりです。



雪の香や別れ話に終止符を   真波

ストーリー性があって好きな句です。
石井 真奈美 北野さん、ありがとうございます





(12/08)

冬銀河Wifiの舟で漕ぎ出でぬ   真波

Wifiの舟という措辞に惹かれた。近頃は外国人観光客の要望もあり、
無料Wifiの使える範囲がどんどん増えている。
冬銀河行の舟も無料なのだろうか。
石井 真奈美 北野さん、特選にいただき嬉しいです。
今や無料Wifiが巷に溢れいつでも何処でも瞬時に世界とつながる、妙な感覚です。
ジョン・レノンのイマジンの歌詞のような世界観が側にある感じです。
もちろん、無料でないと^ ^



(並選)

パンドラの箱を開きし開戰日  祐

太平洋戦争の開戦はまさにパンドラの箱を開くようなものだったのだろう。
牧内 登志雄 北野さん、原さん、「パンドラの箱」は
ちょっと安直かなと思いましたが、ありがとうございます。



車道へと実を傾けし七竈   正則

真っ赤なナナカマドの実をつけた枝が車道にまで伸びている。
見事な風景だろう。
野島 正則 北野さん、ありがとうございます。松本の実景でした。



山の端にすとんと赤き冬日没 悦子

並選に頂きます。ストンと、妙に納得します。





(12/07)

冬の波己研がんと砕け散る  直

冬の海辺、岩に砕ける波を詠まれたとは分かるが、中七が難解だ。
波に自分の心情を重ねておられるのだろうが、下五で砕け散るとあり、
なかなか思い通りには行かないと嘆かれているのだろうか。
大津留 直 北野 和良 さん、ありがとうございます。
私としては写生句に近いつもりです。冬の波が寄せてきては岩に砕け散るのを見ていると、
それは、岩を研ごうとしているのではなく、むしろ、波が波自身を研ごうとしているのだ
と思えてきた、ということなのですが、表現が未熟で問題があるのかもしれません。



(並選)

しんしんと音なき音を雪しぐれ  征一

雪混じりの時雨、音も消えた寂しい風景が見える。
今村 征一 北野さん牧内さん石井さん御選句と鑑賞有難う御座います。



大雪の妻はいそいそ女子会に  栄太郎

奥さまはいそいそと女子会に。独り取り残され仕方ないから酒でも飲むか・・・
桑本 栄太郎 北野さん、古関さん・・・大変有難う御座います!!。
小生はまだ一回も忘年会に行っていませんのに、家内は今月二度目も女子会です。
あ〜あ!!。



年惜しむ三行半を前にして  寛昭

まともに読むと大事件だ。ここに来て熟年離婚を迫られた?
フィクションだとしても、離婚など考える深刻な原因は何だろうか?
古閑 寛昭 北野さん、ありがとうございます。身内の話しです。





(12/06)

被葬者の謎の飛鳥や山眠る  無智

古墳に埋葬された主が誰なのか、まだわかっていない墓も多い。
そんな墓を抱えて、山は眠っているーー人間界の悩みなど知らぬげに。
福井 栄一郎 北野さん、選んでいただき、有り難うございます。
古代史は、謎が多いですね。よって、古代妄想ファンも多いところです。



(並選)

寒空にパクっと食べれそうな月  双葉

先夜のスーパームーンを詠まれたと思う。一際大きな満月を見て
食べられそうだというところは如何にも俗人だ。
《名月を取ってくれろと泣く子かな》一茶を思い出した。
新名勝之 ありがとうございます。
昨日期待中に見た満月が簡単に食べられそうに見えたので、
率直に思ったことを句にしてみました。



雪しずり万両たわむばかりなり   美音

北野 和良 並選に頂きます。赤い実を一杯つけた万両が見えます。
向瀬美音 北野さん、ありがとうございます!



ほうほうほうほうと五郎助ほう山眠る  悦子

民話を聴きながら眠りにつく子どもさんの姿が見えます。
柳堀 悦子 北野 和良 さんありがとうございます。
娘の家の前の鬼くるみの木に時々やってきます





(12/05)

冬木立吾一直線に生くるのみ  百々寧

天に向かって真っ直ぐに立つ冬木立のように
私も真っ直ぐに生きようという詠者の決意が清々しい。
木谷 有里 北野さんありがとうございます!



(並選)

とりどりの本を重ねて雪安吾  無智

読書の秋と言う言葉があるが、雪に閉じ込められた時こそ、
本を重ねて読書に時を過ごすのだ。
福井 栄一郎 北野さん、選んでいただき、有り難うございます。嬉しいです。



真っ先に伸ばす箸先鰤の皮  双葉

身は後にして、まず皮に箸を伸ばす。これぞ通人。
新名勝之 ありがとうございます。
私は塩焼きのイメージで詠みましたが、これからが鰤の美味しくなる季節ですね。



落ち葉焚きけしからんとはけしからん  真波

かしからんのリフレインが愉快だ。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとう存じます。
ちょっと川柳っぽいかな、とも思いました





(12/04)

寒き日の心に灯る京言葉  美音

京ことばは歴史の古さを感じさせる洗練された柔らかさがある。
だが、その実都をしらない田舎者をやんわりといたぶる刺も含まれている。
向瀬美音 北野さん、ありがとうございます。そうらしいですね。私は田舎者
北野 和良 美音さん、一句鑑賞おめでとうございます。
(昨夜、特選で頂いた甲斐がありました!)



(並選)

爪の先ほどの幸せ冬の虹   百々寧

小さな幸せを大切にする謙虚な気持ち。
木谷 有里 北野さんありがとうございます!嬉しいです!



水仙の花を呼びたるうす曇り   孝之

薄曇りの寒い日、水仙が咲き始め冬の到来を告げている。
原孝之 北野さん、こんばんは。ご選句と鑑賞有難うございます。
昨日は、枯萩で頑張って実景を詠みましたが、無選でした。
今日の水仙の句も実景ではありますが、、。嬉しいです。
私の感覚がこうして評価されて、、。



御捻りを躱し見栄切る村歌舞伎   悦子

村歌舞伎の名演技に観客は大喜びでお捻りを放る。
演者は見栄を切りながら巧みに当たるのを避けている。
おお、今夜は予想以上の収穫だ。
柳堀 悦子 北野 和良 さんありがとうございます





(12/03)

底冷えのだるま朝日は出現す  俊克

だるま朝日は、海面の海水温と 大気の温度差により
水蒸気に光が屈折して太陽がだるまのように見える現象。
冬に見られる現象で幸運を呼ぶとも言われるようだ。
珍しい現象を見た泳者の感動が伝わる。
大久保 俊克 北野さん、ありがとうございます。嬉しいです。



(並選)

将棋打つ音も軽ろき縁小春空  浩正

縁側で将棋盤を囲む。打つ駒の音も軽やかな小春日和。
さあ王手だ、どうする?
藤倉浩正 北野 和良 さん ありがとうございます。
まさにまさにです。穏やかさを感じました。



夜祭の秩父町ごと膨れけり  正則

秩父の夜祭にたくさんの観光客が。町ごと膨れるという措辞が良い。
野島 正則 北野さん、ありがとうございます。私は着膨れてました^ ^



海からの風吹き荒るる冬の暮  亜仁子

海岸に吹き寄せる強い風で海も荒れている。
寒々とした海辺の景色が目に浮かぶ。
Aniko Papp 選んでいただき、素晴らしいご鑑賞、
ありがとうございます。とても嬉しいですね。





(12/02)

すれ違ふ一輪車の子小春風   林子

一輪車に乗ってスイスイとすれ違う小学生。
上手に乗れるようになって得意顔。小春風も応援しているようだ。
鈴木 玉恵 和良 さん。御選句と鑑賞ありがとうございます(*^^*)
今日は娘たちの小学生時代を思い出しておりました。
ほのほのとした風が届きましたでしょうか?



(並選)

鴛鴦の身動ぎもせず水鏡  真波

鴛鴦が二羽寄り添って身じろぎもしない。
水面は鏡のように冴え渡っている。寒い風景の中の一点の温もりだ。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうこざいます。
鴛鴦の寄り添う姿は、眺める者をホッとさせてくるます。



熱燗二本きめて潜った筈の宵   はるを

熱燗二本と心に決めて潜った暖簾だが、肴の旨さについつい・・・・
江守 治雄 北野さん、藤倉さん、ありがとうございます。
ついつい・・の日々(-_-;)



差し向ふ女箸かな猪の鍋  祐

今夜は殊のほか寒い。猪鍋でも食べて温まろうよ、女房どの。
牧内 登志雄 真奈美さん、北野さん、お選びいただきありがとうございます。





(12/01)

平成の終はりなりけり銀杏落葉  正則

天皇陛下の退位の日が決まったとのニュースが流れ、
平成に代わる新しい元号の検討も始まるようだ。
銀杏落葉の季語の斡旋が素晴らしい。
野島 正則 北野さん、美音さん、選を目指しいただきありがとうございます。



(並選)

地底よりコート吐き出す渋谷かな   直美

人の波をコート吐き出すと措辞したところに感服した。
高井 直美 北野さん、おはようございます。ご選句ありがとうございます!
共感頂いてとても嬉しいです



ゲレンデのホットワインの湯気立ちぬ  美音

いよいよスキーシーズンの始まり。
ゲレンデで飲むホットワインはさぞかし体を温めてくれるだろう。
(ところで疑問、飲酒スキーは合法なのか?)
向瀬美音 北野さん、ありがとうございます! さあ?どうでしょう
牧内 登志雄 違法ではないと思うけど、ゲレンデでは好ましくはないでしょうね。
その後も滑るなら身体にも良くないと思います。



益荒男の背筋はぴんと枯木立  孝之

葉を落しが裸木青空の下に直立している姿に益荒男ぶりを見た。
自分もそうありたいと願う詠者の願望でもありそうだ。
原孝之 北野さん、こんにちは。ご選句と鑑賞有難うございます。
私は猫背です。枯木立のようにしゃきっとしたいですね。(笑)












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