My 俳句手帖(復刻版)    2016 December        トップへ   



(12/31)

年の饗嫁が受け継ぐ母の味

河野 俊文 互選にいただきます。素直に素敵な句だと思った。
代々、その家の味が受け継がれていくのだろう。大きな時の流れを感じますね。

北野 和良 河野さん、ご選句と鑑賞を有難うございます。
味というのは家によって微妙に違うのでそれを覚えるのが大変のようでした。



知己を得て句の妙味かな年深し


年満つや愛に可もなく不可もなく




   年末年始新企画! 【年末は席題で一句】  第二弾

席題一句開始 30日(金) 8:00ーー席題一句終了 31日(土) 24:00
互選開始: 31日(土)18:00ーー

煤払
@基本季語=煤払(すすはらい《すすはらひ》)  
A傍題季語=煤掃(すすはき) 煤竹(すすだけ) 煤籠(すすごもり) 煤湯(すすゆ)
B季語の説明=新年を迎えるために、年末に家屋・調度の塵埃を掃き清める風習。
古くは朝廷や幕府で、十二月十三日に行う年中行事の一つでした。
近年は、寺社などは別として、大晦日近くに行う家が多いようです。
煤払に使う篠竹を「煤竹」、この日老人・子供が邪魔にならないように別室に籠るのを「煤籠」、
手伝わずにどこかへ出かけてしまうことを「煤逃」、その日に入る風呂を「煤湯」といいます。
C例句
煤掃きてしばしなじまぬ住居かな 許六
煤払終へ祖父の部屋母の部屋 星野立子
煤掃のすめば淋しきやまひかな 石田波郷
煤掃いて卑しからざる調度かな 村上鬼城
煤逃げの隣村まで来てをりぬ 黛執


@ 一年の句を清書して煤払

向瀬美音頂きます、本当ですか?
北野 和良 パソコンのホームページを見て下さい。
原孝之 頂きます!スクラップandビルト!



A 煩悩を明日へ流して煤湯かな

向瀬美音 頂きます、明日に流してもまた明後日戻ってくる!!
北野 和良 美音さん、有難うございます。返ってきたらまた蹴飛ばしましょう(笑)
野島 正則 席題一句にいただきます。 良いお年をお迎えください。
清水 憲一 頂きます。すべては過ぎ去りますね。煩悩などは流しましょう。
原孝之 頂きます。上手いです!



B 過去は過去心は明日へ煤払い

向瀬美音 頂きます、ククク、冴えてますね。
北野 和良 美音さん、有難うございます。



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(12/30)   今日はトリプル!


小晦日去りゆく日々に未練なく

野島 正則 一句互選にいただきます。前向きな姿勢に活力を得ました。
北野 和良 野島さん、ご選句有難うございます。嬉しい年の暮になりました。
今村 征一 未練なくが素晴らしい。一句選に頂きます。
北野 和良 今村さん、ご選句有難うございます。来年も精進します。



幻想の交響曲や冬椿

向瀬美音 互選に選ばせて頂きます。一体北野さんはどうしたのだろうか。
北野さんのこのような型の句は初めて見た。ホトトギスだ。
私はホトトギスでガチガチに固められているのでこういう重厚な句に弱い。
しかし、冬椿に幻想の交響曲を合わせてきたところが面白い。
この交響曲は一体誰の何なのだろうか。中7に交響曲とばんと持ってきたところに
重厚さが出てくる。冬椿であるから第九ではない交響曲が合う。
交響曲と幻想、冬椿が微妙なバランスを取っている。埋め字の効果としか思えない。

北野 和良 美音さん、ご選句と鑑賞、有難うございます。幻想交響曲はベルリーズ作、
第4楽章は「断頭台への行進」です。花がポトリと落ちる椿と重ねてみました。



      煤逃や立直を睨む四天王

(立直:りーち、麻雀で聴牌(てんぱい)を宣言すること)

清水 憲一 互選に頂きます。年の瀬の麻雀に集う優雅な風景ですね。
若い頃の至福の時を思い出しました。煤逃で少し後ろめたい気持ちもありますが、
麻雀に興じているときはそれも忘れます。特に役萬を上がった時の爽快さは
終生忘れがたいものです。麻雀に明け暮れた時を思い出す懐かしさき共感の一句でした。

北野 和良 清水さん、ご選句と鑑賞を有難うございます。
私の住んでいるマンションには麻雀室(3卓)があり、30名弱の同好の士が
定例会を作って腕を競っています。私も来年から仲間に入って楽しもうとしています。
清水 憲一 脳を活性化させるには麻雀が最適ですね。(^0^)





   【年末は席題で一句】

席題一句開始 28日(水) 8:00ーー席題一句終了 29日(木) 24:00
互選開始: 29日(木)18:00ーー

@基本季語=日記買ふ(にっきかう《につきかふ》)
A傍題季語=古日記(ふるにっき《ふるにつき》) 日記果つ(にっきはつ《につきはつ》)
B季語の説明=一年間書き綴った古日記にも愛着はあるが、残り少なくなると買い換える。
今年一年間書き続けた日記が、年末となって残り少なくなったもの。 新年を迎える用意の一つ。
C例句
・人波のここに愉しや日記買ふ  中村汀女
・日記買ふ只それだけの用持ちて  今井つる女
・われ買へばなくなる日記買ひにけり  池上浩山人
・日記買ひ夜の雑踏に紛れけり  星野高士
・鍵のある日記長女に買ふべきか  上野泰



@ 古日記未来へ向かふ始発駅

向瀬美音 頂きます。詩情が出てきましたね!
原孝之 頂きます。これまでの特選!
小出有紀 いただきます。「始発駅」
清水 憲一 頂きます。始発駅で人生これからとの感じですね。
熊谷房子 頂きます〜(*⌒∇⌒*)好きな句です。



A 恋の闇手さぐりの中日記買ふ

向瀬美音 頂きます、さすが北野さんの一句・上5、真似しちゃいました!
小出有紀 いただきます。皆さん、恋してますね〜
原孝之 頂きます。意味深!
清水 憲一 頂きます。経験者語るですね。



B 消えてゆく叫びをきこう古日記

野島 正則 年末席題一句にいただきます。たまに読み返すのもよいですね。
原孝之 頂きます!古日記は叫ぶ!


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(12/29)


数へ日の四十余秒や大地吠ゆ


いふならば昨日の風や古日記


六条御息所冬芒     

(ろくじょうのみやすんどころふゆすすき)

(光源氏は桐壺帝の弟君の妃・六条御息所と懇ろになるがその後別れて夕顔と恋人となる。
だが嫉妬深い六条御息所の怨霊に取り憑かれ夕顔は死んでしまうーー源氏物語)





(12/28)


一言を余白に手書く年賀状

佐野勉 互選に頂きます。今日、印刷だけの年賀状が一番多い。
一言を手書きする年賀状は二番目に多い。しかし添える一言は大体同じ文面である。
「お元気ですか」「今度飲みましょう」のような。それだけでも
少し気持ちが通うような気がするのはなぜだろうか。

北野 和良 佐野さん、ご選句有難うございます。
お書きになった通りごくありふれた言葉になり勝ちですが、
それでも相手の人の気持が嬉しくなります。
桑本 栄太郎 「一日一句互選」に頂きます!!。印刷しますが、
宛名は毛筆書の上自分の近況、相手の一番知りたい事、健康の事など
余白にいつも添えます。俳句の友人には新年句などです。
北野 和良 桑本さん、有難うございます。嬉しいです。



露と消ゆアントワネット冬椿


鳥鳴くも人は語らず欅枯る




(12/27)


干支を彫り馬練で刷るや年賀状

Sachiko Yokoi Hayashi プリントゴッコ時代有りましたねぇ
北野 和良 幸子さんもプリントごっこを使われた時代がありましたか。
Sachiko Yokoi Hayashi はい!毎年息子達と大騒ぎでプリントゴッコ。
北野 和良 刷り終わった葉書を部屋中に広げて乾かす・・・大仕事でしたよね。
Sachiko Yokoi Hayashi 犬や猫の足跡が付いたり!大騒ぎの楽しい行事でした!
Sachiko Yokoi Hayashi 馬連や謄写版も知って居る世代です!
江守 治雄 版画時代の夫婦共同作業が懐かしい!今は冷めきってます(T . T)
緒方 順一 版画上手ですね。味がある。もらって嬉しいのはやっぱり版画。
十河 トモ子 皆さん、同じ歴史をお持ちのようで、うちも、ガリ版のプリントゴッコ、
夫婦でかってにわたしが5色の原画を書いて、主人に彫らせ、また二人で刷るという
手間をかけた時代、パソコンで取って代わり、手軽な今、
年賀状とリンクしていろんなことをおもいだしました。智



賀状出す友の息災願いつつ

小出有紀 互選に選ばせていただきます。「息災を願う」とは、なんて日本的な言い回しだろうか。
万人に共通する想いを年賀状にしたためて。長いこと会っていなくても、年賀状が届くだけで安心する。
今年も住所不明で戻ってくることがありませんように。

北野 和良 有紀さん、ご選句と鑑賞を有難うございます。嬉しいです。
年賀状が届き、相手からも息災の賀状が来るのが本当に嬉しいのです



天狼へ悟空奔るや筋斗雲

向瀬美音 互選に選ばせて頂きます。今日の泳者の3句も冴えている。
形が自分好みになってきたのだろうか。しっかり切れがあり、物が見えてくる。
埋め字の成果だと思う。これを選んだ理由は天狼と筋斗雲だ。
天狼はシリウスで冬の夜空の中で最も光彩を放つ。景の広大な流れのある句だ。

北野 和良 美音さん、ご選句と素晴らしい鑑賞を有難うございます。
孫悟空のキャラや逸話が大好きです。





(12/26)


大奥に妍を競ふや寒椿


フルートを奏でる指や枇杷の花

向瀬美音 互選に選ばせて頂きます。北野さんの作風がまた少し変わった。
花鳥諷詠風だ。北野さんはどんなスタイルにもチャレンジしているが私にはこの形がしっくりきた。
まず物に視点を当てて、切れがしっかりある。永田先生の目指す句風だ。
しっかりとフルートに触れている指が見えてくる、と同時にフルートを吹いている唇まで見えてくる。
枇杷の花を花を合わせたのはフルートの音色と枇杷の花が合うからなのだろうか。
音から琵琶まで想像させ、蕪村の ゆく春やおもたき琵琶の抱きごころ まで広まった。
北野 和良 美音さん、ご選句と素晴らしい鑑賞を有難うございます。
二物衝撃に取り組んだ甲斐がありました。また精進します。



性懲りもなく年末のジャンボ買ふ




12月第4週  【俳句大学初心者句座】

【席題】季語有り:数へ日・木枯・冬田  
季語無し:電灯・がさがさ・マンホール


@ 凍りつく城の絵柄のマンホール


A がさがさと銀杏落葉の香取宮


B 数へ日のがさがさ探る当たり籤


C 出始めた芽を慈しむ冬田かな

Masayoshi Nishimoto 選びました。趣があると思います。
北野 和良 西本さん、有難うございます。嬉しいです。



D 電灯の情緒懐かし冬至粥

永田 満徳 頂きます。冬至粥の雰囲気がある。
北野 和良 永田先生、有難うございます。嬉しいです。





   12月第4週 【週末は席題で一句】

【席題】小出有紀氏提供 ●基本季語→年の暮れ
●傍題季語→歳末、歳暮、歳晩、年末、年の瀬、年の果、年暮る、年詰まる
●意味→一年の終わり。街は歳末売り出しで賑わい、家庭では新年を迎える用意に忙しい。
すべてが慌ただしく、活気を帯びてくる。


@ 噂では逢って別れて年暮る

向瀬美音 頂きます。誰のことですか?
北野 和良 美音さん、有難うございます。噂は噂です・・・・



A 相見ての後の心や年の果

向瀬美音 頂きます。百人集みたいです。
合い見てののちほ辛さに比べれば昔はものを思わざりけり
北野 和良 美音さん、ご選句有難うございます。本歌取り、お上手ですね。
原孝之 頂きます。「相見ての」がいいですね!



B お互いに止めと決めたる歳暮かな

向瀬美音 頂きます。うまくなりましたね、びっくり!
北野 和良 美音さん、ご選句有難うございます。嬉しいです。
先年来、兄弟間の歳暮を止めています。
原孝之 頂きます。お互いにはご夫婦か?それともご兄弟か?
清水 憲一 頂きます。兄弟同士の歳暮は止めるのが正解ですね。
貰ったら返さなくてはならないですから面倒です。
野島 正則 席題一句にいただきます。賀状も止めという方も増えました。


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(12/25)


オルガンの響くや雪の降る街に

向瀬美音 真似っこマネリン?すごくうまいけど
北野 和良 類想多々あり?



トナカイの橇を蹴立てて冬銀河

小出有紀 互選に選ばせていただきます
全部が新鮮!「クリスマス」と言わずとも万人につたわるだろう。
クリスマスをこういう切り取り方で魅せるように精進したい

北野 和良 有紀さん、ご選句有難うございます。嬉しいです。



亡き母の声懐かしき冬至粥




(12/24)


      凍て鶴や無念無想の五輪書


クリスマス花のワルツの舞踏会


SMAPの紅白辞退数へ日に




(12/23)


破魔矢授く巫女細き手のたおやかに


ご快癒を祈る天皇誕生日

原孝之 おはようございます。「一日一句互選」に頂きます。
昨日の天皇誕生日に本季語の多くの句が寄せられた。その中で定型にされた掲句を互選した。
天皇陛下のご病気のその後のことはよく存じ上げていない。とにかく激務でいらっしゃる。
今年も慰霊の旅にもお出かけになった。今のご様子から拝察するに、
昭和天皇よりも長命でいらっしゃると思う。「万民に幸を天皇誕生日」孝之

北野 和良 原さん、ご選句と鑑賞を有難うございます。
陛下の風邪が報道される中、昨日はご自分のことはさておき、
新潟の大火の被害の方々へのお心遣いを語られた姿に感動しました。



オカリナとフルート奏ず冬の歌




(12/22)


焼きそばのパイこねに似て寒昴     

(2次元の離散力学系の一種で、カオスを生み出す典型的な
仕組みを抜き出した基礎的な系として知られる。
名称は料理におけるパイの生地を引き延ばして折り畳む操作に因む)



よるべなき命を懐き枯野ゆく

清水 憲一 一日一句互選に頂きます。
数学者の私からすればこの世は全て確率事象である。
天気予報が正にそうで明日は雨40%などがそうである。
つまり0・4の確率で雨が降る訳だ。爬虫類が絶滅したぐらいの隕石が
15年後に地球にぶつかる確率がNASAの計算では三百分の一と云う。
何を言いたいかと云うと世の中には確率100%なるものは極めて少ないが
命の果てる死こそがそれでありこれは何人も免れ得ない。
詠者は年齢とともに死を意識してよるべない命を慕わしく想った。
枯野の風景が正に人間で言う玄冬の風景なのだ。しかし枯野はやがて芽が出て花が咲く。
では人間はどうか類として見た場合に子や孫が花を咲かせると考えればどうだろう。
そのように考えれば死は再生への道程であり永遠なる序章に過ぎないのではないだろうか。
取り止めのない鑑賞になりましたが趣のある好きな句でありました。

北野 和良 清水さん、ご選句と素晴らしい鑑賞をして頂き有難うございます。
秀吉の辞世の歌にも通じるかとも思っています。



抱擁に喘ぎて溶けし雪女




(12/21)


白鳥やヤマトタケルの魂還る

小出有紀 互選に選ばせていただきます。古事記で読んだような気がするが……
忘れてしまったが、17音の内に一気に時空を越えてこられた。壮大なスケールの好きな句だ。

北野和良有紀さん、ご選句有難うございます。
景行天皇の皇子ヤマトオグナは熊襲征伐をした時クマソタケルから、
今後はヤマトタケルと名乗りなさいと言われた。大和に帰ると天皇から東国征伐を命じられ、
その帰り道に伊吹山で負傷し亡くなるのだが、「ヤマトタケルの霊魂は白鳥になって
海辺へ飛んでいった
」と古事記は伝えています。
倭は国のまほろば たたなづく青垣山隠れる 倭しうるわし
嬢子の床の辺に 我が置きし剣の太刀 その太刀はや》(草薙の剣のこと)
などの歌を残しています。この句はこのことを踏まえて詠みました。
ながた ななえ 圭子 こんばんは♪ ヤマトタケルの関西方面の足跡辿ったことを思い出しましたよ



煤払い集めて燃やす宇宙ゴミ


冬銀河イプシロンなる船の航く




(12/20)


アメ横で人気のケバブ暮の市

(ケバブ:中東地域とその周辺地域で供される、肉・魚・野菜などをローストして調理する料理の総称)


山茶花や蕊と葉っぱの薀蓄を


熊祭カムイ伝なる劇画恋し

河野 俊文 互選にいただきます。カムイ伝、懐かしいですね。
白土三平さんの名作で、昔、よく読みました。なかなか奥の深い作品で好きな作品です。

北野 和良 河野さん、ご選句有難うございます。ガロから始まって少年サンデーへ、懐かしいです。





(12/19)


煤払いメビウスの輪の一巡り

清水 憲一 互選に頂きます。メビウスの輪との数学用語が出て来て
それが煤払いの季語と結び付けている所が如何にも詠者らしい発想である。
メビウスの輪を余り知らない人でも始点と終点が輪の表から裏を通って
同じになるものと考えれば一巡の意味が普通の輪をぐるりと巡る一巡でないことが分かるであろう。
物の表も裏もきっちり掃除をする例えに使った。これも輪を平面と考えるから空間上で180度捻って
メビウスの輪が出来るので例えば煙突のような円柱をそのようにするには
詰まりクラインの壺のようにするにはより高い次元が必要になって来る。
何れにしても面白い発想の句で好きな句であった。

北野 和良 清水さん、ご選句と素晴らしい鑑賞を有難うございます。
我が意を得たりの思いで一杯です。嬉しいです。



初巫女の勤しみ作る初御籤


句作りの歩み確かめ年惜しむ



俳句大学投句欄で4月から「一日一句互選」が始まり、おずおずと参加し始め、
5月からは他の人の句の鑑賞文を書き始めた。鑑賞する事が自分の句作りにも役立つと信じたからだ。
4月以降、毎月互選してもらった句数を振り返りグラフにしてみた。
月を経る毎に句数が増えてきた。一日に3句投句するが、三つとも選んでもらう「トリプル」が2回あった。
また、岡田先生、斎藤先生の一日一句鑑賞に3句を取りあげてもらえた。
句力は着実に進歩して来たと考えてよいだろうか?
振り返ると、9月に熊本句会に参加して永田学長のお話を聞けたこと、
TVの番組を見ながら勉強したことなどが糧になっていると思う。
当面は一日一句、月に30句を目標に頑張りたい。
(ご参考⇒http://park.geocities.jp/kitano555_2006/index.html)



野島 正則 一句互選にいただきます。あれこれと振り返る一年。
俳句も一年間の作品を見直すと、その成長?が見えてくるのでしょうね。
北野 和良 野島さん、ご選句有難うございます。
選句をして頂く=成長、と単純に考えるのはどうかとも思いますが、
一つの指標かとは思います。この互選欄が励みになっていることは間違いありません。
今村 征一 歩み確かめがが素晴らしい・一句選に頂きます。
北野 和良 今村さん、ご選句有難うございます。励みになります。

永田 満徳 また、お会いしてお話ができるといいですね。
今後ともよろしくお願いいたします。
北野 和良 来年、また機会を見つけてぜひ勉強に伺いたいと思っています。
原孝之 北野さん、こんにちは。互選の力ですね。
素晴らしいことです。益々のご健吟をお祈り致します。
北野 和良 原さん、有難うございます。皆さんの厳しいご鞭撻のお陰です。
今村 征一 グーンとアップしていますね。ますますのご清詠を!
北野 和良 今村さん、有難うございます。
向瀬美音 北野さん、本当に上手になっています!
江守 治雄 北野さん、こんばんは。先輩の研究熱心には頭が下がります。
私は人様の句を味わう時間がなかなか取れず、相互選の参加はあきらめています。
差広げられちゃうなあ!益々のご健吟を!
桑本 栄太郎 北野さんは、元々色々な知識が豊富な上に、
俳句に真摯に取り組まれ大変実力をつけられたものと思います。
他の方の選句と鑑賞のコメントを行えば、確かに大変な勉強となりますね!。
鷹羽狩行先生も俳句は詠み手半分、読者半分によって完成するものと言われています。
更なるご健吟を!!。
北野 和良 江守さん、桑本さん、過分なコメントを有難うございます。
これからも精進します。





   12月第3週  【俳句大学初心者句座】

【席題】季語有り:冬至・雪催・手袋  季語無し:柱・どんどん・ケーキ


@ マンションに床柱なく山眠る


A 手袋を外し柏手寒詣


B 大納言購ひ煮込む冬至粥


C どんどんと柱を突いて寒稽古

藤井 隆嗣 頂きます。寒さ厳しい中、稽古に励む大人・
子供の元気な声が聞こえてきそうな句だと思います。
北野 和良 藤井さん、ご選句有難うございます。
永田 満徳 頂きます。寒稽古ならではの風景が切り取られている。
北野 和良 永田先生、有難うございます。嬉しいです。



D 熱燗に両刀使ひケーキ食ぶ




   12月第3週 【週末は席題で一句】

【席題】亜仁子氏提供  1.基本季語は、【煤払】
2.傍題季語は、【煤逃】、【煤掃】、【煤籠】 
3.季語の本意は、年末の前の大掃除のこと。年末の前の休みなら、家の大掃除の習慣がある。
この大掃除の目的は、新年を気持ちよく迎えるようになることだ。
【煤逃】はとんずらしてしまうことであり、【煤籠】は老人や子供などを別の部屋などに避難させてしまうことである

@ 大仏の螺髪に潜る煤払い

向瀬美音 頂きます。難しい漢字ですね。
原孝之 頂きます。奈良の大仏?
清水 憲一 頂きます。こう言う体験も良いですね。
北野 和良 美音さん、原さん、清水さん、有難うございます。
野島 正則 席題選にいただきます。螺髪(らほつ)は、
仏像の丸まった髪の毛の名称。ほこりが溜まっているのでしょうね。
小出有紀 いただきます????螺髪の隅々まで掃除して、心の汚れも洗われますね
北野 和良 野島さん、有紀さん、有難うございます。



A ロボットに任せお気楽煤払

向瀬美音 頂きます。北野さんのお家はロボットだらけでいいですね。
北野 和良 美音さん、有難うございます。
太陽光パネルの汚れを拭くロボットも登場したようです。
向瀬美音 筑波はすごいですね!



B 煤逃や理由(わけ)はゴルフの打納

向瀬美音 頂きます。ククク
北野 和良 美音さん、有難うございます。これは現役時代の実話です。


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(12/18)

日めくりの命の果や冬銀河


玉虫の北方領土冬ざるる

高井 直美 一句互選に頂きます。政治問題を絡めて詠むことは難しいと思いますが、
玉虫の、という措辞が素晴らしいと思います。北方領土の問題は私にとって、
あまりにも利権が入り組み、複雑なのですが、お句には風情があり、
人心を第一に考えるべきとのメッセージが込められている様に感じます。

北野 和良 直美さん、ご選句と素晴らしい鑑賞を有難うございます。
とても難しい問題ですが徐々にでも解決へ向けて動いて欲しいと思っています。



一献と数えるを知る寒の鰤




(12/17)


覇を競ふ羽子板市の時の人

今村 征一 時の人とはどのような役者なのだろうかいろいろ想像できる楽しい句。
覇を競ふとは楽しい表現。一句選に頂きます。

北野 和良 今村さん、ご選句有難うございます。励みになります。
桑本 栄太郎 「一日一句互選」に頂きます!!。
羽子板市には毎年時事ニュースで有名な人の羽子板も作られ展示されるそうである。
今年はさしずめトランプ次期アメリカ大統領であろう?又は時の人のピコ太郎であろうか?
と色々想像することが楽しいです。
北野 和良 桑本さん、ご選句有難うございます。嬉しいです。
オリンピック、スケート、サッカー、政界など話題の多い年でしたね。



マスクの目どこへ行くのと煌めかせ

原孝之 こんにちは。「一日一句互選」に頂きます。
北野さんの久しぶりの恋句と読んだ。マスクの女性の目が誘うような目でこちらを見る。
マスクをしている女性はタレントかもしれない。そんな想像も出来る句である。

北野 和良 原さん、ご選句有難うございます。若い頃のデートを思い出して詠みました。





(12/16)


恋を捨て忠義に散りし十二月


合鍵を預けし仲の雪坊主


四島の願ひを砕く北颪




(12/15)


雪虫や海馬悩ます難字古語


雌狐の手ぐすね引くもものとせず


高齢者講習終わり日短

向瀬美音 互選に選ばせて頂きます。北野さんおめでとうございます!
季語の斡旋が非常にうまいと思う。高齢者講習とはどんなものなのだろうか?
私はもう既にこの歳で運転をしないことにした。私の親戚で88歳になっても運転している人がいる。
うちの夫も既にブレーキを忘れたりパンクさせたり、絶対一緒に乗らないことにしている。
とても面白い句だと思う!北野さんはまだまだ頭脳明晰なので88歳まで運転できるだろう。

北野和良 美音さん、互選に選んでいただき有難うございます。
ご承知のように後期高齢者から認知機能検査が義務付けられています。
年月日時間の記述から、16種類の絵を見て覚え、暫く時間をおいて思い出す検査がありました。
一次回答ではノーヒントで思い出すのですが、私は12/16しか思い出せませんでしたが、
2次回答では動物、家具、果物などの16種類のヒントが与えれれ、今度は全部思い出すことが出来、
全検査の点数は92/100とかなり優秀でした。記憶を探るということは
俳句を作っている効果かも知れません。今日の経験を延べただけの句を取って頂き感謝しています。





(12/14)


将門の野望預けし山眠る


さまざまな愛され方や寒忍


一茶忌や矢数を競う三人衆

向瀬美音 互選に撰ばせて頂きます。これは風刺句かなとも思いました。
北野さんは素晴らしい統計能力がおありであるがこの統計には
さすがにお疲れになっただろうと、感謝してもも感謝しきれない。
矢数は埋め字の数であるが、私は俳句大学に入って初めてこのお勉強の仕方を覚えた。
歳時記を使いまわしてどんどん新しい季語を覚え
さらに与えられる惜辞が美しいのでいつの間にか自分の言葉となる。
半分遊びのように見えるかもしれないが実はとてつもない訓練をさせられている。
今晩からまた後期が始まるが今回は新年の季語で挑戦してみたい。北野さんも是非参加してね。

北野 和良 美音さん、ご選句有難うございます。嬉しいです。
一茶は生涯に二万句を作ったと伝えられ、凡人には到底超えられない業績だと思っています。
埋め字の企画についてもお三方には到底及びません。
出来るとすればマイペースのお付き合い程度でしょうか。
向瀬美音 今回は佐野さんは飛ばさないかも!ゆっくり行きましょうね!
佐野勉 私が敬愛する詩人 清水昶さんは俳句に抒情を求め、生涯で3万句余りを作った。
わたしも後を追いたいが、どうも横道にそれることが多く、上達への道は険しい。
俳句大学の先輩諸氏の熱意には頭が下がるばかりである。
向瀬美音 そーや、おかえり!一句鑑賞おめでとう!





(12/13)


雪虫のふうわりふわり飛蚊症


大納言小豆がよろし冬至粥


金色のイルカ跳ねるや碧天へ




   12月第2週  【俳句大学初心者句座】

【投句】 10日(土) 00:00ーー11日(日) 24:00
【席題】季語有り:年惜しむ・凩(こがらし)・笹鳴き  季語無し:顔・ぱらぱら・ワルツ



凩や武蔵は深き海の底


ボブ・ディラン欠席なるや年惜しむ


笹鳴やうねり高まる民の声


年惜しむ同窓会の顔と顔

asayoshi Nishimoto 選びました。雰囲気が出ていると思いました。
北野 和良 西本さん、有難うございます。



久々にワルツを踏みしクリスマス

Aniko Papp 頂きます。クリスマスには、ワルツを踊るご予定ですね。
いいお感じですね。ハンガリー人は、お正月の日にワルツを踊るパーティーをする習慣です。

北野 和良 亜仁子さん、有難うございます。嬉しいです。



ばらばらの宝くじ買ふ年の暮

寺津 豪佐 パラパラですよね、見えにくいけど。
北野 和良 寺津さん、ご指摘有難うございます。間違えたようです。再検討します。
永田 満徳 頂きます。 「バラバラ」に年の暮の感じが出ています。
北野 和良 永田先生、有難うございます。嬉しいです。



パラパラと小銭ばかりの社会鍋


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(12/12)


ロボットと二人三脚煤払い


防人の歌連綿と返り花

原孝之 おはようございます。「一日一句互選」に頂きます。
防人の任務地の九州に住んでいるせいか、この言葉を聞くと同情の念が湧く。
Wikipediaによれば、防人歌(さきもりのうた)とは、大化の改新の後、
九州沿岸の守りについた防人が詠んだ歌である。防人は厳しい任務であり、
遠い東国から九州までを自力で移動せねばならず、さらにその任務期間中の
兵は食糧も武器も各自で調達しなければならない。
また、税の免除も行われなかったため極限の状態であった。
その様な状況で作られた歌が防人歌である。一首引用する。
わが妻は いたく恋ひらし 飲む水に 影さへ見えて 世に忘られず
(現代語訳) 私の妻はとても恋しがっているようだ。
飲もうとする水に影までもみえていて、決して忘れられない。
さて、掲句、防人の歌が返り花の季語とともに蘇ってきた感動がある。季語の力と言えよう。
北野 和良 原さん、ご選句と素晴らしいご鑑賞をありがとうございます。
お書きになった通りで常陸の国(茨城県)にも防人の恋歌がたくさん残り
歌碑にもなっています。歌を読み作者の防人に同情すると共に、
そのような歌を万葉集という国史に準ずる書物に残した古代人に敬服します。
今国連の駆けつけ警護が始まりましたが、指名されたご当人や命じた側の
上層部の人たちに防人歌を詠もうという動きは見られないのが残念です。



冬将軍空の立髪震わせて




   12月第2週  【週末は席題で一句】

席題一句開始 10日(土) 9:00ーー  席題一句終了 11日(日) 24:00
炬燵(こたつ) 【子季語】 掘炬燵、置炬燵、敷炬燵、切炬燵、電気炬燵、炬燵櫓、
炬燵蒲団、炬燵切る、炬燵張る、炬燵開く、炬燵板

【解説】 日本に古くからある暖房器具。近頃は電気炬燵がほとんどだが、
昔は、床を切って炉を設け櫓を据えて蒲団をかけ暖を取った。
また櫓の中に火種をいれた中子を置いて、蒲団をかぶせたものを置炬燵と言った。

住みつかぬ旅のこゝろや置火燵  芭蕉 「勧進牒」
きりぎりすわすれ音になくこたつ哉  芭蕉 「蕉翁全伝」
寝ごゝろや火燵蒲団のさめぬ内  其角 「猿蓑」
つくづくとものゝはじまる炬燵哉  鬼貫 「鬼貫句選」
草庵の火燵の下や古狸  丈草 「丈草句集」
淀舟やこたつの下の水の音  太祇 「太祇句帖」
巨燵出て早あしもとの野河哉  蕪村 「蕪村俳句集」
腰ぬけの妻うつくしき巨燵かな  蕪村 「蕪村俳句集」
猫老て鼠もとらず置火燵  正岡子規 「子規句集」
美しき妻驕り居る炬燵かな  尾崎紅葉 「紅葉句集」


雀友と膝突き合わす掘炬燵  和1

小出有紀 いただきます。 最近はしりませをんが、一昔前の炬燵の天板の裏は緑でしたね
北野 和良 有紀さん、有難うございます。天板を裏返して家族麻雀をよくやりました。
原孝之 頂きます。堀炬燵の麻雀はいいですね。
清水 憲一 頂きます。掘炬燵で徹マンやってた頃が懐かしいですね。
北野 和良 原さん、清水さん、有難うございます。



子供らの勉強机置炬燵  和2


堀炬燵あの娘の足と思ひ込み  和3

小出有紀 いただきます。面白い?と思えるのは傍観者だからこそ(笑)
北野 和良 有紀さん、ご選句有難うございます。
清水 憲一 頂きます。苦い思い出ですね。(^.^)
北野 和良 清水さん、有難うございます。
原孝之 頂きます。男の足だったり!(笑)
北野 和良 原さん、有難うございます。



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(12/11)


煽てられちと飲みすぎて千鳥足


寒鰤の油奔れり醤油皿


寒葵花はだまって咲いている




   ◆ 第3回「漱石忌ネット句会」のご案内 ◆

「漱石忌」(没後100年)および「インターネット俳句センター開設20周年を記念して」
主催:インターネット俳句コンテスト実行委員会
共催:俳句大学
協賛:漱石記念年実行委員会(予定)
選者:高橋信之・木暮陶句郎・五島高資・高橋正子・橋句美子・松野苑子・仲寒蝉・永田満徳
実行委員会委員長:永田満徳


永遠に名の無き猫や漱石忌    【木暮陶句郎特選5句】

ペットたちに人間が勝手に付ける名前。
考えてみれば本来、動物たちに名前という概念はないのである。
そんなことに気づかされる一句だ。



かの髭の流行りとなるや漱石忌


漱石忌主脳が働かないと言ひ




(12/10)


鰤一献まずは頭を兜焼き


冬帝や将門駆けし山野まで


魂を鳴らして開く寒椿

小出有紀 互選に選ばせていただきます。
「魂を鳴らす」なんて素敵な響きだろうか。一瞬にして心を鷲掴みにされた。
冬の花だからこそ、活きる言葉のように思う。 椿は花ごと散ることから、武士の潔さにも通じる。
おりしも、忠臣蔵の12/14が近い。長く貧しい屈辱の日々に耐え、
自らの命をかけた最後の戦に向かう。そんな場面を思い出した
有紀さん、ご選句と素晴らしい鑑賞を有難うございます。
NHKの「忠臣蔵の恋」を毎回熱心に見ています。
とりわけ女主人公きよの命がけの恋に感動し、こんな句となりました。
小出有紀 私もたまに見ています。 今は、古舘さんが実況する忠臣蔵の再現ドラマ見て燃えてます





(12/09)


鮟鱇や光る武蔵の艦首紋

(第2次大戦、日本の造船技術を結集した不沈戦艦武蔵が
1200mの海底で発見され、艦首の菊の御紋が確認された)

原孝之 こんばんは。「一日一句互選」に頂きます。
戦艦武蔵はレイテ沖海戦にてアメリカ空軍の猛爆撃に遭い沈没した。
2015年3月2日、マイクロソフト社の共同創業者で、第二次大戦中の軍用機コレクターでもある
ポール・アレンが武蔵をシブヤン海の水深1000mの地点で発見し、翌日に公式発表した。
先日、NHKでその資料写真の解析から、武蔵が自分の弾薬の大爆発から
粉々になり沈没したことを放映していた。掲句は季語に鮟鱇を持ってこられた。
アンコウは水深30m-500mの砂泥状の海底に生息する。手足のように変形したヒレで海底を移動する。
このことから、アンコウ目の魚類全体に対して底生生活のイメージが持たれているが、
アンコウ目のうちチョウチンアンコウなどは深海域の150m-2500mの中層域に生息し、
ハナオコゼのように表層に分布するものもある。
深海魚の鮟鱇と粉々になり沈没した武蔵の取り合わせが何とも物悲しい。
北野 和良 原さん、ご選句とご鑑賞をありがとうございます。
私もNHKスペシャルを見て、復元映像に胸の潰れる思いでした。
米空軍の波状攻撃に為す術もなく、味方空軍は一機もなし、武蔵が哀れでした。
深海のイメージから季語は鮟鱇としました。



贋作も続編もあり漱石忌


俗名無き猫に戒名漱石忌

小出有紀 互選に選ばせていただきます 一読して、『吾輩は猫である』だとわかる。
名前がないのに、戒名があるとは面白い。「俗名」と「戒名」の対比が良い
まだ読んでないので、読みたくなってきました(^-^)/
北野 和良 有紀さん、ご選句とご鑑賞をありがとうございます。
漱石は何度読んでも面白いですよ。





(12/08)


牡蠣食ぶや縄文人の尖頭器

野島 正則 石器時代の貝塚からは、牡蠣はもちろん、多くの貝殻が出土する。
句にある、尖頭器は、木の先に結びつけて大型動物に向かって投げるなど、
槍として使われていたようだと思います。繋がりが、ちょっと薄くなると思いますが、
一句互選にいただきます。食ぶや、は、牡蠣を喰ぶ、くらいでもいいかなぁと思いました。
北野 和良 野島さんご選句とご鑑賞をありがとうございます。
仰る通りで牡蠣を剥く道具として「石刃」を見つけましたが
音が揃わないので敢えて「尖頭器」としました。
向瀬美音 うまいね!
北野 和良 美音さん、有難うございます。



防人の出征せしや大枯野

(万葉集には常陸国(茨城県)からの防人の歌がたくさん記されている。
筑波嶺のさ百合の花の夜床にもかなしけ妹そ昼もかなしけーー那賀郡の上丁大舎人部千文ー4369
我が面の忘れもしだは筑波嶺を振り放け見つつ妹は偲はねーー茨城郡の占部小竜ー4367)

河野 俊文 互選にいただきます。大枯野の季語が、あまりにも悲しいくらい効いています。
誰しも好き好んで出征したわけではありません。12月8日にふさわしい秀句だと思います。
北野 和良 河野さん、ご選句とご鑑賞をありがとうございます。嬉しいです。
恋人に想いを残したまま戦に行った若者の心が偲ばれます。
向瀬美音 北野さん、さすが!
北野 和良 地元茨城(常陸の国)の紹介をしなければ・・・(笑)



トラトラトラアリゾナ燃えし開戦日




   12月第1週 【俳句大学初心者句座】

【席題】季語有り:師走・北風・牡蠣   季語無し:竿・ざつくり・デパート

ざっくりとスコップ鳴るや雪下ろし

畝川 晶子 頂きます(*'-')。あまり雪の降らない瀬戸内海近くに住んでいるのですが、
「スコップ鳴るや」で、雪下ろしの情景が鮮明にうかんできました。
北野 和良 晶子さん、ご選句有難うございます。嬉しいです。
亀山 美雪 いただきます。屋根の雪下ろし、雪深いところならではの光景ですね。
永田 満徳 頂きます。雪下ろしの感じがよく出ています。



縄文の塚に残れる牡蠣の殻

Masayoshi Nishimoto 選びました。なるほど、牡蠣は縄文時代から食べられていたのですね!
北野 和良 西本さん、有難うございます。



師走来る宝くじ買ひ運試し

藤井 隆嗣 頂きます。冷たい風が吹く中、宝くじを買いに走っている人達の光景が伝わってきます。
北野 和良 藤井さん、有難うございます。嬉しいです。



氷上の穴にそろりと下ろす竿


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(12/07)


機械など烏滸がましいぞ煤払い

(おこがましい:出過ぎている、なまいきだ、ばかげていてみっともない、など。)


湯豆腐や四角四面とゆで卵

向瀬美音 湯豆腐にゆで卵を入れるの?
北野 和良 我が家流です(笑)
向瀬美音 私も入れてみよう!



くさめして一つ難字を覚えたり     

( くさめ/くしゃみ:嚔)、口部17画、シフトJIS9A8A)

小出有紀 互選にいただきます。小さい頃から漢字が好きで、愛読書は漢和辞典であったが、
「嚏」は、俳句を詠んでいなかったら知らないままの字であったにちがいない。
北野 和良 有希さん、ご選句頂き有難うございます。
俳句を読む方は難しい漢字を使われるので、悩みもしますが勉強にもなっています。
Aniko Papp 一日一句互選に選ばせていただきます。
【一つ難字を覚えたり】という基底部は、作者の小学生の頃のご経験えあるかもしれません。
日本人の小学生、日本語の沢山の漢字を長い間覚えると、日本語の先生から存じます。
沢山の漢字を覚えることは、大変な手間暇がかかると、日本語を勉強しながら、
私もそう感じました。難しい漢字を一つも長い間覚えることができます。
この基底部の前、季語である【くさめして】という干渉部が適切です。
「くさめ」の漢字は本当に難しいですから。私のパソコンのせいで、
ここにお書きすることもできません。面白いお句ですね。





(12/06)


いたずらっ子こっそり芋の落葉焚

亀山 美雪 互選に選ばせていただきます。あるある情景に思わずクスッとしてしまいました。
北野 和良 美雪さん、ご選句頂き有難うございます。嬉しいです。
ジャガイモなどを入れる子もいるようですね。



陽だまりの押し競饅頭はみ出す児

今村 征一 良く見ていらっしゃいますね。
私もはみだされたことが何度もありました。一句選に頂きます。
北野 和良 今村さん、有難うございます。励みになります。



寒参筑波颪の鬨の声

(筑波颪も冬の季語になるので、この句は季重なりとなるーー失敗)




(12/05)


馴初めは引き売りの声や〜きいも〜


焼き芋の好きな娘と五十年


ラスコーのクロマニョンや焚火跡

佐野勉 互選に頂きます。洞窟の住人からの招待状です。
ラスコーは壁画だけでなく、裁縫、アクセサリー、狩猟道具、アート作品など、
現代人より優れた物語性・感性・才能を併せ持っていたように思います。
毎夜、焚火をしながら、我々の祖先は久遠に思いをはせていたかもしれませんね。
ちょうどラスコー展をやっています。来春になったら、見に行きましょう。@国立科学博物館
北野 和良 佐野さん、ご選句とご鑑賞をありがとうございます。
ホモ・サピエンスよりも古いクロマニョン人があの洞窟画のような芸術を残したことに驚きを感じています。





   12月第1週 【週末は席題で一句】

【席題】野島正則氏提供  焚火 @基本季語=焚火(たきび)
A傍題季語=朝焚火(あさたきび) 夕焚火(ゆうたきび《ゆふたきび》)
 夜焚火(よたきび) 落葉焚(おちばたき)焚火跡(たきびあと)
B季語の本意=暖をとるために、枯木や枯草を燃やすこと。
社寺の境内での落葉焚、野山で木の枝や枯蔦を燃やす焚火、
また建築現場で木屑や塵を燃やす焚火など、いかにも冬らしい光景である。
近年は、法律で禁止されているようで、見かけることは少ないでしょう。

東京都「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」では、
家庭用焼却炉、小規模焼却炉、ドラム缶や一斗缶による焼却や野外焼却などを禁止しています。
例外は
1. 伝統的行事及び風俗慣習上の行事のための焼却行為
2. 学校教育及び社会教育活動上必要な焼却行為
3. 前二号に掲げるもののほか、知事が特にやむを得ないと認める行為

【例句】

焚火かなし消えんとすれば育てられ    高浜虚子
なめらかに煙伸びゆく焚火かな    阿波野青畝
訪(おとな)ひを待つとはいはず夕焚火   上田五千石
流木をねぎらふ焚火はじめけり   中原道夫
夕日なきゆふぐれ白し落葉焚   小川軽舟



@ 平城の遺構にありや焚火跡

向瀬美音 頂きます。重厚な句に挑みましたね!
北野 和良 美音さん、有難うございます。励みになります。
小出有紀 いただきます。 考古学と俳句が繋がるとは。勉強させていただきました



A 夜焚火や天狗の群れの忍び寄り

向瀬美音 頂きます。天狗の鼻が見えてきます!
北野 和良 美音さん、有難うございます。嬉しいです。
原孝之 頂きます。幻想的ですね。
清水 憲一 頂きます。鞍馬の天狗と火祭りの夜を思い描きますね。
木谷 有里 選びました。天狗と火がすごく面白いです!



B 森の奥杣人集まり朝焚火


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(12/04)


      店頭の特設コーナー漱石忌


霜月や「漱石悶々」始まりぬ     


      「坊っちゃんのそれから」上梓漱石忌

向瀬美音 今日は漱石できましたね!私も真似しようっと




(12/03)


叡山に声明を聴く寒昴

向瀬美音 北野さん、声明を聞いたのですか?
北野 和良 TVで観ました。
ながた ななえ 圭子 数年前声明のコンサートを聞きに行きましたよ
 その時はグレゴリアン・チャントと一緒に演奏していました



木枯しや宝のウイッグ風に乗り

向瀬美音 ククク
北野 和良 私のことではありませんよ(笑)
ながた ななえ 圭子 長野の車山のリフトに乗った時地面にソレが落ちていました。
職員さんがそういうものを拾ってあげないのですね
北野 和良 私もゴルフをやっていて、帽子を風に飛ばされてしまったことは何回か経験しています。(笑)
佐野勉 互選に頂きます。世の中にはシビアな句、エロい句、写生句、
抒情句などいろいろありますが、私はおかしみのある句が好きです。
御句から、は有季川柳の趣も匂いますね。
 ウィッグや風に吹かれてボブディラン お騒がせしてすみませんでした。
北野 和良 佐野さん、ご選句有難うございます。仰るように川柳っぽいですね。



慶事ありちょっと気張ってうどん鋤




(12/02)


クリスマスソング愉しや掛け時計


初雪や男峰女峰に隔てなく     


申年の年貢納めや「神ってる」




(12/01)

選ばれて進歩嬉しき神在月

(十一月は斎藤信義氏の一句鑑賞に二句選ばれた)



鑑賞は成長の糧霜月来

(一日一句互選の鑑賞文を書き始めて、七ヶ月が経った)



マスクの娘(こ)秘すれば花よ眼に力

桑本 栄太郎 北野さん・・・「一日一句選」に頂きます!!。
今の時季特に病院へ行けば、受付も看護師さんもドクターも皆マスクすがたとなりました。
「秘すれば花」とは言い得て妙ですね!!
特に女性の場合は「眼力」が強くなり、魅力的にもなります。
古代中国では戦いの前に眼力のある妙齢の女性をずらりと並べ、敵軍を睨みつけさせとそうです。
相手は委縮してしまい、戦意を喪失したと言います。
北野 和良 桑本さん、ご選句頂き有難うございます。嬉しいです。
孔子と弟子顔回を中心とした小説『陋巷に在り』(酒見賢一著)で、
眼力のある妙齢の女性(呪術)の話を読んだ覚えがあります。










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