My 俳句手帖(復刻版)    2015 January        トップへ                



(1/31)

 (俳句大学投句 ↓)

      《合格必勝家内安全 喝》


《澄んだ眼で稚児の見つめるダルマ市》     


      《冬空に髭跳ね上げる福ダルマ》




(1/30)

「京土産急ぐ家路や雪の道」     


      「冬枯れの車窓遥かにゴルフ場」


「納骨を終え霙降る東山」     


      「冬星へ出さむと二円切手足す」


「京へゆく弔の旅路や小雪舞う」     


「色、色の花を訪ねて幾歳か 未だ到らぬ言の葉の道」

  (写真は木谷 有里さんから)





(1/29)

 (俳句大学投句 ↓)

      《大黒を抱いて恋猫福招き》

《カイゼルと泥鰌の髭と福ダルマ》    

      《烏帽子つけママにおねだりダルマ市》


《絡む蔦藤原の栄華偲ぶ冬》     

(写真はのり子さんより)




(1/28)

      「着飾って夢見る稚児や初不動」


「五色にたなびく雲や初不動」      

(五色::いついろ)

      「丈六の不動見守るダルマ市」


「ウィンクがおらの得意と福ダルマ」      「冬空に主待ってる福ダルマ」




「見えぬ眼で世相見透す福ダルマ」       「金箔をマスクに隠す福ダルマ」




「初市や何気に嬉し油そは」     


      「歯石取り口中スッキリ冬の晴れ」


 (俳句大学投句 ↓)

《初天神胸ときめかせ恋の絵馬》    

《初天神胸ときめかせ絵馬吊るす》 或いは 《初天神胸の高さに恋の絵馬》

《初天神バスト突上げ恋の絵馬》




(1/27)

      「緑の芽膨らみつつも春を待つ」

「ふざけあう二人横目に日向ぼこ」           


 (俳句大学投句 ↓)

      《初天神目よりも高く絵馬を掛け》




(1/26)

 (俳句大学投句 ↓)

《初みくじアタシ大吉カレシ凶》     




(1/25)

俳句大学投句 ↓)

《小雀が父父と呼ぶ親鴉》      《寒鴉子カァ子カァと木の枝に》



太郎冠者が雀と鴉は親子だと言う。その理由は、雀は鴉に向かってチチ、チチと呼びかけ
鴉が子かぁ、子かぁと答えているではないかーーという狂言がある。(和泉元彌氏談)

このギャグは、「雀大海に入り蛤となる」や「亀が鳴く」よりもよほど身近に感じられる。
俳人が雀と鴉の親子関係をどうして句材としないのか、不思議に思う。





(1/24)

 (俳句大学投句 ↓)

      《急がねば時間気になる冬デート》

《急く気持ちフェンダーミラーに冬の雲》      《 慎重にフェンダーミラーで冬の坂》

《冬の坂肩を寄せ合い車避け》      《夕時雨指絡ませる後部席》


《三度目も凶と出ました初みくじ》     




(1/23)

     《江ノ島や鳶の見下ろす雪の富士》




(1/22)

 (俳句大学投句 ↓)

《サーファーの風を待ちつつ冬の海》    

⇒ 《セイル立て風を待ちゐる冬の海》


      《カニさんも夏か冬かと惑わせる》

「川ガニ、沢ガニ」などは夏の季語。一方「ズワイガニ」などは冬の季語。
しかし会話の言葉としては単に「カニ」と省略することも多い。
音数のために「カニ」と縮めた時、季節はどう読み取られるのだろうか?





(1/20)

 (俳句大学投句 ↓)

《日脚伸ぶ石のカーブに時刻み》    


      《軍神も受験祈願に苦笑い》

児玉源太郎は日露戦争において満州軍総参謀長を勤め、勝利に貢献した名将といわれている。
奉天会戦勝利の報に大本営がウラジオストクへの進軍による沿海州の占領を計画した際、
児玉は急ぎ東京へ戻り戦争終結の方法を探るよう具申している。





(1/19)

 (俳句大学投句 ↓)

《これもまた季節に悩む茅の輪かな》     

《茅の輪見て季節に悩む初詣》

「茅の輪」は【夏の季語】。
「水無月の名越しの祓いする人はちとせの命延ぶといふなり」(温故日録)
「思ふことみなつきねとて麻の葉をきりにきりても祓いするかな」(法性寺関白記)

古くは茅の輪(くぐり)は夏の行事だったようだ。 上に挙げた歌を唱えながら輪を潜り祓いをしたという。
だが、(日頃不信心な)私たちは初詣に神社に参った時の茅の輪が印象深い。
茅の輪を潜って敬虔な気持ちになり一句浮かんでも、(発表は)夏まで待たねばならないのだろうか?



     《味噌汁の麸が笑ってる冬朝餉》

(写真は阿部春代さんから)


 (俳句大学投句 ↓)

《東海道宿場の誇り藤と沢》     


     《電子レンジボンッと一声実朝忌》

(推敲)⇒ 《実朝忌ボンッと一声レンジ死す》

電子レンジを作動させようとしたら、ボンッと鳴ってご臨終。
調べると7年前に買った製品なので寿命だと諦めることにした。
仕方なくホームセンターに走り、新しい製品を購入した。





(1/18)

《密室の謎や凶器の氷柱溶け》     




◆ 「甘酒」は夏の季語!!(その2)

 (俳句大学投句 ↓)

《団扇しか術のなかった江戸っ子は 甘酒を吹き涼を取ったと》

《梅を愛で甘酒を飲みゆるむ頬 季は夏と聞き戸惑うばかり》




《江戸っ子は夏に甘酒吹いて飲み》   《甘酒や江戸っ子気取り夏に飲み》

《生真面目に歳時記崇め夏に詠む》

『暑い時に飲むと、かえって暑さを忘れるので夏に愛飲される。江戸時代には(夏に)甘酒売もいた。』




(1/17)

 (俳句大学投句 ↓)

《マンホール市章に写す藤の花》  ⇒  《マンホール写す市の花藤の花》

     

「藤の花」は春の季語。藤沢市の花は藤の花、木は黒松のようだ。




(1/16)

      《ロウバイや露の雫に春近し》

(推敲)⇒ 《蝋梅や花の雫に空を籠め》


《水仙に釣られ吟行冬うらら》    

(推敲)⇒ 《水仙に釣られ甘酒飲む二人》

◆ 「甘酒」は夏の季語!!
《水仙に釣られ吟行冬うらら》の句は、(冬)の季語が季重ねになっていると気づいたので、
⇒《水仙に釣られ甘酒飲む二人》と推敲してみたが、何と「甘酒」は夏の季語だった。
『暑い時に飲むと、かえって暑さを忘れるので夏に愛飲される。江戸時代には甘酒売もいた。』 (角川歳時記より)

現代の私たちは、甘酒は冬の寒い時期(正月、梅見など)に飲むことが多いから、
てっきり季語としてなら「冬」だと思っていた。
俳人の方は本当に甘酒=夏、として詠まれるのだろうか?



     《紅梅や昨夜のドラマ思い出し》

《即吟の並ぶはずなし芭蕉句碑》    

春もやや景色調ふ月と梅    志ばら久は花の上なる月夜かな    (芭蕉)


 (俳句大学投句 ↓)

        《宝剣を富士に献じて冬女神》

《冬江ノ島壁に座す弁財天》       


      《ミステリー犯人(ホシ)追い続け冬の朝》




(1/15)

 (俳句大学投句 ↓)

《餅団子炙る炎に顔ほてり》     《とんど火に顔を背けて餅炙り》




《左義長やどんどとんどと呼び名変え》     

地方によって「どんど」「とんど」「どんと」など呼び方は変わっている。
最初に火をつける役は年男・年女らしいが、ここでは小学生の男女がその役目を。





(1/14)

 (俳句大学投句 ↓)

     《風下は煙に巻かれるどんど焼き》


《降りしきる雪を羨む子らもおり》    

《降りしきる雪を羨み独り酒》


      《春近しインプラントの型を取り》


《子規なくば俳句如何にや冬ざるる》    


 (俳句大学投句 ↓)

      《コミカルに亀の泳ぎや梯子乗り》


《煩悩も雲散霧消雪の富士》     




(1/13)

《左義長や青竹はぜる音高く》      《青空に爆竹響くどんど焼き》




 (俳句大学投句 ↓)

      《出初式ジェット水流虹を吐く》


《邯鄲の夢の枕や空っ風》     

梯子乗りの技(型の一つ 『邯鄲の夢の枕』)




(1/12)

      《寒四郎たかが俳句と駄句連ね》


《左義長や炎吹き上ぐ空っ風》    

     《焼いて身を平安に捧ぐ達磨かな》

《団子持ち火の収まりを心待ち》    


《火付け役平成生まれ年男》    《左義長や賀詞の乾杯賑やかに》



《お供物はゴボウ人参サツマイモ》    《どんど焼き神事の祝詞朗々と》



《美人の血受け継ぎ晴れやか新成人》    

     《頑張れよ馬子にも衣装新成人》

《溌剌と晴れ着装う新成人》    


 (俳句大学投句 ↓)

     《七色の水煙煌めく出初式》

《梯子乗り鳶の荒業肝つぶし》     




(1/11)

     《消防のブラス今年は♪ありの〜ままに〜♪》


 (俳句大学投句 ↓)

《小手かざし富士を眺める梯子乗り》    

     《初御空天蹴り上げるいなせ鳶》




(1/09)

◆ 正月七日の別称 戯れ句

鶏旦(一日)、狗日(二日)、猪日(三日)、羊日(四日)、牛日(五日)、馬日(六日)、人日(七日)

旦に鳴響く の年》    《日には羊頭肉 の年》

日こそ突猛進 年》    《日に群れなす 年》

日や歩国会 の年》    《日など耳東風の の年》





《城燃えて浪速の夢や阿茶の墓》      (俳句大学投句)

     

はじめ神尾忠重に嫁いで一男をもうけるが、夫の死後は家康に召された。
才知に長け、奥向きの諸事一切を家康より任されており、大坂の役の際には和議の使者を務める。
家康の死後には他の側室とは異なり、彼女のみはその才を惜しまれ、遺命により剃髪をしなかった。
後水尾天皇より従一位民部卿を賜る。秀忠の没後に出家して雲光院と号する。
寛永14年(1637年)に83歳で死去し、雲光院(東京都江東区三好)に葬られた。





(1/08)

《七福神七草の粥一気呑み》



《メタボかと検診に怯える布袋尊》
《エビで鯛 鯛で鯨釣る恵比寿天》
《縄文の米を薦める大黒天》
《危険ドラッグと闘う毘沙門天》
《アベノミクス経済引張る弁財天》
《後期高齢まだまだ甘いと福禄寿》
《アデランス買ってあげたい寿老人》


 ( 俳句大学投句 ↓ )

《羊跳ね木の香漂う木場の景》     《エコ願う木場の匠の心意気》






(1/07)

「人日やインプラントの経過良し」    

     「人日を祝うかビミョー後期入り」


 ( 俳句大学投句 ↓ )

《柾目板飾る大工の江戸心》     

《初春や板絵に大工の江戸心》

深川には江戸時代500軒を越す材木商の店が並んでいたという。
材木商たちは新年を板に絵を書いて祝ったらしい。その伝統は今も続いている。





(1/06)

《風化せし「牛日」を詠む俳の意地》       ( 俳句大学投句 ↓ )

     

季語「牛日」:(ホトトギス歳時記には無し)
合本歳時記 ⇒一月五日。四日に次いで仕事始めとするところが多い。
角川歳時記 ⇒かつて宮中では叙位の日、木造始めの日であったという。
『歳時故実』に「牛日という。木造り始め 禁裏にあり。千寿万歳ならびに猿楽等来る」
(例句) 牛日や駅弁を買いディスク買い 木村美智子(玄鳥)
   五日の句はたくさんあるが、牛日の例句はこの一つだけだった。

この言葉は「広辞苑」にはない。ネットで検索をしても全くヒットしない。
ネットでヒットするのは、中国のサイト、牛肉屋・レストランなどばかり。
つまり歳時記以外では全く死語となった言葉だとしか思えない。

正月の七日間には、鶏旦、狗日、猪日、羊日、牛日、馬日、人日と別の呼び名があるようだ。
でも月の別称、睦月、如月、弥生などと同様に絶滅寸前。


《牛日を土用の丑と早合点 寒にうなぎは売ってるかしらん》

《牛日や知ったかぶり屋の隠し針不知の輩をチクチクと刺す》



     《 寒土用独り佇む焚き火痕》

《焚き火消え沈思黙考スマホ繰り》    《焚火越し揺れる瞳にときめいて》

《パチッと爆ぜ焚き火の火の粉メガネ撃つ》    《不精者尻を焼かれる焚き火かな》


 (↑ 俳句大学投句 ↓ )


《初春や木場に三十六歌仙》

    

深川(江東区三好)善徳寺の外壁に【三十六歌仙】の歌を書いた板が並べられていた。
墨痕も鮮やか、中々の達筆だ。使い回しではなく毎年新しく書いているように見えた。



《春近し板に宿れる歌仙かな》

    

柿本人麻呂と猿丸太夫とは同一人物というのが梅原猛氏の説だが、歌仙では別人物として挙げられている。




(1/05)

《末吉に承服できず引き直す》      


 (俳句大学投句 ↓ )

《めでたやな鈴なりにおわす七福神》

    

深川七福神巡りは順路に七福神の幟が立てられていて道に迷うことはなかった。
御朱印(各100円)を頂く色紙の他に、祝い笹に下げる七福神の土鈴(各300円)を頂くやり方もある。



      《深川や七福詣浅利飯》

たっぷりのアサリとキノコの炊き込み飯は江戸時代から続く深川の庶民の味だ。



《無重力惑星直列姫初め》     

2015年1月5日am2:47 惑星直列が起きて無重力状態?が発生するというNASAの発表。
本当かどうか、今夜は起きて確認しよう。

⇒(結果) 特別にどうということは無かった。ガセネタに騙された!!





(1/04)

     《行きつけのカフェに年賀のモカ薫る》



 (俳句大学投句 ↓ )

《晴着きてゆらめく湯気に心秘め》     


《家々に福を届ける臼起し》

   

種子島では子供たちが家々を巡って玄関で、
祝いの言葉『年の初めのうす返し:東とう様の、木を切り、根では、うす切り、その枝では、きね切り、
日本の鳥と、からの鳥とがとびうつらないうちに、千国・万国の米をつかせてたもうれ
 とっちん かっちん とっちん かっちん・・・・・』を述べ
杵で餅を突く真似をしその家の安泰を祈り、家人はお礼に餅やミカンなどを手渡す行事が今も続けられている。





(1/03)

《黙々と神前に列す初詣》    

 ( ↑ 俳句大学投句 ↓ )

     《平安を祈る破魔矢に羊絵馬》




(1/02)

《ひょっとこもお囃子に乗り福渡し》     


     《安産の底抜け柄杓初詣》


《初釜や袱紗捌きも改まり》     (俳句大学投句)

     

(国立博物館内 転合庵)





(1/01)

《あらたまの年を言祝ぎ屠蘇交わす》    

俳句大学投句)






             本家ホームページへ